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スシロー“ペロペロ事件”と株価。チャート分析でわかる、株価暴落で騒ぐほどでなかった件。

 1月下旬、回転寿司大手チェーンの「スシロー」で、卓上の醤油ボトルの注ぎ口や未使用の湯飲みを舐める動画が出回り炎上した“ペロペロ事件”。
 スシローの運営会社であるFOOD&LIFE COMPANIES(証券コード3563)は東証プライムに上場しており、当時は株価がマイナス4・81%大幅下落、これにより約163億円が市場から消失したと世間を騒がした。


 そこでSNSなどで話題になったのが、意図的に風評被害を出し「空売り」を仕掛けるという発想だ。空売りというのは、信用取引の一つで証券会社から株を借りて先に売る取引のこと。株価が下落したときに、この株を買い戻し利益を得るというものだ。株価が下がったときに利益を得られる空売りと「食品テロ」を組み合わせて、利益を出そうという悪巧みだ。
 もちろん、こうした犯罪行為は絶対にやってはいけない。加えて、客観的にチャート分析をしてみると世間で言われるほど株価に影響していないこともわかった。

 スシローの株価チャートを見てみよう。21年9月(5420円)と同11月(5320円)に2つの頂点を作った後、約1年間下落トレンドが続いた。22年9月(2060円)に大底を打ち、現在は再び上昇トレンドを形成しつつある。

 “ペロペロ事件”があった日の下落を週足チャートで見ると、現在の上昇トレンドの指示線(トレンドライン)でピタリと下落が止まっている。その後は再び上昇トレンドに回帰しており、ただの押し目程度だったのがわかる。また、スシローが迷惑行為に対してすぐに対策を講じた効果もあったかもしれない。

 最後に筆者の感想として、今はスシローに行く絶好のタイミングなのではと思った。店員をはじめ客も周りから見られているという緊張感がありマナーがよく、混雑も避けられそうだ。逆に世間が「もう安心だ」と思い始めたときこそが再び危険なのではないかと思う。「株は高いときに売り、安いときに買う」のは鉄則だ。大みそかにクルマの洗車で並ぶのではなく、人が少ないときに前もって済ませておくなど、株の勉強を通して、大衆心理と違う(真逆の)視点が身に付いた。

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