マガジンのカバー画像

君と異界の空に落つ 第2章

48
浄提寺を降りて祓えの神・瑞波と共に、旅に出た耀の成長の記録。 ※BL風異界落ち神系オカルト小説です。 ※何言ってんだか分からないと思いますが、私の作品はいつもこんなです。 ※古…
運営しているクリエイター

#第41話

君と異界の空に落つ2 第41話

「その木刀はどうしたんだい?」  拝み屋のお師匠様が言う。 「あ、これは九坂(くさか)様が譲って下さいました」  ふぅん、という顔で眺めた”さえ”は、習うのかい? と聞いてくる。耀は少し緊張しながら「そのつもりです」と返すのだけど、こっちの修行はどうするんだい? と咎められる事もなく、むしろ「その方が良いだろうね」と返してくれたのだ。 「毎日通うのは大変だろう。うちに住むかい?」 「あぁ、いえ」  と。  そうか、さえさんはそっちの”つもり”か。  苦笑を浮かべた耀