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振り返りカンファをしました

先日、ご自宅でお看取りした患者様の振り返りカンファレンス(通称デスカンファ)を当院で行いました。

カンファレンスの対象患者様は、80代男性、癌の末期で倦怠感が強く、通院が難しいとのことより当院に依頼となりました。
ご本人の体調が悪く、予定していた訪問日よりも早めてほしいと看護師さんから連絡をもらい、緊急での介入となりました。駆けつけて診察や酸素の手配をしている私の横で、速やかに採血やルート確保をしてくれた看護師さん、時間外にも関わらず前の病院に連絡し情報提供書を準備してくれたケアマネさん、裏方に回ってカルテ作成や薬局など他部署と連携をしてくれた当院スタッフ、振り返ると各々がそれぞれの分野で最大限動いてくれました。あのバタバタで結果、病態が一時的でも落ち着いたことから、チームの一体感が生まれたのではないかと思います。
あの時、誰かが歩みを止めたり、断ったりしていたら、その後の連携は上手くいかなかったのではないか、と感じています。

病勢進行著しく、私は沢山お話しする前にご本人とお別れとなってしまいましたが、カンファでケアマネさん、看護師さんに本人のお人柄や介護・看護が始まった当初のお話を聞くことができました。
こんなに様々な人に思い出やエピソードを残すことができる患者様の人間性を感じるとともに、もっと早い段階でお会いしていたかったと思いました。(病院で働いていた時は「最期に出会えない」という不満があったのに、地域に出ると「もっと早く会いたかった」と思うのはわがままですね)

「ケアとしてはやってあげたかったこと、やりたかったことなど、思いは残る部分もあるが、サポートチームとして一体感のあるお看取りができたのではないか」
これが、カンファを通じて感じた、私の総括になります。
また患者様を通じて、患者様への姿勢が素敵だな、かっこいいなと思うケアマネさん、看護師さんと会うことができました。また連携できたら嬉しいです。

たくさんの学びと出会いをくれた患者様に感謝するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。