君と異界の空に落つ2 第1話
盆の頃を過ぎた夏の終わり、それでも照りつける日の光は強烈で、山の枝葉に守られながら瑞波(みずは)と進んだ耀(よう)である。二人の姿は希望に満ちて、楽し気にして見えた。
耀は黒髪の幼い童子。幼いと言っても十一、二の子供である。
瑞波は白髪の涼やか美人。歳の頃は二十の中頃に見えていた。
どちらも男の姿をしていて、瑞波が耀に従う雰囲気だ。片や人間、片や神。問題は山ほどあるが、二人は未来の伴侶として、足を踏み出したばかりであった。
明るい山を進む二人は、希望に満ちていた。降