$FLNG 決算資料から見る今後のLNGタンカー市況

先ずは決算から
EPS 結果 $0.45 予想 $0.60
売上 結果 $74.6M 予想 $82.815M 
EPS売上ともにミスとなりました。この原因は前回のnoteでもお伝えしましたが昨年12月にヨーロッパで天然ガスが不足し多くのLNGタンカーがヨーロッパに向かいました。その結果1月には運ぶLNG自体が無くなってしまいLNGタンカーのスポット傭船料が一時マイナスとなってしまった為です。

スポット市場

しかし現在は上記のチャートを見て頂ければ分かる通り過去平均より高いレベルで推移しています。FLNGの傭船契約の75%以上は固定価格での契約ですが、残りの25%弱の契約分は次期からは持ち直してくると考えられます。

TC rate

上記は1年と3年の傭船価格ですが3月から上がり始めています。このままいけば来期はしっかりとした決算に戻ると思われます。

売上ガイダンス

先日公表されたEIAの天然ガス見通しでも述べられていましたが、今年のヨーロッパのLNG在庫は例年より低くなっているため、通常だと夏にかけて需要が落ちるのですが、今年は在庫の積み増しをしなければならない為、夏期シーズンも堅調に推移することが予想されています。現時点での在庫は昨年の94%に対し75%程度となっています。

今年にはいってから契約した傭船価格はすべて固定価格での契約になります。23年の契約もほぼほぼ埋まっています。

米国LNG輸出

米国のLNG輸出は4月30日時点で21%増加しており、2022年は前年比で25%増加する見込み

EUは天然ガス輸入をロシアから米国・カタール等へシフトする為にLNG受け入れ施設を急ピッチで計画・建設中

まとめ
2022年のLNGタンカー市況は引き続き引き締まりそうです。
では2023年はどうなるのでしょうか?
EIAは2022年下半期の天然ガス価格は平均で$8.59、2023年の天然ガス価格は平均で$4.74と予測しています。
米国のLNG輸出は2022年は前年比+23%、2023年は前年比+5%と予測しています。

理由としては、米国では2023年中に新たな輸出設備が稼働する見込みがないこと。今夏にヨーロッパの在庫の積み増しができれば、LNG需要も2022年よりは落ち着くと考えられている為です。
FLNGも2023年には新タンカーが30隻就航すると述べており傭船料も2023年Q1には落ち着くだろうと述べています
つまりロシア関連で新たな動きがない限り需要のピークは、今年のQ4あたりになると考えられます。
また天然ガス生産銘柄も($AR$EQT等)も同じころにピークを迎えると考えられます。$SWNは2023年まで先物でヘッジしていますので影響はないと思います。

今回は以上になります、最後まで読んで頂きありがとうございました。
決算の詳細は下記URLからご確認ください。

決算資料
https://ml-eu.globenewswire.com/Resource/Download/aea6a530-4b84-455b-9d27-d4c7430292aa

プレゼン資料
https://ml-eu.globenewswire.com/Resource/Download/a796ff5b-18c7-4552-9fc7-fff805aa733b

EIA短期エネルギー見通し
https://www.eia.gov/outlooks/steo/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?