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『スラムダンク』をもっと知りたい! - 27
映画『THE FIRST SLAM DUNK』で初めて『スラムダンク』に触れた私が、井上雄彦氏のマンガ『スラムダンク』(ジャンプ・コミックス)を読んでいきます。全巻を読み切れるよう、がんばります。なお、読んでいる単行本は通常版です(完全版、新装版ではありません)。
27巻「湘北 in Trouble」
◆山王戦後半。後半開始早々、山王は勝負を決めにきていた。あー、もう完全に映画版と同じ展開ね
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◆山王名物、ゾーンプレス攻撃が始まった。相手に激しくマークしてあらゆるボールを奪ってしまう、地獄の作戦であった
◆プレスに苦しむ宮城こちらです
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◆映画版でもあったこのアリ地獄。激しくプレスをかけられた後半開始早々、湘北は一気に点差をつけられてしまうのだ
◆パスを出そうにもインターセプトされ、苦し紛れにボールを放っても仲間にパスが通らない。厳しい攻撃に苦しむ湘北
◆あまりに激しくプレスされた宮城、必死でがんばったが、ファウルを取られてしまう
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◆井上氏がもっとも得意とする描写は、試合や勝負事が避けて通れない「勢い」「流れ」が状況をめまぐるしく変化させていく展開だ。山王のゾーンプレスは、山王が試合の流れをつかんでいく恐怖が表現された場面なのだ
◆映画版でも、ゾーンプレスの場面キツかったもんな〜
◆心が折れてしまいそうになる湘北メンバー
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◆映画版を先に見てるから、あの超ハイクオリティな映像が頭に残っていて、脳内でマンガが補完されてる感じもある
◆しかし、初めて読むマンガなのに、あらすじ知ってるのふしぎ〜〜。一度も読んだことないのに、どのシーンにも思い出がいっぱい詰まってるの、マンガ体験としてすごく新鮮だ
◆ここで湘北、たまらずタイムをかける
◆両校の作戦会議。このタイムのあいだの会話もドキドキするんだよね
◆完全に湘北を倒しにきた山王
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◆全力で行くのは相手への礼儀でもあるからね
◆安西先生から作戦指示。ゾーンプレスに対抗するには? 三井と流川に「君たちも前へ走っちゃおう」と指示。これも映画版で見た場面
◆そしてゾーンプレス対抗の切り札は宮城!
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◆映画だと、安西先生は「宮城君、ここはキミの舞台ですよ」と言ってた気がするな
◆重責を担って試合を再開する宮城。ふいに呼び止める彩子。まさか……例の……
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◆ これ知ってる〜〜! 映画館で何回も見た!!!(鑑賞4回)
◆マンガで見るとまた違ったよさがあるな、彩子の優しさがにじんでくるよ
◆高校生の頃、好きな女の子がこんな風に励ましてくれたら嬉しいだろうな〜
◆山王のゾーンプレス止まず。3分経たずに16点取られた湘北は瀕死であった
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◆どうにか挽回したい湘北。赤木、ロングパスすると見せかけてボールを止め、宮城にパス。そしてドリブルで抜け出す宮城
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◆さらにはビハインド・ザ・バックで流川にパス。赤木が以前に「お前のパスはチャラい!」と怒ったトリッキー技だよ
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◆映画だと、ここで彩子の「プレス突破ァ!」っていうせりふが入って気持ちいいんだよね、って思ってたらマンガでもあるし〜!
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◆映画の脳内再生が止まらなくて、ほぼ映画館行ってる状態。ここは劇場の座席なのか
◆どうにかゾーンプレスは攻略できたものの、ゴール下には河田兄。コイツがもー、強いの!
◆河田兄に阻まれて、シュートの角度がなく、ボールを板に当ててしまう赤木。これ、映画版でも出てきてて、いままでは何も考えずにスルーしてた場面なんだけど、「河田兄のディフェンス能力に、赤木が自信喪失するきっかけ」として描かれていた、大切な場面だった。映画見ただけだと気づかなかったな〜
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◆ありとあらゆる攻撃を止められる赤木。この赤木vs河田兄の構図もいい。にしても河田兄、強すぎないかい
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◆苦しむ兄を見る妹。スラダンにおける晴子は、兄とほとんどテレパシー的に心がつながっているのでは思うような描写が多いんだけど、この場面も、兄の不安をこれほどに細かく察知できるか? という深いレベルでの共感がある
◆晴子が兄の気持ちに寄り添う場面、これまで何度も見てきて、そのたびに私は感動しちゃうんだ
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◆そしてついに20点差。会場に「勝負あり」との雰囲気が流れる。この描写もキツい。そしてこの絶望感がまた、逆転のドラマに拍車をかけていくんだよね。この演出がすごい。井上氏、この作品を20代で描いたってどうかしてるよ
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◆相手に押されて調子を崩していく、といった描写がうまい井上氏。会場にいる観客のリアクションもていねいに伝わってくる
◆どうにか取り返そうと、宮城が懸命に1本コール。私は、宮城が1本コールさえしてくれれば、だいたい満足なんだ
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◆さらには三井の疲労、流川のファウル、桜木のダブルドリブル(珍場面)などが重なり、湘北は調子を落としていくのだった
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◆さらには赤木がトラベリングを取られて、もう湘北メンバーは打つ手なしの状態に追い込まれていた
◆審判ジェスチャー「トラベリングは腕ぐるぐる」だけ、なぜか覚えてる私。体育の授業でやったからかな
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◆タイムをかけた湘北。ここでの安西先生の言葉ややり取りは、映画版でかなり変わってるね。20点差以上開いてしまった湘北は焦っており、テンパった赤木は、会場に来てくれている魚住にすら気づかない始末。魚住に気づかないってよっぽどだよ
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◆ここで桜木アウト、メガネ君イン
◆「自分を交代させた安西先生は、試合をあきらめたのだ」と思い込んだ桜木、安西先生に詰め寄る。すると……(待ってました〜)
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◆完全に決まったゼ……!
◆もうこの名言さえ出れば、世界中のスラダンファンが大満足。声に出して読みたい日本語ナンバーワン
◆このせりふ言うときの安西先生、もうメガネのフレームに指かけちゃってるじゃ〜ん
◆もちろん試合は続行中。沢北の途方もないダンクを見ながら、安西先生が桜木に作戦指示
◆安西先生は問う。「もし桜木がシュートのリバウンドを取って山王の速攻をつぶし、さらにもう一度湘北にシュートチャンスが生まれれば……?」
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◆よし、行くのだ桜木。キミのリバウンドに湘北の命運はかかっている
◆いきなり手に念を込める部員たち。鎌倉地方には、手に念を込めることでボールが手に吸いついたり、敵のフリースローを外させたりする力が生まれるという、古来から伝わる呪術信仰が残っているのだ
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◆こうやって、今後の試合のポイント、見どころをきちんと整理してから新しい展開に行くのが、スラダンの親切設計だと思うね
◆リバウンド作戦の伝授、部員の念。挽回に向けて、桜木の気合いはフル充填され、「オレを試合に出せ」と安西先生にハイパータプタプをおみまいするのだった
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◆しかし湘北は重苦しい雰囲気をひきずっていた。特に、河田兄との対決で痛い目を見た上に、シュートをできず板に当て、さらにはトラベリングまでしてしまった赤木は完全に自信喪失していた。盟友・魚住は、そんな赤木の不安を見抜いていた
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◆そして桜木。この敗北ムードを変えるには、何かをせねばならぬと直感で悟った
◆ここからの場面、映画版と原作ではかなり印象が違った。原作は、桜木の内面にかなり寄り添っていると感じた。映画版はより「悪ふざけ」感が強いというか。その描き分けに、あーそうか〜と納得してしまったよ
◆そしてまずは、赤木に対して悪ふざけ。映画版では、なぜ桜木が赤木に対してあんな子どもじみたイタズラをしたのか、いまひとつよくわかっていなかったんだけど、マンガを読んでみて、なぜ赤木に対してあの行動なのかがとてもよくわかった。まずは、もっとも精神的に不調な赤木を元に戻す必要があったのだ
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◆桜木の行動に納得している魚住。このままじゃダメなんだ。本来の赤木に復調するには、ちょっとブッ飛んだことをしないといけなかった
◆そしてみなさんご存知のように、桜木は机の上に乗るのだが、そのとき彼は「不思議と迷いはなかった。やるべきことが1つに絞られたから。こんな風に誰かに必要とされ、期待されるのは初めてだったから…」と考えている。勝つために思い切った行動に出ようと、彼なりに考えた答えがあの挑発だったのだと思う
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◆「不思議と迷いはなかった」も泣ける言葉だね。もう、どんなバカみたいなことでも、勝つためにはやらなくちゃいけないんだ。机の上に乗って大声を出したのも、桜木の意志と決断がこもった、彼なりに勇気を出した結果だったのか
◆では、みなさんご唱和ください〜〜!(はい)
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◆ここで終わっちゃうの〜27巻!
27巻の感想
◆ついに映画版と完全にシンクロ。どのページにも見覚えがあり、なんなら思い出とか懐かしさのような気持ちさえ抱いている。まだ最初に映画版見てから1ヶ月も経ってないのに
◆より深い心理描写、これまでの努力がムダに思えるような不安、他人から信頼してもらうよろこび。そんな感情を描き切る井上氏
◆この1冊だけでどれだけの名ぜりふ、名場面、忘れられない展開が入っているか。映画版を見たあとで読むと感慨ひとしおだ
◆赤木にイタズラする桜木、映画だと少し唐突に思えたけど、原作読んで納得。しっかりとした意味があったんだね
◆残りあと4冊、どんな展開が待っているやらだよ
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