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短編小説『来世面談』

私は死んだ。いや、殺されたのだ。
道路を渡って向こう側まで行こうとしたとき、車に轢かれて命を落とした。そこから先は覚えていない。おそらく即死だったのだろう。
次に意識を取り戻したとき、目の前には頭に奇妙な光を乗せたスーツ姿の人間がいた。私は椅子に乗せられていた。
「今から、来世面談を始めます。私たちの質問に答えてください。」
スーツ姿のそいつはそう言った。私は言われるままに答えることにした。
「来世は何になりたいですか?今世と同じでも構いませんし、違う動物でも構いません。植物でもいいですよ。」
少し考えた後、私は一つの答えをそいつに伝えた。
「分かりました。ちなみに、なぜそれがいいのですか?もっと平和に生きられる動物や植物はたくさんいますよ。」
私は答えた。
「彼らに私の両親は殺されました。誘拐というのでしょうか?それ以来、父にも母にも会っていません。きっと地球で一番恐ろしいのは彼らです。私はそれになれば、今回よりは良い生涯を送れると思ったからです。」
「分かりました。では、あなたの来世を決定します。お達者で。」
そう言うと、私の目の前は真っ白になった。「これで、人間になれるんだ。」
私は、猫から人間に生まれ変わることができたのだ。
面談を終えたスーツ姿の人間が話していた。
「人間の人気は止まらないね。彼らに殺されたほとんどの生物は人間と答える。おかげで、人口が増えすぎて今に戦争が起きるぞ。また忙しくなりそうだ。」
下界で、一人の赤ちゃんが産声を上げた。

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