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BTS推しの文化論トークショー。

私は2年前に「おやときどき、こども」と言う一冊の大変手厳しい本に下北沢で出会った。

その著者の鳥羽和久さんのTwitterを見ると
更に目と心に痛い言葉たちが綴られていた。

「きっと、怖い話し方をする人だ。」と思い込み…怖いながらも「君は君の主人公になれ」の出版トークショーに行った。

ふわふわと途切れなく話す鳥羽さんは、
大いに期待を裏切ってくれた。
熱量は高いのに一つ一つの言葉選びは優しく
わかりやすかった。
かわいい靴下を履いたポップな人という印象に変わった。
ご挨拶をして感無量になり帰宅した事を覚えている。

鳥羽さんのツイートを見ているとBTSやバンタンと言う単語が飛び交う。その発言に罵声に近いリプなどをしばしば目にした。

都度都度、誹謗中傷として通報したりと
鳥羽さんが推しである私は陰ながら見守った。

その後、「BTS推しの文化論」をAmazonで購入し半分までの状態でメンバーの名前も理解できないまま…PURPLEのトークショーに参加をしたのである。


PURPLE
なんとお寿司😭

家の近くにあるにも関わらず、全く存在すら知らなかった場所。
鳥羽さんに久しぶりにお会いできたことの喜びとBTSの無知さで緊張をした。
隣に座った方と少し談笑して、鳥羽さんのお話やBTSのYou tubeをアーミーの皆さんと見た。

BTSがビラ配りから始まり、成長する過程。
7人のそれぞれについての参加者の方のお話。

「好き」と言うだけで、こんなにも温かい場所があるのかと私は嬉しくなった。

京都の土地柄はシャイで、なかなか挙手はなくても、その場にいる人の熱量は高かった。

そして、私は娘の寝かしつけがあるため後ろ髪を引かれながら一部で帰宅した。

無限に時間があればと思いつつ、BTSの事をもっと知りたくなった。

そして、ちょうど公開されていたBTSの映画を娘と二人で鑑賞した。


アップリンク京都にて

平日の夕方という事もあり、まばらな人の中ペンライトを恥ずかしそうに取り出す親子や肩を揺らす女性達。

娘は、ダイナマイトしか知らない。もしかしたら、娘の方がBTSの事を知っているかもしれない。

娘に聞けばクラスの半分以上がメンバーの名前を言える世界線だと知った。

一番後ろの席で二人で小さく踊った。時に娘はヒップホップの曲に抵抗を示すこともあったが終始楽しそうに映像を観た。

必死に自分の推しを見つけようとするのだ。
私自身「推し」と言う言葉はあまり普段使わない。娘世代は必ず何かにつけて「推し」がいるそうだ。

鑑賞後にメンバーのカードを貰い、雨に濡れないように持ち帰りダンボールの箱にBTSと書き大切に宝箱に保管した。

私はすぐ次回の大阪のスタンダードブックストアの予約を入れ、鳥羽さんの本を読み終えた頃メンバーの名前が言えるようになった。

娘に「もしかしたら、退屈かもしれないけど鳥羽さんって人のトークショーに行く?」と聞くと即答で「行く!絶対にいく。」と返ってきた。そんな訳で親子で天王寺まで、電車に乗り継ぎスタンダードブックスへ。


スタンダードブックスカフェ前にて。

「ガチ勢に変な事を言って怒らせたら」と言っていたのも彼女らしく。目の悪い彼女に席を譲ってくださった方も居た。(ありがとうございます)

2時間持つのかな?授業も割と集中力が持たないからと言う不安もあった。

不安は予想外に裏切れた。手を挙げ、スタンダードブックスの中川さんや鳥羽さんにたじろぐ事なく忌憚なく自分の意見を言う彼女は会場を温かくした。

メンバーの名前がわからない中川さんにヒントをだしたりして、ヒヤヒヤした。懸命に鳥羽さんの本を持ち、読めない漢字や意味のわからない言葉を私に聞きながら9才の彼女は必死だった。

私は「おやときどき、こども」を読んでから子育てが一変した方である、親だから見えない事が沢山あること。しばしば彼女と話し合ってきた。

鳥羽さんの話の中でも印象に残ったことは、
「絆」という言葉の不自然さ。

私はも正直気持ち悪いなと思う。目に見えない「キズナ」と言う鎖のような言葉であたかもわかり合おうとする不自然さは苦手である。

また、人は個と個で関係性があると日々考えるため共感をした。点と点である。

SNSでは、人々は傷口を晒して分かり合おうとし励ましあう。会ったことのない人と苦しみを理解し合おうとする一見優しく見える世界。
それが本当に優しいかは大きな疑問であろう。

「死にたい」と言う言葉は、時に人に感染していく。生きたい理由を探してSNSを彷徨う。

そんな事考えながら、娘の背中を見た。
本当に大きかった。

質問タイムの「推しに対してのアンチへの対応」これも深く、私は「アンチの人は暇で幸せではない」と発言した。少なくとも幸せの渦中にある人は、日常が忙しく他人に構う必要などないからだ。

トークショーが終わり、鳥羽さんと中川さんに娘は手書きの名刺を渡した。

娘と鳥羽さん

「こんな反骨心のある子がいるんですね。大物になりますよ。」と鳥羽さんに褒められて私は喜んだ。

「まぁ、不登校もあって…」と漏らすと
鳥羽さんが
「不登校は表現ですから」

その言葉に尽きるのだと思う。

会場内の人たちは、SNSではない。
現実にいて、即座に反応する。

明日お誕生日だと言う人におめでとう!と言いあい、BTSを深さを感じながら。

京都に戻った。

BTSも勿論大好きだが、鳥羽さんのおやときどき、こどもや他の作品に出会うことがなければ
きっと娘はこんな子にはならなかった。

この場を借りて、鳥羽さんに感謝の意を!

なんでも嬉しいお年頃です!よろしくお願いいたします🙇