君と異界の空に落つ2 第31話
まぁ、分からないでもない。
さえは耀を子供と見做し、体力を鑑みて、行きと帰りで一泊ずつ家へ泊めてやると口にした。客人の屋敷は”さえ”の家より尚遠く、雨だの都合だのをつけているうちに、あっという間に数日が過ぎてしまうと聞いたから。
帰りは一人で帰れるね? と聞かれた耀は、瑞波の為に「勿論です」と返しておいた。共に聞いた善持は耀を哀れんだ目で見遣り、寝る場所もねぇから気を付けろ、と。何の悪気も無いように、平気ですよ、と返した耀は「野宿には慣れています」と笑って二人を黙らせた