踊り場
深い、深い――嗚呼。
呼ばれている音のロンド。
光のきらめく踊り場で、足を止めた。
瞬く星を数えて。
人形は踊る、白いレースは翻り。
鼓動を打つ、孤独を撃つ、
引き摺った、ガラスを引っ掻くような、ノイズ。
耳を塞ぎながら、目を奪われながら、灯を映す。
廊下の奥、夕闇の向こう側、
足を掛けて。腕を引かれて。
迷い込んだ空間、絡みつく糸に手繰り寄せられ。
セキレイが啼いた。
透き通る声が滑り落ちる。
手摺りにすがり付き。
眩暈、浮遊、落下――。
大輪の百合の花。
折れた首、曲がる腕、抱き寄せて。
誰かが歌う子守唄。
ゼンマイの切れたオルゴール、そっと蓋を閉じて。
また眠りにつく、扉の向こう側。
閉じた夢を追い掛ける、足音は今も。
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