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【NPO法人FootRoots / Plastic Recycle Design Project [PRDP]】滋賀県とフィリピンでの環境教育とプラスチックごみの再資源化への挑戦

目次


[基本情報]============================
*活動目的:
益々深刻化するプラスチックごみによる環境汚染。私たちはプラスチックごみの再資源化を目指し、日本国内外で地域住民の環境意識の向上と行動変容を促すため、プラスチックごみに関する環境教育と小型リサイクル機器を用いた再生プラスチックプロダクトを作ることできる体験型環境教育ワークショップを行なっています。
*SDGs目標番号:1、4、14、17
*活動拠点: 滋賀県 彦根市/湖南市、フィリピン セブ
*活動期間: 2020年〜
*メンバー数: 15名[職員:5名・連携10名] (2023年10月1日現在)
*連絡先/代表者: 理事長 ヒメネス ベルデホ ホアン ラモン
 E-mail:info@npofootroots.org
 Facebook:https://www.facebook.com/npo.footroots
 Instagram:https://www.instagram.com/npo_footroots
 Website:https://sites.google.com/view/npofootroots

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【現在の活動状況】

体験型環境教育ワークショップを開催

 当団体では現在、滋賀県彦根市と湖南市、フィリピンのセブでPlastic Recycle Design Project [PRDP]の活動を展開しています。この活動は滋賀県の廃棄物処理業者やセブにある財団などの地元企業、滋賀県立大学をはじめとする学生、そして各地域の住民と一緒に、プラスチックごみに関する環境教育と小型リサイクル機器を用いた体験型環境教育ワークショップを国内外でおこなっています。
◆体験型環境教育ワークショップ
 地域住民の環境意識の向上と行動変容を促すため、ワークショップではプラスチックごみによる水環境汚染やリサイクルの仕組みなどを学んでもらう座学に始まり、ごみ拾いなどの地域清掃活動、持ち運びができる小型のリサイクル機器を用いた再生プラスチックプロダクトづくり体験会をおこなっています。また、彦根市の滋賀縣護國神社で開催される「ひこねで朝市」にも出店し、ミニワークショップや作品の展示会を実施しています。

ワークショップの様子

【これまでの経緯】

問題意識の共有と地域企業や学生との連携

 フィリピンに渡航する度にも目にしてきた、投げ捨てられ路上や水路にあふれかえるプラスチックごみ、どうにかならないものかと模索していました。「プラスチックごみを自分たちで再生できたら面白そう」と思い、いろいろ調べてるうちにオランダで発足した”Precious Plastic”というオープンソースコミュニティの存在を知りました。
 DIYの感覚で小規模なプラスチックリサイクルを実現できると知り、2020年からセブでの実現に向けた準備を進めていましたが、コロナ禍ということもあり現地での活動が進められない状況でした。そこで日本国内で既にPrecious Plasticを実践している団体の1つを、滋賀県立大学の学生団体近江楽座のCEBU PARIAN PROJECTの学生と一緒に見学に行きました。その際同じく見学に来ていた滋賀県湖南市の廃棄物処理業者MITAKA GROUPとつながり、2021年にまずは滋賀県での実施に向けて活動をスタートしました。

リサイクル機器製作の様子(上段:滋賀、下段:セブ)

 オープンソースを基に、持ち運び可能なリサイクル機器を自作し、プロダクトの試作を繰り返しおこなってきました。コロナ禍が落ち着いた2022年8月には、国際協力機構(JICA)の援助のもとセブでの活動を再開させ、現地でも持ち運び可能なリサイクル機器を作成し、活動を展開してきました。
 これまでに滋賀県内で8回、セブで6回のワークショップを実施し、参加者からは「環境問題について改めて考えるきっかけになった」「自分達の身近な場所にこんなにたくさんのプラスチックごみがあることに改めて気付いた」「プラスチックごみが素敵なプロダクトに生まれ変わるなんて楽しくて面白い」などの反響をいただいています。

プロジェクトの組織体制イメージ(左:滋賀、右:セブ)

【これからの展望】

出張での体験型環境教育ワークショップの実施とプロダクトの活用

 プラスチックのリサイクルがもっと身近なこととして認識してもらえるよう、モバイル形式で体験型環境教育ワークショップが実施できるよう準備を進めています。これまでに作成した小型のリサイクル機器の持ち運べるという特性を活かし、トラックなどの乗り物などに乗せ、遠方でも体験型環境教育ワークショップの開催ができるようになれば、より多くの人びとにより気軽にワークショップに参加してもらえる機会を提供することができます。
また、再生プラスチックのプロダクトとしての価値を高めるため、小物やアクセサリー、家具や建材などにも応用できるよう、プロダクトの開発も進めています。現在、学生団体と協力してセブの児童養護施設に再生プラスチックを用いたタイルを施した小さなチャペルの設置を予定しています。
 他にも、コミュニティ単位での小規模リサイクルの実現に向けて、資源回収からプロダクト制作までの仕組みの構築についても実現していきたいと考えています。

ワークショップでできたプロダクトを用いたチャペル内装デザインの検討

【2030年にどんな社会を作りたいですか】

 小規模なプラスチックリサイクルのシステムを構築し、各地で人びとが楽しくプラスチックを循環させられるような環境が作れたらと思います。人びとが路上や水の中にあるプラスチックごみを見たら、それは宝の山だと思えるような意識の世の中に変えていければいいなと思います。フィリピンは(2019年時点で)プラスチックごみの最多排出国の1つなので、その状況を少しでも変えられたらと思います。

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