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ベトナム航空のフライトマップに、撃沈された阿波丸の表記

航空会社によっては、フライトマップの「日本海」表記を自粛することもあったりするご時世のようですが、ベトナム航空は、驚くべき表記をしていました。日本人としてはありがたいお話です。

成田からホーチミンに向かう飛行機に搭乗中に気づきました。ベトナム航空のフライトマップでは台北すら表記してないのに、台湾沖合でアメリカにより撃沈された阿波丸1945年の表記があります。

ベトナム航空のフライトマップ

日米間の協定で安全航行を保障されていた非武装、緑十字の阿波丸は、太平洋戦争中の1945年4月1日にシンガポールから日本へ向けて航行中、アメリカ海軍の潜水艦クイーンフィッシュの雷撃により撃沈され、民間人を中心とした2,000名以上の乗客乗員のほとんどが死亡しました。阿波丸は病院船に準じた保護(安導権、Safe-Conduct)が認められており、アメリカ政府も非を認めましたが、戦後有償食糧援助の借款の棒引きと引き換えに、日本は賠償請求権を放棄しました。この事件を題材として作られたのが、浅田次郎さんの「シェエラザード」です。

地名ですらないこの阿波丸の沈没場所を表記する意図は、やはりアメリカに対する批判なのでしょうか。フランス、アメリカ、中国を追い返したベトナムの自負心を感じます。このような表記をしたその経緯について、いつかベトナム航空の方に教えていただきたいものです。

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