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『スラムダンク』をもっと知りたい! - 16

映画『THE FIRST SLAM DUNK』で初めて『スラムダンク』に触れた私が、井上雄彦氏のマンガ『スラムダンク』(ジャンプ・コミックス)を読んでいきます。全巻を読み切れるよう、がんばります。なお、読んでいる単行本は通常版です(完全版、新装版ではありません)。

16巻「サバイバル・ゲーム」

◆怒涛の海南戦が終了し、次の試合へ向けて少しテンションを落ち着かせる巻。次の試合への布石や見どころポイントも作っておく必要があるし、試合の合間の描写が、今後の決勝リーグのドラマ作りに役立つはず
◆湘北は練習試合をし、そこで桜木の欠点を見つけた上で、次の試合までに修正しようとしていた
◆15巻のハイテンションからクールダウンして、練習をやり直す感じもまたいい。練習シーンには、成長していく選手の姿がある。そこがいいのよ
◆桜木の問題点。それは「ダンクできるくらいリングに近い位置でボールを持たないと得点できない」というシュート技術のなさだった

桜木の弱点があらわに

◆あと3日でゴール下のシュートが入るようになる、それが桜木の課題となった
◆それはそうと、次に引用したページのいちばん上にある、体育館の窓と天井のコマにはどういう意味があるのだろうか。私はマンガを読むのに慣れていないので、こういった「何を描写しているのかわからないコマ」があると、すごく迷ってしまうのだった。この絵は何? 前のページも体育館のシーンなので、状況説明(体育館へ移動しましたよ)ではない。体育館の屋根を描いたコマを入れることで、著者はどんなニュアンスを伝達しているのか

このいちばん上の細いコマ(体育館の窓と天井)は何の意味?

◆赤木指導による桜木のシュート練習開始。この練習場面、映画版にもあった! モンタージュで出てきてたよね

マジメに練習する桜木であった

◆試合の場面も好きだけど、地道に練習してるシーンにはまだ別のよさがある。力をたくわえている感じというか。こうした構成でストーリーに緩急がついて、試合の場面がさらに盛り上がるって寸法さ
◆練習が楽しい桜木。いいねえ〜。こういうの見ると胸キュンなんだよ

半裸練習

◆誰もが思っていたことを代弁する桜木。そう、メガネ君は最高の仲間だよ

みんなに好かれるメガネ君

◆メガネ君、赤木、桜木の三人で遅い時間まで残って練習。残り時間は少ないのだ
◆武里戦。なんと桜木は寝坊して遅刻! 練習のしすぎで体力が残っていなかった桜木はついつい眠り込んでしまったのであった

やってもうた

◆遅刻した桜木が会場に着いたときには、もう武里戦はほぼ決着がついていた。湘北120 - 武里81 で危なげなく湘北勝利
◆むしろ桜木の練習の成果は、手の内を見せないで温存しておく方がよかった。武里戦は桜木の出場なし
◆続いて陵南対海南戦。試合開始前からバチバチだ
◆他校の試合も描写するとは思わなかった。でもこの試合を描いておくことで、今後の対湘北戦がよりきめ細やかな展開になるんだろうな
◆陵南の魚住、仙道、そして謎の男福田。海南の牧、清田、じん。こうして見ると、15巻までの描写で両校の注目選手がきちんと紹介されていて、うまいこと構成されてるなと思う
◆仙道がPG(ポイントガード)。私はまだPGが何かよくわかっていないのだが、湘北のPGは宮城だというのはわかっていて、きっとPGはそこまで背の高くない選手が受け持つのが一般的なのだろう(というくらいしか予想できず)

PGってなに

◆そう思って読んでたら、PGの役割とは? について説明する場面が出てきた。わかりやすい〜。いたれりつくせりのスラダンだよ

わかりやすいぞ

◆そうかPGはゲームの組み立てもするのか。たしかに映画版でも、まずは宮城がドリブルしながら周囲を見回す描写が何度も出てきた。なるほど〜ようやくわかってきた
◆仙道、パスがうまい。うまさが絵から伝わってくるぞ

ノールックパス大好き

◆もしかすると仙道はバスケの才能てんこもりの逸材なのではないか
◆陵南リードで前半終了。あの海南が押されている。湘北は陵南相手にも善戦したけど、いまとなっては陵南にも勝てる気がしない。とにかく仙道がヤバい強さ
◆ここで過去の回想。陵南の監督は、福田を叱って伸ばそうとしたが失敗。あまりに厳しく当たったため、福田の精神が破壊されてしまい、奇行に走って部活動禁止になってしまった。陵南の監督、ただのハラスメントだと思うよ
◆本当はホメてほしかった福田。このコマ笑った。誰だって叱られるよりホメられたいよね

人間誰しもホメられたい

◆仙道が牧をマークし、ゴール下は魚住が守る。この作戦で行こうとした陵南だったが、伏兵・海南のじんがスリーポイントを決める。海南には飛び道具が残っていたのだ
◆湘北メンバーは、もう偵察はいいと試合会場を離れてしまった。全員が「オレががんばれば勝てる」と思っている、オメデタ集団であった

揃って「俺が主役〜」と思っている三井、流川、宮城

◆両校とも役者が揃ったところで16巻終了。さあどうなる海南対陵南

16巻の感想

◆湘北対陵南の試合へ向けて、助走を始めた16巻。なんとなくの予想だけど、20〜21巻くらいまではインターハイ県予選だと思う。そのあたりに次の大爆発がくるとみた
◆「もっとホメてくれ」いいな。私も日常的に使っていきたい
◆スラムダンクが大事にしている「緩急」、その「緩」の部分にあたるパートだが、実は今後の展開への布石をいろいろと描いている
◆練習のシーンもよかった。映画版のモンタージュシーンにもあった「左手はそえるだけ」のせりふも出てきたぞ
◆スラムダンクは、指導者の資質についても言及しているマンガだと思っていて、指導を厳しくしすぎた結果、生徒の精神がストレスで崩壊してしまうといった描写も批判的なかたちで表現されていた。90年代のマンガにしてはかなり先進的だと思う。やっぱり安西先生は最高

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