君と異界の空に落つ2 第29話
「善持ー! 来たわよー!! ヨウを貸しなさい!」
それからお堂を使うわよ! と朝から通る声である。
まだ気配も無いうちに瑞波がすっくと立ったので、耀にはこれから起こる事が予め分かっていたようだ。急に様子が変わって朝飯をかき込んだので、善持にもある程度、何が起こるか分かったようだ。
さえだけなら不思議な事は不思議だなで済むけれど、耀の様子を見ていると、不思議だけれど”あるのだな”。それが分かってきたようで、それなりに興味が湧いてきた。
月の夜、銀杏の木に話しかける耀を