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弾丸ふじさんツアー

発端は、2年前のとある日。職場にて。
職場でとある方が「誰か富士山のぼらんー?」と大きな声でおっしゃったので、
「行きたいですー」と大声で返したのが、私。

それまでお茶すらご一緒したことない方、というか立派な管理職さまなんですけれども、トントン拍子で話が進んでツアーに申し込むことに。
登山グッズは、靴は買って、あとは友人に借りれることになった。感謝感謝。

ところがツアー参戦数日前に職場の方から連絡が入り、コロナになったから参加できない、とのこと。キャンセル料は払います、と。あらまぁ残念。
一般的にはこの場合どういう判断する方が多いんやろ?
私ですか?「あ、じゃあひとりで行ってきますー」

一泊二日で、朝6時になんば発、夕方から登山、午前中に下山、昼前から五合目発、なんば着は夜。そこそこ、いやめちゃくちゃタイトなスケジュール。
しかも、そのときは雨で八合目までしか行けなかった。天候は仕方ない。でもせっかく行ったのになぁ。

二年前の私「じゃあもっかい行けばよくない?」

その夏のうちに同じツアーに参加するという謎の行動力を発動し、またもやひとりで参戦した。
結果、御来光を見ることができた。

御来光はね、あのときの御来光はね、それはそれは美しいものですよ。そりゃあね。
これが絶景というものかと。これは文句なしの絶景だわと。こんなものをみることができて本当に幸せだと。
一生の思い出ツアーとなった。

で、味をしめた去年の私、三たびツアーに申し込むこととする。しかも、またひとりである。
が、そううまくいく話でもないようで、去年はなんと大雹に出会った。
雨具を着ていても、下を向いていても口の中に雹が入ってくる。ばばばばば、音も勢いも激しい。八合目の山小屋まであと少しですよー、というガイドさんの声掛けのもと、なんとか足を進めた。

濡れると何かと面倒である。
山小屋で仮眠をとってまた出発する。結局山頂には行けなかったけど、下山しなければならない。
服は?靴は?荷物は?当然濡れたままである。
幸い下山のときは天気は回復してくれたけど、さすがに体力はだいぶ奪われていたようで、後から体調を崩してしまった。

さて、今年はどうしよう。
うーん天気わからんしなーしんどいしなーひとりやからなーうーん。
とりあえず申し込むかー。

去年ぶりに引っ張り出すリュック、なんばのOCATってどうやって行くんやっけ。
ひたすらバス。行きは寝れるんだよなー。
五合目の時点でだいぶ涼しい。今回のツアーは48人、多いな。あれが今年からできたゲートか。
眼下に拡がる雲。陽が傾くにつれ暗くなる。遠くなる。地上からはみられない景色。
七合目からはじまる岩場。しんどいとはいえ、雨とか雹にくらべたらラクなもんである。
よくしゃべる学生たち。よく高所恐怖症やのに登山しにきたねぇ?
ドン、ドン、と音がする。雷か?と思ったけど、どうやら花火らしい。2年前にもあったなぁ。
途中まで雲に隠れて見えなかったけど、しばらくすると雲が切れてみることができた。おぉー、と声が重なり合う。
今年は七合目の山小屋にお世話になる。これまでは八合目まで登ってたな。
え、カレーおかわりできるんですか?食べられるときに食べねば。おかわり大で、と言ったら周りのひとにちょっと笑われた。解せぬ。(笑)
3時間の仮眠タイム。横になれば疲れていることを自覚する。ただ睡眠時間が短いことには慣れている。起床の呼び出しの前にすでに起きていた。
あー、でもこれからまだ岩場つづくのか。この状態で登るのしんどいなぁ。八合目からのが良かったかも。

深夜からの再出発。山小屋とか、登山の方たちのヘッドライトで意外と明るい。岩場であまり余裕はないけれど、ふと見上げると。星が近い。星が、多いなぁ。オリオン座が目立たない。星って普段ぜんぜんみれないよなぁ。
綺麗な三日月さんのお出まし、少しずつ白んでいく空、歩くたび、みるたび変わる景色。今が一番良い、がどんどん更新されていく。しんどいと思ったら空をみる。
山頂には間に合わず、でも無事御来光を拝むことができた。2度目の御来光。そして何にも喩えようのない美しい雲海。本当に海のような、でも海でない、綿菓子でもない。何でしょうねこの質感。綺麗やなぁ。
刻一刻と姿を変える、でも今そこにある、ここでしかみれない、今だけの景色。

下山。陽がのぼって、雲が少しずつ晴れてきて、景色は申し分ない。
が、7時半を越えると急に暑くなってきた。陽射しが容赦ない。一枚、また一枚と脱いでいく。サングラスは必須アイテム。
足もとは砂。非常に滑りやすいし、靴にどさどさ砂が入ってくる。バランスをくずす、なんとかこけまいと踏ん張る。
ふと下をみると、いつのまにか田んぼがみえていて、湖があって。緑が素晴らしい。
おっと、また滑った。あぶないあぶない。

時折靴を脱いで砂をばらばらと出しながら、無事五合目まで降りてきた。昨日の夜にはいなかったお馬さん。名簿に下山のチェックをつけて、ここからがお楽しみタイム。コーヒーを飲んだりお土産をみたり。実際には買わなくとも、見てるだけで楽しい。

帰り。食事、お風呂を経てまた長いバス旅だが、あまりゆっくりできず、帰りのバスはあまり寝られず、このときはしんどいなぁ、と思う。そりゃそうか。

なんばについて、荷物を持って電車へ。
あっつい。暑すぎる。最寄駅から歩く微妙な距離がとてつもなく長い。
今年は履き替えるサンダルを持ってきていた。これは正解やったな。無事帰宅。

一泊二日でこのスケジュールはやはりしんどい。
もうちょっとゆっくりしたいし、他のルートも気になる。そもそも別に富士山でなくてもよいのだが。まぁそのへんは来年の私に委ねるとして。

写真は私的今回のベストショット。
月が朝を連れてきた。みたいな?

今回も良い思い出となった。
ありがとうございました🗻