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「電父」だより - 2

電父でんちち』はスキンケア初心者向けの本です

こんにちは伊藤です。2023年2月24日、私の本『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)が出版されることを先日お伝えしました。刊行へ向けて、校正と呼ばれる文章の直し作業もほぼ完了しており、この発売日がずれることはまずないかと思われます。あー、もうすぐだ~。こちらのブログでは、私の著書『電父でんちち』がどのような本なのか、何回かに分けてご紹介していこうと思っておりまして、今回は紹介記事の2回目です。発売日まで、週に一度、内容をご案内する記事を書いていく予定です。『電父』は、灰色にくすんでいたおじさんが、スキンケアでまぶしく輝き出す毎日を綴った、ライトエッセイとなっております。

『電父』は、スキンケアを始めようと決めたものの、具体的な方法やコツがわからずに戸惑う中年男性の姿を描いた本です。スキンケア、結構むずかしい。肌のお手入れを始めようと決意した男性の多くが、似たような経験をするのではないでしょうか。ドラッグストアでスキンケア製品を買おうと思い、お店に出かけた超初心者の私が見たのは、何がどういう順番で並んでいるのかすら見当がつかない、ゴチャゴチャとした売り場の様子でした。それぞれの製品にどのような効果があるかもわからなければ、どういう括りで棚が分類されているのかも不明。お店で化粧水を買うなら「化粧水コーナー」で探そうと思うのが人情ですが、ドラッグストアに「化粧水コーナー」はないのでした。なぜ……。スキンケアを始めた当初、目的に沿った製品を探すのにひと苦労した記憶があります。

ドラッグストアに「化粧水コーナー」はない

同じドラッグストア内に「食器用洗剤コーナー」や「目薬コーナー」「ビタミン剤コーナー」はあるですが、なぜかスキンケアだけは、製品カテゴリーで分けられていないのです。目の前の棚にも、その横の棚にも、逆側の棚にも化粧水がある。美容製品売り場のあちらこちらに、化粧水がバラバラに置いてあるのでした。思わず "WHY SKINCARE PEOPLE? WHY?" と叫びそうになった私。そもそも「化粧水」というネーミングは何なのでしょうか。「保湿水」「肌うるおい液」など、もっと別の名称があってもよかろうに、なぜ「化粧水」などという、効能とほぼ関係のない名前がついているのか。私は以前から、「食パン」というネーミングを見るたび「パンって全部食パンじゃない?」と違和感を抱いていたのですが、「化粧水」にも同様のしっくり来ない感覚を持ったものでした。また化粧水の「さっぱり」「しっとり」はどちらがいいのかも、無知な中年男性にはむずかしい問いですし、「敏感肌用」「乾燥肌用」と言われても、そもそも自分の肌が敏感なのか、乾燥しているのかどうかがわからないという問題があります。初心者にとってのスキンケアは、見当のつかないことだらけなのです。

さて、化粧水を買ったとして、1日に何回つければいいのでしょうか。どんな風に効果があるのでしょう。もし化粧水をつけすぎたとして、肌が水分を吸収しすぎてブヨブヨになっちゃうとか、なかに入っている保湿成分が効きすぎて、肌が赤ちゃんみたいにプニプニなることはあるのでしょうか。5000円の化粧水は、1000円の化粧水とくらべて、5倍効くようになっているのかどうかも気になるところです。売り場には、乳液、美容液、フェイスシートなど、さまざまな種類の製品がありますが、これら欲張って全部つけたらどうなるのか? そんなに何種類もつけたら、肌の上で混じり合って、個々の効果が消えてしまいそうな気がします。詳しい先輩がいれば、こうした疑問にも答えてくれそうですが、ひとりで全部を進めようとすると、心細いかもしれません。

みんなでキレイになろうね〜

知識ゼロだと手がかりがない

スキンケア製品を作るメーカーもたくさんあります。資生堂、ロート製薬、花王、コーセー、無印良品……。どのメーカーが自分に合っているか、おおよその雰囲気もつかめなければ、メーカーごとの違いもわからない。スクウェア・エニックスとフロム・ソフトウェアの違いならわかりますし、アディダスとナイキの違いもよくわかっていますが、常盤薬品と第一三共ヘルスケアの違いについて、私はまったくの無知でした。勉強していくなかで、少しずつイメージがはっきりしていきましたが、予備知識なく始めようとすると確実に迷ってしまいます。こうした壁を、私はどうやって乗り越えていったか、そして勉強の結果どのような知識を得たか……。『電父』には、予備知識ゼロの一般的な中年男性がスキンケアを始めた際、どんな部分でつまずくか、何で悩むかが、ほぼすべて網羅されているといってもいいかと思います。

こうしたハードルを乗り越えて、スキンケアを始めてみようと考えている男性にとっては、この本が手がかりとなるはずです。あまりに当たり前すぎて、誰も解説してこなかった超初歩から、スキンケアのあらゆる疑問が取り上げられています。また、恋人の男性に肌のお手入れを始めてほしいと思っている女性がこの本を読めば、「なるほど、ここがわからないのか」「この部分で迷うわけね」と理解が進み、スキンケアをきっかけに、ふたりの仲もより親密になることうけあいです。いいね。初歩的な知識や、肌のお手入れを始める際の不安を取り上げた『電父』は、「多くの男性のあいだで確実に存在する、スキンケアへの身も蓋もない疑問」に答えた、読み応えアリの一冊となっていると自負しております。私の著書『電父』、2月末に出ますので、ぜひ読んでみてくださいね。ではまた来週。

伊藤拝

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