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拡がる親子山村留学

私たち親子が長野県の超小規模校へ山村留学に来てから、もうすぐ2年目になろうとしています。山村留学の歴史は古く、ちょうど私が生まれた昭和51年に長野県で都会に住む子どもを山村で育てるためのシステム化されたのが始まりだとされています。→山村留学の歴史参照 長野県は山村留学発祥の地だけあって、山村留学を受け入れいてる場所はとても多いのですが、特に南信州、わたしたちが来ている周辺地域では、山村留学の受け入れに積極的だと感じています。都内で年2回行われる長野県山村留学説明会でも南信州の学校が多く紹介されています。特に少子化が深刻化している地域柄なのかもしれません。どの地域も”子どもは地域の宝”として歓迎されています。

山村留学のスタイルは都会で仕事を持つ父母のもとから子どもだけを留学させるセンター留学式が今までは主流でした。でも私たちが来たここ2年くらいで私たちのように、父だけは仕事で都会にとどまりつつ、母と子でプチ移住して親子で山村留学するスタイルも増えてきたようです。実際、和合小学校にも昨年から6年生の息子さんとお母さんが来てこちらの暮らしを楽しんでいます。お隣の泰阜村や売木村でも母子で来て週末は都会へ帰るとういうご家族とも知り合うことができ、みんなそれぞれ生活を楽しんでいる様子を情報交換できました。泰阜村や売木村は山村留学は子どもだけセンターで預かり共同生活を行うスタイルが主でしたが、ここ最近は親子で学校近隣の家を借りて通学するスタイルも始まっています。様々なニーズに合わせて山村留学を選べるようになってきたのだなと感じています。

子どもだけを預けるセンター方式だと、どうしてもある程度自立した高学年から中学生が対象と考えてしまいます。ですが、豊かな自然と、少人数でのびのび学べる環境は、それこそ1、2年生の低学年のうちに体験させてあげたいのではないかと思ってしまいます。遊びが学びそのものである低学年のときに、思いっきり外で遊べる環境や仲間が得られること、異年齢で刺激しあって過ごすこと、都会では減ってきてしまった体験を小さいうちにしてもらいたい、私は自分の子どもの変化を見てきて、心底そう思うようになりました。なので、ここ最近の親子山村留学への関心の高さはとても嬉しいのです。低学年のうちの数年は親子で過ごして、大きくなったらセンターで子どもだけ預けるという選択もできるかもしれません。一生のうちの数年を親子で山村で過ごすという体験は、子どもにとっても、そして都会のリズムに息切れしてしまった親にとっても、とても大きな財産だと感じています。

正直、親子でといっても、家族と離れて母子二人だけで山村留学に来ることに迷いや不安はありました。でも、まずはやってみること、やりながら考えていくこと、助けを借りること、自分で切り拓いていくこと、そんな風に無我夢中で走ってきたら、どんどん自分の理想が実現していって、どんどん山村留学の暮らしを楽しめるようになりました。百聞は一見に如かず。まずは見学から飛び込んでみることをお勧めします。

和合小学校がある阿南町でも、お隣の新野地区で山村留学受け入れの動きが始まりました。ほかにも2地区あるのですが、どこも特色があり、山村留学をうたっていなくても魅力的な場所ですので、阿南町に足を運んでいただき、いろんな場所を見て回って理想の場所を見つけてほしいなと思います。阿南町には和合小学校以外に3校小学校があり、その3校の近くには保育所があるので、兄弟姉妹がいる方には安心かもしれません。どこも規模が小さいので小学校と保育所と合同で運動会などの行事を行い、幼小連携はバッチリです。とくに新野地区は保育所、小学校、中学校がとても近い存在で、小さい時から少人数でぎゅっと仲の良い関係性のなか子どもたちがのびのびと育っています。新野での親子山村留学の案内ページができたそうなので、こちらでもリンクを貼っておきます。

一口に山村留学といっても、どんな暮らしがしたいのか、それは人それぞれ。まずは自分のニーズをしっかり掘り下げることをおすすめします。私たちのように、山奥の小さな小さな学校で、それこそ自給自足も体験してみたいと畑や田んぼを借りて暮らすのか、それともある程度便利な場所で気軽に山村留学を楽しみたいのか。保育所はあるのか、中学校まで視野に入れて考えるか、いろいろな条件が出てくると思います。納得するまで、いろいろな場所を巡って、ご縁を見つけてほしいと思います。


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