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令和7年に読む『有閑倶楽部』 【11】

1981年から連載が開始された少女マンガ『有閑ゆうかん倶楽部くらぶ』を1巻から読んでいきます。作者がどのようなマンガ家なのか、この作品は有名なのか、少女漫画史でどう評価をされているマンガなのかなど、まったく知りません。何の知識もない、ほぼ真っ白な状態で作品と接した感想をそのまま記録していこうと思います。

有閑倶楽部 11巻

  • 27話。グランマニエが、幼い女の子(おそらく小学校低学年)と知り合うが、その子は病気で苦しんでいた……という話。

  • ホラー回です。嬉しい

  • 黄桜の朝シャン(朝にシャンプーすること)描写。たしかに、朝シャンが広く取り入れられるようになったのが80年代後半。世相を反映している〜

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懐かしの朝シャン描写
  • テレビのCMとかで、やたら朝シャン朝シャン言い出した時期があったんですよね

  • 病気の女の子は、少し身体を動かしただけで苦しくなってしまう体質

  • 病気のせいで長生きできないと言われていた

  • 女の子は、グランマニエに恋をしており、お嫁さんになると宣言していた

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かわいそうな女の子
  • 女の子とディズニーランドへ行く約束をしたグランマニエ

  • 有閑倶楽部を引き連れてディズニーランドへ

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みんなに好かれるグランマニエ
  • 有閑倶楽部とディズニーを楽しんだ女の子。しかし当日撮った写真を現像してみると、女の子が写っていない

  • ここまでホラーとはわからない展開なので、写真のくだりで「これはホラーだ」と気づくのであった

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謎の現象が起こり始めるぞ
  • さらには、幼かった女の子は、短期間で異様な成長を見せていたのであった

  • 不可解さに困惑する有閑倶楽部

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背景が黒くなる演出よい
  • 女の子は、思念を使ってグランマニエに会いにきていたのであった

  • とはいえ女の子は死んでゆうれいになったのではなく、生きたまま思念を用いて分身を操る技を身につけていたのだ

  • 会うたびにどんどん大人になる女の子

  • 意外なホラー展開、これはいいぞ

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ゆうれいを怖がるグランマニエ
  • そして菊正宗の推理。なんでも知ってる菊正宗

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詳しすぎるな
  • 女の子は手術を受ける必要があり、執刀医は菊正宗の父になった

  • 菊正宗(父)は名医らしい

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医学にも詳しい菊正宗
  • 一方グランマニエは、女の子の思念によって涅槃(nirvana)の手前まで到着していた

  • ここは来ちゃダメなところだ。菊正宗(父)の手術が失敗すれば、グランマニエも共に戻ってこれなくなるぞ

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引き返して〜!
  • どうにか手術は成功。女の子は元気になり、グランマニエも涅槃から戻って終話

  • この回はよかった! ショック描写は使わず、なおかつ、病気の女の子に対する優しさもあるのが嬉しかった

  • 28話。ひさしぶりの黄桜回

  • みんなでスキーに行くという冒頭。80年代後半はスキーがものすごく流行っていました

  • もう信じられないくらい流行っていて、『私をスキーに連れてって』(1987)というヒット映画があったくらい

  • 映画でスキーブームが加速したっていう面もあるのかな

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みんなスキーしてました
  • それと、一条先生は「運動音痴」を略して「ウンチ」という、謎の略称を使用することがよくある

  • これって一般的にも言われていたのだろうか。私は聞いたことがないが……

  • スキー中に遭難した黄桜。山のなかにある小屋で暖をとる

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ここでいったん避難
  • 寒くなったので、ここにある仏様を燃やしてあたたまった

  • ここから今回の展開が始まっていくのだ

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仏像を燃やして助かりました
  • その後、悪夢にうなされ、体調がおかしくなった黄桜

  • 2話連続のホラー回がここで確定。私はホラー展開が好きなので、かなり嬉しいぞ

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あんまり反省してない黄桜
  • 一方、謎のセクハラおじさんが登場。このおじさんが過去にやらかしたことが、今回のホラー展開と関係してくるのだった

  • キモいことを言って黄桜をドン引きさせるおじさん

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おじさんキモいです
  • 実は、くだんの仏像にはとある女性の怨念が封じ込められていた

  • かつて無理やりに堕胎させられた女性の恨みが、黄桜の身体を乗っ取り、夢遊病のように徘徊させていたのである

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恨みを持った女性が鬼と化す
  • ホラー回の一条先生はいきいきとしている

  • 夢遊病なので自分の変化に気づいていない黄桜

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仏像を燃やしちゃったからだゾ
  • 有閑倶楽部の調査で、黄桜がゆうれいに乗っ取られていると判明

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怖くていいね〜
  • そして黄桜を乗っ取ったゆうれいは、藁人形に釘を刺して、にっくき相手を呪うのだった

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藁人形に五寸釘
  • 私が小さい頃、「藁人形に五寸釘」は定番の呪い行為として知られていたけど、最近この手の呪いみたいなのってまだ存在してるんだろうか

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出た〜怖いよ〜
  • 鬼は、黄桜の身体を借りて、自分たちを苦しめた「菊波家」(さっきのセクハラおじさん)を滅ぼそうと画策していたのだった

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鬼+黄桜
  • 有閑倶楽部は黄桜を助けるために動き出す

  • 鬼に怖気づいていた剣菱も協力することになった。このコマかわいいね

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好きなコマ
  • 鬼は恨みを抱いて菊波家を破滅させようと襲ってくる

  • がんばって鬼を説得する有閑倶楽部だが、説得通じず……

  • 鬼を止める方法が「説得」なのが平和でいい

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説得失敗
  • 有閑倶楽部のがんばり虚しく、鬼はさらに怒りを増して荒れ狂い、髪も天に向かって逆立っております

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デビュー当時のXヨシキくらい髪が逆立ってるな
  • 怒りは激しい雷となって菊波家を直撃

  • この展開もドラマティックでいいよね

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雷が炸裂
  • しかし最後の最後まで説得を続けた有閑倶楽部。鬼がついに人の心を取り戻してくれて一件落着

  • 鬼となった女性の苦しみに寄り添った、愛のある展開がGOOD

  • 登場人物への優しさが感じられる回はだいたい読後感がよくなるね

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仏像を寄付しましょう

11巻の感想

  • 2連続のホラー回。どちらもクオリティが高く大満足! 11巻はとてもよかったのでは

  • ゆうれい少女も、鬼も、その内面に寄り添って、愛を持って描写しているので楽しく読める

  • たまに感じる、登場人物への意地悪さがいっさいなかったので、両方とも満足だった

  • 28話は、ホラーの恐怖展開をインパクト大の絵で見せてくれるのがよい。当時の小学生女子もふるえあがったことだろう

  • この調子で盛り上げていってほしいと思った11巻であった

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