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「その木刀はどうしたんだい?」 拝み屋のお師匠様が言う。 「あ、これは九坂(くさか)様が譲って下さいました」 ふぅん、という顔で眺めた”さえ”は、習うのかい? と聞いてくる。耀は少し緊張しながら「そのつもりです」と返すのだけど、こっちの修行はどうするんだい? と咎められる事もなく、むしろ「その方が良いだろうね」と返してくれたのだ。 「毎日通うのは大変だろう。うちに住むかい?」 「あぁ、いえ」 と。 そうか、さえさんはそっちの”つもり”か。 苦笑を浮かべた耀