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コイン貯金

玄関の近くの小さなテーブルにトレイを置いて、夫の車の鍵、家の鍵、お財布代わりの小さなポーチの定位置にしています。そのトレイにいつのころからか小銭が入れられるようになってその量が少しずつ増えているようです。はじめは、お釣りをとりあえずいれてるんだな、というほどにしか思っていなかったのですが、最近ふとあることに思い当たりました。夫にとってはお店で小銭を出して、数えて払うということが難しくなっているのではないか、と思ったのです。一緒に出掛ける時には私のクレジットカードで支払うので、夫がお金を払うところはほとんど見たことがありません。またもともとお財布を持たない人なので、小銭を持ち歩くのが煩わしいのかもしれません。

一緒に買物に行って、夫に現金で払ってもらえばわかることではあるのですが、そうする必要があるでしょうか?たとえ小銭を使うことができなくなっていたとしても、そんなことはささいなことのような気がします。小銭が使わないからといって生活に支障をきたすわけでもないのですから。アルツハイマーとともに生きていくのに大切なのは、できないことよりもできることを大切にしていくことだと思います。記憶力は確かに弱っているけれど、それ以外のことはほぼなんでも出来ているのです。

夫に小銭をトレイに貯めていく理由を聞くかわりにコイン貯金を始めることにしました。夫にもお店での支払いについては触れずに「いいこと考えた!コインが貯まってきたからコイン貯金して、美味しいものを食べに行くのに使おう。」と言ったら、いいねえ、と喜んでもらえました。




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