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初めてボードゲームを作るときに困ったことをまとめました(前編)

(2021年2月に執筆した記事です。投稿を忘れていたので今更ですが)

はじめまして。canaryです。
2020年春ごろに思い立って、ボードゲーム制作に挑戦。2021春のゲームマーケットに「こじつけ?レファレンサー!!」というゲームを初出展します。


初めてのボドゲ制作は、とっても楽しかったです!

ですが、モノづくりの経験が一切ない私は、とにかく知識が無さすぎて、すごく細かいことで、たくさん困りました。

そこで、この記事では、ゲームマーケットでの同人ボドゲ頒布を目的として、

・どういう手順で作業を進めればいいのか(前編)
・どういうツールを使ったらいいのか(後編)

このような内容を、書き残しておこうと思います。

なお、現在、自作ボドゲは印刷中で、手元には届いていません。
また、ゲームマーケットもこれからです。
ゲムマに向けての宣伝や準備、当日のレポについては、終わったあとに別記事でまとめようと思います。

また、ボドゲ制作にあたってのコンセプトメイキングやルール設計、メカニクス等のソフトの部分については、ネット上に良質な情報が豊富にあります。
ボドゲ業界には優しくて熱い方々がたくさんいて、ツイッターやYouTubeなどでも、議論や勉強会、情報交換がたくさん行われています。

ですので、ゲームの内容について迷っている、というような方はこの記事はスルーして、もっとほかの良い情報を見に行ってくださいね。

それでは、ここから本題に移ります。


1.そもそも何をどうすればボドゲができるのか?

身も蓋もないですね。笑
でも、私はこんな状態だったのです。

やりたいことを実現するための手段として、ボドゲを作ろうと決めたはいいものの、

・どういうスケジュールで
・何を、どのように用意して
・どこに、どういう状態で持って行くのか

まったくわからなかったのです。
先ほども申し上げたとおり、モノづくりの経験が全くなかったので、制作過程のぼんやりとしたイメージすらつかなかった。
加えて、ボドゲも、やってせいぜい身内同士でなので、制作者さんとの繋がりもない。
当時はツイッターもろくにやっていなかったので、情報が全然ない!

そこでいろいろと検索して、たどり着いたのがこちらの記事。

こちらの記事は、コンセプト設計からゲムマ当日のブース設営の様子まで、写真付きでまとめられています。

同人ボードゲーム制作の全体像を把握することができる非常に分かりやすい記事ですので、目を通すことをおすすめします!

(なおこちらのゲームは、現在製品化されているようです。すごい!)


この記事(と、ほかにもいろいろ)を読んで、わかったこと。

・ルールを考え、コンポーネントを決めて、データを作って印刷所に入稿すれば、ボードゲームができるっぽい
・まずは目標(発売日)を設定して、逆算でスケジュールを組むと良さそう
・紙とペンでプロトタイプを作ってみる→テストプレイをして微調整をする、という感じでルールを詰めていくと良さそう

なんとなく全体像がつかめました!
いけそうな気がする!(?)

ボドゲを作ろうと考え始めたのが、2020年3月頃だったと思います。
自作ゲームを作るなら、ゲームマーケットで出すんだろうなと、ぼんやりと思っていました。
そこで、まだルールも決まっていませんでしたが、間に合えば2020年秋、遅くとも2021年春には出そう、と目標を定めることにしました。

めっちゃぼんやりした、目標とも言えないような目標ですが。笑
それでもまずはゴールを決めて、走り始めるのが大事ですよね!


2.印刷に必要な時間を調べる

自分の制作作業は、状況に応じて調整することができますが、印刷は、基本的には印刷所に発注するものですから、締め切りや所要時間が固定されます。
スケジュールを考える上で、まずは印刷や印刷所に関する知識が必要になりました。

こちらの記事で、主にボドゲを専門に取り扱う印刷所が紹介されています。


その他、ボドゲ専門でない、通常の紙を取り扱う印刷屋さんも候補となります。
コンポーネントは市販のものを使い、説明書だけ印刷すればよい、などという場合は、ご自宅のプリンターで打ち出したものを使われている方も。

自分のゲームに含まれるコンポーネントの種類や価格、ご自身の慣れに応じて選んでいくことになるのかなと思います。

私自身は、印刷物を自分で作るはまったくの初めてで、データづくりにもかなりの不安がありましたので、業界最大手で、初心者へのきめ細やかなフォローで有名な萬印堂さんが第一候補でした。

ホームページから、すべてのコンポーネントのテンプレートがダウンロードできます。経験不足で見通しのきかない初心者には、とてもありがたいです。
また、無料相談会もあります。豊富なサンプルを実際に見たり触ったりしながら、大まかな見積もりを出していただけます。
小ロットからも対応しているのも、助かりますね。

ただし、サービスが充実している分、価格は割高だと思います。
また、入稿締め切りが早いのも注意が必要です。

サイトを見てみると、萬印堂さんの場合、入稿締め切りはゲムマの約2か月前のようだということがわかりました。


さらに、どれだけ売れるかわからない不安から、制作費もできるだけ抑えたいと考え、ほかの印刷所数社に、見積りを依頼しました。

その中で、リトル・フューチャーさんは、ご自身でもボドゲ制作をされている担当者様が知識豊富でたいへん親切でした。企画から相談に乗っていただけます。
また、独占代理店契約の海外工場での生産のため、非常に安価かつ、コンポーネント設計の自由度が圧倒的に高いです。

ただし、最小ロットは200部から
また、こちらも輸送時間等の兼ね合いで、締め切りは早い(時期にもよると思いますが、2021春のゲムマに向けては、萬印堂さんより早い2.5か月前くらい)ようでした。

__________
(2023年追記)
上記はすべて、執筆当時の状況です。大幅に変わっている場合がありますので、必ず最新情報をご自身でお確かめください。
なお2023年秋のカナリー新作「Liberade」では、盤上遊戯製作所(BGM)さんにお世話になりましたので、追記させていただきます!
メニューになかった箱への箔押し印刷に快くご対応いただきました。特に暗く倒れるかと不安があったくすみカラーの出来が良く、とても満足の行く仕上がりにしていただきました。
ゲムマ直前でも、丁合なしなら1ヶ月、丁合ありなら+1週間でお受けいただけるのが、ギリギリ制作の身としてとてもありがたかったです。
「自動見積もり」でかなりのメニューを自分で事前に確認できるのもかなり便利です!
こちらにご依頼しない場合でも、コンポーネントの検討に活用できます(見積もりという名称ですが、画面上で完結するので相手方に逐一送信されるわけではありません)。
https://boardgamemill.jp/
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一般的に、その他専門でない国内の印刷所に頼めば、納期はもっと短くすむようです。データや印刷物のチェックをご自身でできる方は、そちらも選択肢になってくると思います。
(先に紹介した「ウリカイ」も、そうされたようですね。)


私の場合、自分なりに満足できるきちんとしたものを完成させることが重要だと考え、多少割高でも安心感のある専門の印刷屋さんにお願いすることにしました。
そこで、ゲムマ2か月前の入稿を目標に、進めていくことにしました。


3.スケジュールの全体像

さて、目標が決まったので、あとは作るだけ!…ですが。
まだまだ先は長いです。

結論から言うと、箱イラスト以外を完全に一人で作業した私の実際の進捗は、こんな感じでした。

4月-7月 コンセプト・ルール設計
      デザイン・コンポーネントのイメージ作成
  8月 印刷所相談①
(この時点で秋のゲムマは諦める)
     (9月-10月 サボり)
  11月 テストプレイ①
  12月    ルール調整・デザイン作成開始
      テストプレイ②  
      箱イラスト発注
    1月    箱イラスト納品
      テストプレイ③~⑤
      印刷所相談②
      入稿(1/29)

サボり期間を除くと、実質、作業は8か月間くらい、うち、寝る暇も惜しんで頑張ったのは最後の1か月間くらいです。
前半はかなりのんびりやっていました(子育て&仕事をしながらで、5~10時間/week程度の作業時間)。
また、12月中旬時点で、それまで考えていたルールを一旦すべて破棄しました。(どうしてもおもしろくならなかったので…)

最終的には、複雑だったルールを削って、本当にやりたいこと1つだけに絞ったゲームになりました。
カードのデータ等は前から作っていたものを流用しています。

テストプレイ」は、友人など外部の人に遊んでもらったものです。
これに加え、自宅で夫に協力してもらい、何度もテストを重ねました。

制作が終わって実感しているのは、テストプレイが何よりも大切だということです。
次回作では、倍くらいの回数のテストをやれるのが理想。
テストプレイについては、別記事で詳しくまとめたいと思います。


前編の内容は、以上です。
次の記事では、ツールの話をしたいと思います!



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