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読書ボドゲ「こじつけ?レファレンサー!」コンセプトの話 2

前回、本題に入る前で記事が終わったにも関わらず、本当に長い間が空いてしまいました。申し訳ありません…。
さっそくですが、続きを。前回の話は、こちらです。


「本を物理的に使用するRPG」をコンセプトに、ルール作成とテストプレイの日々が始まりました。

ボードゲーム開発で一番楽しいところが、ルールの構想段階です。
こうしてみよう、ああしてみようと、楽しくなるだろうことを妄想して、まずはルールのエッセンスを書き出し、紙とペンでテストプレイ用のモックを作ってみます。
そして、満を持して、作ったモックで実際に遊んでみると…


ほぼ100%、おもしろくありません。(私の場合。)


さて、ここからが、戦いの始まりです。

何度もルールを直し、モックも作り変えながら、いろいろなパターンを試しました。
テストプレイは主に自分で、たまにゲームをまったくやらない夫と。
さらに1度、普段読書をしないという友人に、テストプレイをお願いしました。
例としては、以下のような感じ。

<パターン1>
・メインボードに、敵のパラメーター、本から探してきた文字チップなどを配置しながら戦う
・敵の動きはカードで自動化(当時、「イーオンズエンド」というゲームが発売したてで、話題になっていました)

<パターン2>
・メインボードをすごろく風にして、マスごとにイベントが発生、全員で物語を進める
・いっそ本は持ち寄らない
・ボードに物語が書いてあって、みんなでゲームとともに読み進める

こうして気付いた大きな問題点が、2つ。

①ストーリー(フレーバー)が、邪魔
自分の好みに合わせて、ファンタジーの世界をベースに(そもそもRPGですし)ルールを組み立て、フレーバーテキスト(世界観を説明する文章)も作ってみたのですが。

ゲームをしない、フィクションも基本読まない夫には、響かない。
友人はデジタルゲームはやりますが、ボドゲはあまり。
様子を見ていると、特にフレーバーを読むのがしんどそうでした。

フレーバーテキストって、たいていルールブックの冒頭にあり、プレイヤーがゲームの世界に入っていけるよう、誘導するものですね。
フィクションでも同様に、物語の冒頭で世界観の説明が行われますが、ここで受け付けずに挫折するとは、比較的よく聞く話です。

今回のコンセプトの場合、あってはいけないですね、ファンタジックなフレーバー。

②ルールが複雑すぎる
ボード、カード、各種パラメーターなど、ゲーマーにはワクワクする要素かと思いますが、要素が多いと当然、ゲームは複雑になります。
そして、ルールブックも長くなる

「読書への抵抗感を減らしてほしい」のにルールブックが長くなるのは本末転倒…

いずれも、書いていると当たり前のことばかりなのですが。
明確なコンセプトがあったつもりでも、作り始めてみてようやく、軸がきちんと定まっていないことに気付くことができました。

そこで、以下のように軌道修正しました。

・本を持ち寄って遊ぶ、協力型RPG風ゲーム
・持ち寄った本の物理的な特徴により、自キャラのパラメーターが変動する(ページ数がHPになる、など)
・いわゆる「ボス戦」のフェーズのみ
ボスからの攻撃では、本に関するお題が出される。プレイヤーは、持っている本を使ってクリアする必要がある(「あから始まる言葉を制限時間内に5つ見つけたらクリア」、など)

すごくシンプルになりました。
やってみると、ゲームとして成立するし、それなりに楽しい。

ゲームとしても面白いものを作りたいという不安感から、要素をマシマシにしていたんですね。

あとは、

(「あから始まる言葉を制限時間内に5つ見つけたらクリア」、など)

この部分、お題の例ですが、これがモノによっては作業感が強いのが難点。

でもこれ、作業って……普段、仕事でやっていることに近い…

「レファレンス」をテーマにしてしまえばいいのでは…!


届けたいものに、自分の経験を絡めればよかったのでした。
ここまでたどり着いてしまえば、あとは細かい調整のみ。

最後に、最終バージョンの詳細をご説明して終わりたいと思います。

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