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その惨状、凄惨たるや……鉄錆の匂いに糞尿の匂いが混ざる。 人が腑(はらわた)を裂かれた時に、発する匂いである。 縁側の廊下から踏み入った耀の目に、短刀を手に持った兄弟子の姿が見えた。視線と表情が虚ろな様で、お堂に転がった三つの死体を見遣る。 一つは和尚。一つは兄弟子。一つは英章の骸に見えた。 既に息が無い事を察するのは容易くて、開かれたままの目を見れば、その無念さが受け取れる。 それぞれ胸と、腹と、腰。溢れ出てくるものを、必死に止めようとしたのだろう。固まった体は