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違和感のある事故報道

 最近街中でも、多く見られるようになった電動キックボード。7月からの法改正により、16歳以上であれば免許なしで誰でも乗れるようになりました。そのため、自動車教習所などで教えるはずの道路交通法を十分に理解しないまま乗っている方をよく見ます。おそらく、自転車と同じ感覚で乗っているのでしょう。ナンバープレートが付いているので、自転車よりも厳しいルールの上で乗車を許されているとは思わないのでしょうか。
 そんな中、12月早々に事故のニュースが入ってきました。

 T字路交差点で電動キックボードと大型バスとが衝突し、電動キックボードに乗っていた女性が死亡したとのこと。
 私は最初このニュースをこのテレ朝のサイトで知ったのですが、最後に書かれていた一文に非常に違和感を持ちました。

死亡した女性はヘルメットを被っていなかった可能性があります。

 ヘルメットを被っていた被っていなかったが、この事故の重要なポイントだろうか。確かに、ヘルメットを被っていたことにより、女性が死亡せず、重傷で済んだかもしれませんが、重要なポイントはそこではなかったはず。
 事故当日のニュース報道は特に深追いをしなかったのですが、その後気になったので、その後の状況を確認してみると、以下のサイトが確認できました。

 ここでも目に付くのが「ヘルメット未着用か」というタイトルで「女性はヘルメットを着けていなかったとみられる。」という一文が書かれていました。この記事の中心は、ヘルメット未着用であり、事故の本質と異なる内容でまとめられていました。

 今回の事故の本質は、先ほどの記事に少しだけ書かれていたのですが、

現場は丁字路で女性が交差点を左折したところ国道を直進していた高速バスと衝突したとみられる。
警察によると、高速バス側の信号は青だったという。

 つまり、電動キックボードに乗っていた女性の信号無視が事故の原因でしょう。事故さえしなければヘルメットの未着用は問題ではないはず。もちろん、事故に遭いたくてわざわざ遭いに行く人はいません。万が一、事故に遭った場合の対策としてヘルメットの着用は必要だという事も理解できます。
 しかし、信号を守って、注意しながら左折すれば、出会い頭の事故というのはほぼなくなるはずです。

 このような事故があると、ヘルメットを着用していれば、という声がニュース報道でよく聞かれますが、その前に「信号さえ守っていれば」ではないだろうか。たとえヘルメットを被っていたとしても、赤信号で大型バスに突っ込めば、事故に遭ってしまいます。下手すれば、ヘルメット着用していても死亡事故になる可能性はあります。

 ヘルメット着用は、万が一の時の対策であり、その万が一を防ぐのは、お互いルールを守って通行しているから成り立つ話です。ヘルメットさえ着用していれば、交通ルールを守らなくてもいい、と言うわけではありません。

 今回の事故を受けて、行動力のある無能な議員が電動キックボード、いわゆる特定小型原付(特定原付)はやはりヘルメット着用努力義務ではなく、完全着用義務化だと叫びはじめるような気がします。本質はそこではありません。もし、再度法改正をするならば、特定小型原付(特定原付)は原付の免許証の所持、もしくはそれに準じる交通ルールを理解させる講習を受講し、証明書を貰うなど、まずはルールを徹底させることが必要です。

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