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変わり目に、鯛。


さんくす 2022年。
はろー! 2023年。

てんやわんやの正月休み。ヤムともども〝のんびり in ほぼ自宅〟でやっております。

イラストレーターの林です。
ことしもどうぞ、よろしくお願いいたします。


はぴばーすでー ヤ〜ム〜
ハッピバ〜スデ〜 ヤーム〜


のっけから去年の話で恐れ入りますが、めでたいことなのでお目こぼしを〜。

先月12月23日、ヤムは21歳の誕生日を迎えた。めでたき ♡

ヤム・ボン兄弟は保護ねこなので、どんぴしゃでの生まれた日は、わからない。保護当時、ヤムとボンをお世話されていた獣医師さんから

「12月後半で、好きな日を誕生日に決めてくださ〜い」

と、お話があったので、わたしは早速、12月後半生まれの著名人リストから、ご長寿だった『昆虫記』のファーブル博士のバースデーを選んだ。願わくばヤムもボンも、そのご長命にあやかりたい。それが12月23日だ。以来、毎年この日を迎えると

「おめでとう ♡ ヤム、ボン」
「さんくす ♡ ファーブル」


と、博士へのお礼を欠かさない。

これを書くついでに、久しぶりにファーブル博士を検索してみた。

アンリ・ファーブル
フランスの博物学者であり詩人。

へぇー 詩人でもあったんや〜。

生誕 1823年12月21日

12月21日・ ・ ・・・?


・・・えっ?
23日ちゃうやん?


ま、よし。
当時のわたしが23日 と思いこんだトンチンカンは、さておいて。
長命だったボン。そして、ヤムはおかげさまで21歳を迎えた。わたしは、このさきも変わることなく「さんくす ♡ ファーブル」を続けるのだ。

さてさて、めでたいといえば、
めで鯛。

鯛だ〜! 祝い膳だ〜!
祝宴だ〜!


ということで、ここは鯛でヤムを祝いたいところだったが、実は誕生日を前にして、ヤムは主食のごとく鯛を喰らっていた。

いま、ヤムの体は鯛でできている

と言っても過言ではないほどに、鯛尽くしのエブリデー。

刺身用の鯛をレンチン15秒。
程よく、ふわっふわの身をホワホワッとほぐしつつ、人肌、ならぬ猫肌ほどの温かさに。ふわっと、こんもり、いい感じに器に盛ったそれを、1日で1柵ぺろりと平らげる日もある鯛三昧。


鯛、ハレの日に、まさかの役不足。


じゃあ、いかがしよう。わたしは〝はぴばーすでーのうた〟を歌い、お大尽席ならぬキャットタワーの上から、わたしを見下ろすヤムに捧げ、祝った。おめでとうヤム。ありがとうヤム。これからもよろしく、と。

さてさて、なぜヤムは〝鯛三昧〟の日々だったのか。

くぅ〜っ。
それは12月に入ったある日、突如はじまった。
ここ数年来のヤムのお気に入り〈シーバDUO/15歳以上 香りのまぐろ味セレクション〉と、最近のお気に入り〈AIM30/15歳以上〉を


突如として食べない。


わたしが眠る前に用意したそれら常食が、翌朝ただの一粒もフォーメーションを崩さぬまま、器におさまっていた。わたしは、器の中のドライフードたちの健闘を讃え、別れを告げて器を洗った。そしてまた、カラカラと袋から新しいフードを出す。思わず数えてしまった22粒のAIM30を、エールとともに器へ送り出した。

が、昼になっても夕刻になっても、器の中のドライフードは22粒。となりの器では寝ても醒めてもヤムの寵愛を受けてきた〈CIAOちゅ〜る/乳酸菌入りまぐろ〉が、土気色で干からびていた。

ヤムは、シリンジに入れた a/d缶を「待ってました」の勢いで食べたりもするのだが、放っておくと何も食べない。ヤムの動きも緩慢で、日向ぼっこもせず、キャットタワーにも登らない。いつもなら「にゃ〜にゃ〜 なあ〜」と、おしゃべりなヤムの声も、とんと聴こえてこない。

ねこは こたつで まるくなる〜

なら、はなうた  にもなるが

ヤムは こたつに ずっと いるー

では、心配のたねにしかならない。

こたつから出てきたかと思ったら、よたよたとトイレに直行。
そしてこたつの中へと直帰。

食べない、緩慢、こたつにずっと。
これらすべて、老いが理由になるだけの条件をヤムは十分に満たしている。

とはいえ、〝食べてて緩慢〟ならまだしも、食べていないのだ。ともに暮らしている者としては、やっぱり考えますやん。「どっか具合わるいん?」と。
年齢を考えると、ありとあらゆる不調の可能性もまた、ヤムは満たしている。

P先生(かかりつけ獣医師さん)にヤムの様子を伝え、翌朝、診察に連れて行った。持病がある心臓も、血液検査の結果も然したる問題はなし。その結果から食欲不振につながる原因もない。とりあえず病気由来の線は消えた。


よかった。ほんとに ♡



・・・が、ここから本格的に〝ヤムの食べそうなものを探す〟日々が始まる。


この道〜は〜 いつか来たみ〜ち〜
あぁ そうだよ〜ぉ

手がかりなしの道なき道。『吾輩は認知症ねこである』でも触れたこの道に、またしても足を踏み入れることに・・・。


さあ、はじまりました。

まずは、最寄りのスーパーに自転車を飛ばし、キャットフード売り場を彷徨い歩く。「これなら?」を手に取り、カゴの中へ。

さてと、お次は生鮮売り場を 走る 。刺身にささみ、ちくわにハムにカニカマを「もしや?」に懸けて、いざレジへ。

それらを、茹でる、刻む、ほぐす、砕く、こんもり器に盛りつける。数時間後。ヤムがひとつも口をつけなかったそれらを、青色吐息でダストボックスへ・・・

ワ ン ス モ ア 〜 ⤴︎

インターネットの海へダーイブ!「食べっぷり半端なし!」を謳うキャットフード、あれこれ魅力的なフードをチェック。ネットの海を、泳ぐ泳ぐ

この〝食べそうなもの〟を目指してのトライアスロン。家族ねこと暮らす方は、幾度となく参加経験がおありではないだろうか。競技中、いつかどこかで擦れ違う日があったなら


「 おたくもですか? 今、ウチもなんです・・・」
「・・・もう ほんとっ ねぇ〜 」


と、言葉にならない思いをサムズアップに込め、同志にエールを届けたい。


さて・・・・・

長いトンネルを抜けると、鯛があった


ということで今回のトライアスロン、4日目にしてゴール。その結果は?


チーンッ


〝  チ ン し た 鯛  〟


これが〝ヤム鯛三昧の日々〟の理由だ。
ちなみに過去、ヤムが鯛を食べたことは

・・・ない。


・・・ヤムは食べるようになると、以前より気長な様子で、キャットタワーに登り、日向ぼっこも再開。ヤムご自慢のおしゃべりも始まった。

〝 ふつう 〟の変わり目やなぁ〜


ヤム21歳にして、滋味深さを知る。
キャットフードから、素材そのものを愛でる自然派に転向。

そんな感じで、ひとまず落ち着いた。
それから5日ほど経ったある日、わたしの元へ、どこからともなく風の便りが届いた。


『 ヤム、鯛 あきたってよ。』


ええっ!!!!!


・・・・・終わってなかったん?

まだ、競技中やったんや。
し、知らんかったーーーーーっ!

っということで、
つづきは次回に〜♪

きょうは、これにて〜!