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初めてボードゲームを作るときに困ったことをまとめました(後編)

(2021年2月に執筆した記事です。投稿を忘れていたので今更ですが)

さて後編は、制作過程で使用したツール類をひたすらご紹介していきます!


1.プロトタイプ

アイデアを取り合えず形にして、自分で遊んでみるためのプロトタイプを作るのですが、…さて、どうやって作ろうか。
「紙とペン」とは聞きますが、具体的にはいくつか定番の方法があるようです。

①コピー用紙をカードスリーブに入れる

コピー用紙のようなペラペラの紙だと、入手はしやすいですが遊ぶときにとても扱いにくいです。
そういう場合は、カード用のスリーブに紙を入れると良いです。

こういうのですね。
私は、キャン★ドゥで70枚入り100円のものを入手しました。

②ブランクカードを使う

また、最初からカードサイズに切ってあるものもあります。

こちらも、すぐ使えるのでとても便利。さまざまなサイズが売っています。
今のところは、100均で200枚100円のものを入手して使っています。

③厚紙を手で切る

お手持ちの紙を切って使う場合、カッターやハサミだととても辛いです。(大げさだと思われるかもしれませんが、想像の何倍も大変ですよ…)
このパターンの方は、裁断機を入手されることを強くお勧めします。

現時点で、アマゾンで買える裁断機の中でこちらがおそらく一番安いです。1000円ちょっとで作業効率が格段に違いますので、ぜひに!

④その他

今気になっているのは、サーマルプリンター。

シール台紙に感熱式で印刷できる代物で、台紙幅は一番大きいもので53㎜。ポーカーサイズ(63㎜)には一回り小さく、カラー印刷はできないですが、スマホでサクッとデータを作ってすぐに打ち出して使えるのが魅力的ですね。
本体代+台紙のランニングコストがかかります。

また、オフラインで人と会うことが難しい昨今、オンラインツールを利用したテストプレイも行われています。

ユドナリウム」は、ブラウザ上で使える無料のオンラインセッションツールです。
共通のIDを入力すると、複数の人でボード、カード、サイコロなどをブラウザ上共有し、リアルタイムで動かしたりめくったりすることができます。

TRPGやマダミスのオンラインセッションで使われることが多い印象です。操作方法やデータ作成方法についても、それらの界隈の方の記事が多く検索でヒットしますので、参照すると良さそうです。
私も、マダミスのプレイヤーとして触ったことがあり、次回作のテストプレイに活用できたらと考えています。

ボドゲ用のオンラインツールとしては、ほかにSteamの「Online Simulator」をよく目にしますが、こちらは有料ですね。(私は使ったことがありません。)


2.文字データ作成

ボードゲームって、意外と文字データがたくさんあります。

カード、ボード、チップ、説明書、箱裏…
特にカードを使う場合、プロトタイピングの段階から結構な文字量を扱うことになると思います。
1枚1枚の記述内容にもそれなりにボリュームがありますし、調整をするたびに細かく手を入れていくことになるので、手書きで管理のするのは結構つらい。

理想は、データをPCで作成し、デザインされたカードに同期して流し込める状態。
Adobe Creative CloudのDTPソフト「InDesign」を使うと、Excelデータを一括で流し込みができるようです

そのまま、入稿用データにも使えますので、王道の方法です。
が、私には、高価で手が出ませんでした。。

そこで私は、プロトタイピングのうちはExcelでデータを管理してWordの表に流し込む簡易的な方法で、テストプレイ以降は、別ソフトで作成したデザインファイルに、Excelのデータを一つずつコピペする方法を取りました。

…お金はかかりませんが、とても面倒でしたし、修正点の反映漏れのチェック等に神経を使いました。。
この辺りは、次回以降もう少し改善できるといいなと考えています。

3.入稿用データ作成

使用する印刷所によって異なるかもしれませんが、萬印堂さんの場合、Adobe PhotoshopのPSDまたはPDF形式での入稿が必要でした。
とくに、データのチェックや微修正がしやすいということで、レイヤーを保ったまま保存ができるPSDデータを推奨されているということでした。

しかし前述のとおり、Adobeは高い!
そこで私は、Affinityシリーズを使用しています。

・Affinity Designer

有料買い切りのデザインソフト。AdobeでいうところのIllustratorにあたります。
プロの使用にも耐える充実の機能で、Adobeからの乗り換えも多いとのこと。

イラストの取り扱い(私自身は描けないのですが)、デザイン全般、アイコン類の制作に使用しています。
公式サイト内のチュートリアルビデオがたいへん充実しています。デザインソフトはまったく触ったことのない私でしたが、これをひととおり見て、どんなことができるか、なんとなく把握することができました。

日本国内ではまだそこまでメジャーではないのか、公式以外の情報はまだ少なめ。困ったときは、ある程度自分で試行錯誤するか、英語でも調べながら使うと良いです。

・Affinity Publisher

Adobe InDesignの代替ソフト、DTP(Desktop Publishing)ソフト。こちらも有償買い切りです。

個人的には、ボドゲ制作にはDTPソフトもあるとぐっと楽かなと思います。
(デザインソフトをその用途で使ったことがないので、もしかしたらそちらでも全然いけるのかもしれませんが…!)

要は、本などの文字の印刷物の制作に特化したソフトなので、当然1ファイルで複数ページを扱うことができます(デザインソフトでは、カード1枚1枚別ファイル)。
また、文字に関する機能も、デザインソフトより格段に豊富です。

さらに、私がデータ作成していた時にはなかったのですが、調べたところ、Excel等からのデータの流し込み・結合機能がようやく追加されたようです!

これで、プロトタイピングから入稿データ制作まで、一連の作業を連続的にPublisher上で行うことができるようになりました。
先ほど、「2」で書いたストレスも、たぶん次回は大幅に軽減されるはずです!バンザーイ!!

Affinity Publisherにも、Designerと同様にチュートリアルが用意されていて、機能を確認することができます。

また、Affinityシリーズの最大の特徴は、Publisherに入っている「StudioLink」という機能です。
Affinityシリーズをダウンロードしていれば、それぞれのソフトを立ち上げなくても、Publisherから直接、DesignerとPhoto(Photoshopの代替)の機能にアクセスすることができるのです。

たとえば、DTP作業中に、ちょっとここのアイコンの形を変えたいな…なんてことがあると思います。
通常ですと、ほかのソフトを開いて、そっちでアイコンのファイルを開いて、データを修正・保存して、DTPソフトに戻ってチェックして…という作業になると思うのですが、Affinityだと、ボタンを一つ押すだけでソフトが切り替わり、たとえばそのままベクトルを修正しちゃったりすることができるのです。

単に価格が安いだけなく、ほかのソフトよりも優れている点も持ち合わせているのがお分かりいただけるかと思います。

なお、Affinityは頻繁にセールも行っています。
通常6100円のところ、2020年11月のBlack Fridayのシーズンには、すべてのソフトが40%オフになりました。
また、2021年2月23日現在、50%オフセールが開催されています!大チャンス!

…Affinityの回し者みたいな内容になってきてしまいましたね。笑


ボドゲ制作に使用したツール類のご紹介は、このあたりでおしまいです。
使用するツールがわかると、それぞれを使って作業を進めていくイメージも湧きやすいと思います。
少しでもご参考になりましたらうれしいです。

それでは皆様も、楽しいボドゲ制作ライフを!

(ちなみに、私も試行錯誤中なので、もっと良いものがあるよ、という方は、ぜひ教えていただけたら嬉しいです!)

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