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家族と離れて暮らすことの迷い

ほんの2ヶ月だったつもりが

親子山村留学に母子で来て約8ヶ月が過ぎようとしています。ここまで楽しく順調に来ていたかと思うと、実はそうではなく、葛藤や悩みとともに今ここにいます。今回はそれを振り返ってみたいと思います。

当初、母子での親子山村留学は、1学期の期間だけの短期体験留学のつもりでした。
というのも、山村留学する2年生の娘の上には、中学生になったばかりのお兄ちゃんがいるし、息子とパパとも離れて暮らすことは、家族にとって選択肢にないことだと思いこんでいたからです。
山村留学も娘のためということもあったのですが、保育士をしている私自身が、自然保育に先進的な長野県の保育施設で研修を受けてみたかったという、自分自身の""留学""目的もありました。私の勉強が終わったら家族のいる街に帰ること、が当たり前のこととして最初は頭にありました。

ところが、森のようちえんでの研修を受けているうちに、むくむくと、この地で、こんな自然を体いっぱい心いっぱい子どもたちと味わいたい、もっともっとここにいたい、という思いが日に日に強くなり、私の心は揺らいでいくのでした。

本当の本当の気持ちに正直になること

さて、私の心はこのまま山村留学を続けたい、と決まってきましたが、大事なのは学校に通う娘の気持ちです。最初はパパやにぃにと離れること、学校が変わることに渋々だった娘。環境が変わるということは、子どもにとっては大きなストレスだと思います。一方、適応してしまえば早いのも子どもの特性。こちらに来て一ヶ月も経つと、もっとこの学校に居たい、と言うようになりました。私が研修を終えて、ここに留まりたいという気持ちに気づいたときと同じくして、娘の気持ちも同じになったのです。

柔軟な先生たちや周りの人たちに囲まれて

こちらに留まりたい、という気持ちが固まったものの、街に残った家族との折り合いをつけていかなければなりません。何度か帰った際に話し合いを設け、最終的には私と娘のワガママを許したもらった形で今、ここに留まっています。
とは言っても、まだまだ課題は残ります。経済的なことが一番の課題。そしてやっぱり毎日会えないという寂しさはないとは言えません。もんもんと考え、悩み、迷いながら、最初の期限である2ヶ月を目の前に、最終的な結論を周囲に出せずにいる自分がいました。とにかく自信がないのです。ここに留まったとして経済的にやっていかれるのか、家族離散にならないのか(旦那さんに愛想つかされる)、ワガママを突き通していいのだろうか。それでも、学校や地域の方々は結論を急がせず、ゆったりと待っていてくれたことが本当に自分自身と向き合うことができて、有り難いことでありました。仕事のアイデアをくれたり、野菜の差し入れをくれたり。全く、私達親子はもらってばかりです。そんなこんなでとりあえずの仕事も決まり、山村留学の延長を決めたのでした。

子ども自身が通いたい学校へ

「学校がだ〜いすき!前の学校ではがまんしてた。早くおやすみにならないかなって思ってた。今はお休みになると、はやく学校行きたいなぁって思っちゃう。」とは娘ちゃんの言葉。

この学校がいい!と思える学校に出会えて、そしてそれを伝えることができてこの子は幸せな子どもだなと思う。学校を選ぶこと、は小学生の子ども自身ができることではまだあまりないことだろう。住んでいる場所で決まるし、そこに行きたくないということがあったとしても、他に行き場所がないからどうにかしてその学校に合わせようと親も子どもも頑張ってしまう。がんばることが当たり前になっているから、学校に合わせようとして「がまん」していたとしても、みんなそうだしそれが当たり前だから気づくこともしない。

だからこうして、今回、2ヶ月というお試し期間のうちに、「こんな学校あるんだ!」という体験を娘自身がしたおかげで、無自覚だった「ガマン」や「がんばり」に気づいて、その上で、自分で」この学校に通いたい!」と意思表示できたことは、とても大きいことだと感じている。親としては、その気持ちを受け止めたら、やっぱり願いを叶えてあげたい。経済的なことや家族のこと、不安や心配はあるけれど、今目の前の子どもの願いを叶えてやりたいという私の気持ちも大事にしたい。未来のことを考えだしたらきりがない。だから”今、どうしたいか”に集中して、その都度、その都度、決断をしてきました。そして今、母子で山村留学を継続することに迷いはありません。私自身が、そして娘自身が、自分がしたい暮らし、自分が居たい環境を選べるんだと、日々言い聞かせて、今、ここに居られる幸せを噛み締めています。

今日は学校がおやすみですが、朝からお友達が遊びに来て「秘密基地いこ〜」と外へ飛び出していきました。こんな毎日が過ごしたいな〜が今ここにあります。自信がないまま、まずはお試しで飛び込んだ山村留学ですが、飛び込んでよかったと思えます。迷いも悩みも自分自身の本当の願いと出会うため。子どもの学校の留学ですが、母としての私自身の学びも大きい親子山村留学です。

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