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『スラムダンク』をもっと知りたい! - 19

映画『THE FIRST SLAM DUNK』で初めて『スラムダンク』に触れた私が、井上雄彦氏のマンガ『スラムダンク』(ジャンプ・コミックス)を読んでいきます。全巻を読み切れるよう、がんばります。なお、読んでいる単行本は通常版です(完全版、新装版ではありません)。

19巻「エース」

◆あのーいきなりなんですが、私、井上氏がどんなことを考えながらスラダン描いてたかを知りたくて、本(マンガじゃなくて文字が書いてある本)を探していたんです。そこで、2008年に出た『漫画がはじまる』という対談本(井上雄彦/伊藤比呂美、現在は絶版)があることを知った。その本の帯を検索で見つけて「エーッ!」と驚いてしまった

マジかよ

◆井上氏の「三井はバスケをやる予定ではなかった」発言。ただのモブキャラ、ヤンキーマンガによくいる荒くれ者のひとりで終わるはずだったということか。この帯を読んだとき、驚きでひっくり返りそうになったけど、同時に「たしかにそうかもな〜」という気もしていた
◆不良時代とバスケ部出戻り後、別人かというほど性格が違うし、体育館事件のとき、メガネ君が「三井はバスケ部だった」と切り出すタイミングも妙に遅い。どうも前後の話がつながってない気がしていたのだ。なるほどそうだったのか。井上氏の「描いてるうちに、好きになっちゃった」はとてもいい言葉だと思う。三井、ただの不良で終わってた可能性もあるんだな。知らなかった〜
◆三井は、体育館事件のビフォーアフターで別人として分けて考えていいと思う。私は、ビフォー三井はニガテ、アフター三井は好き!
◆三井のいるスラムダンクでよかったね
◆さて、陵南戦の前半終了。点差は6点。後半は三井のがんばりで追いついた

「&元不良!」

◆ロッカールームでも声を出してムードをひき戻した三井。こんなに積極的とは思わなんだ
◆ただの不良でバスケしない予定だったのに、気がついたらすごい活躍してるぞ三井
◆陵南も三井マークで行こうと作戦会議

三井のマークは陵南・池上が担当

◆ケガの手当ても終わった桜木、頭に包帯を巻いた状態で後半戦から試合に出ているぞ
◆三井をマークすれば勝てるという陵南の読みは甘かった。なぜなら流川は、後半に爆発するために体力を温存し、前半あまり動かずにいたのだ。後半戦は流川のターンだ。クゥーーー!

最初ハナから」というルビの振り方もよい

◆トリッキーなドリブルを駆使してシュートを決める流川。勢いが湘北に戻っていく感じ、いいね
◆宮城の「1本きっちり」コール。PGは声を出して場をまとめるのだ。映画版の宮城を思い出す私

宮城好き〜〜

◆流川さらに活躍。相手のファイルを誘うナイスプレイでフリースローも取る。流川すごいぞ〜
◆流川への嫉妬が高まり、フリースローを外すよう念を送る桜木。思うにスラダンには、手に念を込めるとボールが吸いつく、フリースローの結果を念で変えられるといった呪術信仰が存在している

念の存在を信じる男

◆三井が福田をマークすることで、福田の動きはおさえられたが、同時に三井の得点力も下がる。こういう展開もナルホド感あっていいね
◆陵南も得点していくが、気にしない流川。この自信満々な態度も流川っぽいね

宮城の「わかってるよ」顔カワイイ

◆流川の快進撃続く。スリーポイントも決めちゃう。なんでもできるぞ流川
◆陵南の監督が仙道を恫喝。これはよくない。陵南の監督にはまだ昭和の悪き指導体質が残っているのであった。私はスラダンの監督資質に関する描写にとても注目しているのだ。きっと井上氏もここにメッセージを込めていることだろう

ノーモア恫喝

◆いまマークについているのは、魚住→赤木、福田→三井、仙道→流川。バスケ知らなくても、ちゃんと試合の流れがわかるのがスラダンだ
◆試合は拮抗。後半戦、湘北もかなり食らいついている
◆仙道も負けじとダブルクラッチ。すごい技が出るとき、背景が白くなるのがカッコいいね

絵が動いてるみたいだ!

◆技のぶつかりあい、光る個人技、絶妙なパスなど、バスケのカッコよさが詰まった描写の連続。19巻、バスケマンガとしてよすぎる
◆ここまでいいところを見せられていない桜木。しかしどうにか得点に絡もうとシュートをがんばる。入らなくてもまたリバウンドを取る。ダメでもシュートに固執する。その姿勢が魚住4つめのファウルを誘った。とにかくあきらめない姿勢が実を結んだのだ
◆ファウル4つの時点で選手は交代になるのが一般的らしい。これも知らなかった

「やっちまった場合は」

◆不調だった桜木の復活。マンガ的にわかりやすい描写

水戸きてるじゃ〜ん

◆ようやくシュートも決めた桜木。大よろこびだ

7才児のよろこびかた

◆その後の湘北の速攻、宮城のフェイクを入れてからのパス、受け取った流川、走り込んでくる三井にパスするかと思わせてリング付近にボールを浮かせ、赤木のアリウープ。マジで最高!!! ここ、コマが多いので引用しにくいんだけど、湘北のコンビネーションのカッコよさをマンガでドラマティックに表現したすごい場面だと思う。136Pから139Pへの流れ、ぜひ本で読んでほしい
◆湘北がぐいぐい押してくる。しかしこうやって勢いがついてくるのはフラグというか、ここから陵南が巻き返してくる展開の前振りだったりもするから注意だ
◆仙道。このせりふも好きだな〜。ここから陵南が反撃してきそう

このせりふ好き〜〜

◆さらに押される陵南。桜木も本調子だ。この追いつ追われつの展開が最高だ
◆ファウル4つでベンチに下がった魚住。出してくれと監督に直訴するが、ラスト5分まで待てとの指示。ラスト5分の魚住、ヤバいんじゃないか

魚住くるぞ

◆赤木のナイスプレーで沸く会場。しかし陵南の監督は湘北の不安要素を予感していた

20巻の魚住が怖い

◆この「流れ」って、スラダンのなかで本当に重要なテーマだと思うんだけど、井上氏はとにかく流れを描くのがうまい、うますぎる。あるチームが流れを取ったり、もう一方のチームが流れを取り返したり。そこがドラマなのよ

19巻の感想

◆バスケマンガとしての完成度が高まり、試合の描写がどれも圧倒的なキレと鮮烈度で迫ってくる巻だ
◆試合の流れをハラハラしながら見守る、興奮度の高い描写が続く
◆特に、宮城→流川からの赤木アリウープという描写はしびれた。これまでのスラダンのプレイ描写でも最高峰だと感じた
◆「まだあわてるような時間じゃない」、私もあわてそうになったら言おうと思う
◆スラダンっておもしろいな!
◆三井がただの不良のままで、バスケ部に入部してくれなかったら、たぶん決勝リーグまで行けなかったと思う

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