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ブラックペアンっておもろいやん


とにかく暑いですね。

ポケモントレーナーとしては、自分の身体とスマホの寿命を削る時期になりました。

昨日、知り合いの勧めもあり、ニノの出ているブラックペアン2をみました。
1、みれば良かったです。
おもろいですね。

医療者って、意外と医療者の、それも破天荒なドラマ、好きなひと多いと思います。がっつり、ドキュメンタリーな感じだと、普段の臨床現場を見ている感じで、仕事の延長としか思えず見る気がなくなりますが、

手術費用二億とか、人間関係ドロドロとか、そういう要素はエンターテイメントとして非常に楽しい。普通にありえないから。


そんな中で、昨日はニノしか出来ないオペがあって、他の医者がやっても100%失敗する。その手術をニノにしてもらうにはほぼ全財産を支払わなければならない。そんな感じの展開でした。

酷いやつだな〜とか、ドラマなのでそんなこと思いませんでしたけど、
ふと思ったのは、医療の普遍化が進む中、まだまだ一部の施設でしかうけれない治療法が多いことです。

手術に関しては、内科の自分には発言できませんけど、
きっと、本当に一握りの先生しかできない難しい術式はいくつもあるのでしょう。

一方、薬物療法は、過去の違ってエビデンス、科学で普遍化されてきています。
エビデンスが証明されている治療は、比較的どこの施設でも実施可能です。

問題は、エビデンスがない場合、ですね。
エビデンスのない治療には、事情があってエビデンスに到達できない場合と、単にその医者の妄想や金儲け主義でやってる場合とにわかれると思います。

エビデンスを作るには、大規模な臨床試験が必要となるので、
前半戦と違って、対象患者が極端に少ない後半戦の場で、
それもカテに適した少ない患者層で
がんカテのエビデンスを作ることは、10年前に諦めました。
徳洲会に入った当初は、他のグループ病院の仲の良い先生方とやってみようかと思いましたが、やはり一枚岩にはなれず、途中でその気持ちも薄れました。
南部徳洲会に僕と同じ治療ができる友人がいますので小規模な臨床試験はできるのですが、もうこの年ですので、いまは目の前の患者さんを救うことを優先し、未来の患者さんのために最低限のデータを残し、そしてエビデンスまで頑張ることは諦めています。

ニノのように特殊な技術はがんカテには必要ないのですが、
がんカテには、ある一定以上のカテ技術の他に、
腫瘍全般の知識、抗がん剤の動注の知識と経験、がんカテ以外の治療の選択肢などに関する知識など、技術と知識と経験が同時に必要となります。

カテやってる腫瘍内科医はたぶん、日本では皆無に等しいので、
そういった点でも、ブラックペアンほどよりはるかに敷居は低いのですが、
うちのがんカテを受けるにも、今の主治医の最低限の理解をえないと
遠方の患者さんは実際にカテを受けることは難しいでしょう。
距離の問題もあります。
今、カテを継続されている患者さんで一番遠方の方は長崎から来られていますが、
以前は北海道からも通院されている方もいました。
遠方から通うためにはそれなりに全身状態が良いことも条件になります。
どうしても3−4週間隔での入退院が必要になりますので、
その道中を楽しんできていただけるような気持ちの持ちようも大切でしょう。

どんな治療でも、自分で調べても、実際、それが自分に適したものなのかはわかりません。それは、治療を担当する医者しかわからないはずです。
自分も、いま、坐骨神経痛と腰痛に対して鍼灸師の先生のところに通院していますが、これも患者さんを介したご縁がなければ思いもつかなかった、そして行ってみて、うけてみて、これが自分にものすごく適した治療であることがわかりました。
(調子いいです)

ネットの情報から、患者さんが、自分に最適な治療をご自身で選ぶのは相当に難しいと思います。実際に、うちのがんカテをうけた方から話を伺う機会があればそれもよいかと思います。

プラックぺアン、これからも観ますよ(笑)

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