愛を伝えたいだとか

性愛的な意味で人を10年愛したことがない。
わたしには無理な話というだけで、もちろんそれができている人はいる。
同い年の友人が10年連れ添ったパートナーと子ども作って暖かい家庭を築いていますみたいなご報告を頂く度に「わたしには到底できないことだな」と別世界の映画を眺めるような気分になる。
そういったことに憧れ、目指していた時期もあったけど、性分に合わないことは長続きしない。

だからわたしは今のうちにあなたに好きだって伝えるようにした。
人は死ぬ。若かろうが春だろうが約束があろうが。
人は遠くに行く。突然、あるはゆっくりと、また気づかないうちに。
人の気持ちは変わる。愛と憎しみが裏表にあるなら、それがひっくり返らない今のうちにいい思い出だったことにしよう。

言葉にするって簡単なのよ。
行動することが何より難しい。会いに行くこと、愛しつづけること、また誠実な態度であったり、嘘を隠し通すことなど。
人間なんて矛盾した気持ちを抱える生き物だから矛盾した行動をとるし、気持ちが移り変わる生き物だから前とやってることがわかってしまう。
大人になったらある程度取り繕える理性があるけど、やっぱり愛に纏わる行動は難しい。
意図しない行動にきっと傷つけられるかもしれないし、わたしが加害者になるかもしれない。
だから言うは易しの「愛してる」って言葉に頼るのよ。
いい言葉。
シンプルだから綺麗事でもなく、今なら嘘じゃない。

こんなことは常々思っておりますが、わたしは酒を飲んでハッピーになった時にしかなかなか愛してるってあなたに伝えられないので、もうちょっと素直に生きたいなと思います。
もうちょっと無責任に愛をばらまきたい。

10年先まで約束はできないけど、明日の約束はできる。
明日はたぶん生きてるし、気持ちも変わっていない。あなたもそうだと嬉しい。
あなたに会いたいわ。お元気で。愛してるよ。

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