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note更新終了のお知らせと、note株式会社の対応についての私見

お久しぶりです。
久しぶりの更新がこんな内容になってしまうのがなんともですが、タイトルの通りnoteの利用を終了することにしました。後日移行先などの告知記事を投稿し、それをもって更新終了とします。また公開中の記事も、この記事と次回投稿予定の告知記事以外のものは今週中を目途に削除します。【←11/9削除しました】

また私の今後の方針として、
・有料記事の購入
・クリエイターサポート
・cakesへの有料会員登録
といったnote株式会社と直接金銭のやりとりが発生する行為も行いません。
それに伴い、私へのサポート機能も停止いたしました。

noteの利用停止を決めるに至った大きな理由は最近のあの炎上ではなく、もう少し前のこちらですね。

2020/8/14に発覚したIPアドレス漏れの報告記事について、

なお、一般的なIPアドレスから、個人情報を特定することはできません。

と報告文の2行目に挿入してくるスタイルといい、

今回の不具合により、名誉毀損などの被害をこうむったクリエイターに対しては、ご本人と連携して法的措置を含めてnote社がサポートいたします。

という、漏洩させたのはnote側であるというのになんとなく被害者側に自分たちを寄せていこうとしているように見えるスタイルといい、日ごろ言葉を用いる場を提供する人たちがこんなにも言葉に無頓着なふるまいをするのかと一気に不信感が湧き、また漏洩の実態もわからないことから、しばらく記事投稿を控えておりました。

言葉に無頓着ということはその先にいる相手に対しても無頓着ととらえられてもおかしくありません。この第一報について、noteの社長もCXOもTwitterにて上記引用部分を強調していらしたので、「社内で対応を協議した結果初っ端でアナウンスするべき内容がこれになった」ということだろうと思いますし、謝罪文としてこれでいいと思ってしまう社内状況がそもそもどうなのかと思わざるを得ませんでした。

その後最終報と思われる報告がありましたが、こちらにも明確な原因説明と呼べる文言がなく、またいつから漏洩していたかの説明もありませんでした。

またこの記事内で

セキュリティ強化策として万全を期すため、対記事ページのAPIレスポンスから、下記不要情報の一括削除を実施しました。
・SNSアカウントを連携させていた場合の、利用者のSNSアカウントのユーザーIDや登録名 ※
・下書き保存している記事数 など

という説明があります。こちらはIPアドレス漏洩が発覚した時点で「IPアドレス以外にも漏れている」とユーザーや第三者から指摘があった内容なのですが、最終報でも漏洩とはっきり認める書き方にはなっていませんでした。
あと「など」って何でしょうね。「など」って。

8/14の段階で私がnoteへ登録している情報を書き換えたものの、IPアドレス以外に何が漏れているかわかったものではない状況から「信用ならぬ」と記事投稿のモチベーションもなくなり、そのまま調査報告を待って出てきたものもまた不信感を拭えるものではなかったことから、

「よし、noteやめるか」

となったわけです。


その後しばらく移行先を探し、ようやく腰を据える場所を決めたタイミングで次の炎上がありました。

今度は同じくnoteが運営しているcakesの記事ですね。詳細はもうご存じの方も多いかと思いますが、平たく言えば幡野さんの人生相談連載で幡野さんがDVについての内容を相談してきた相談者を徹頭徹尾「嘘つき」とつるし上げ、cakes編集部や幡野さんの周囲の人々も幡野さんの回答に便乗、個人が集団に「攻撃」されるという状況が発生しました。

ネットは日々いろいろな人物や事象が炎上していますが、今回のケースは明確な個人が明確な集団(しかも影響力に圧倒的な差がある)から攻撃を受けるものであり、それは個人の相談内容が「嘘」であるという誤認に基づくものでありながら多数がそれを支持し、ネット上で発言力があるといえる人々が攻撃に加わりつつ回答者を持ち上げるという、個人の尊厳を犠牲にしつつ集団の「馴れ合い」を高めていく姿がリアルタイムで目の前に広がるというもので、なんともグロテスクな光景でした。
これを良しとするものを私はとてもじゃないですが支持できません。

その後該当記事は削除され、幡野さんおよびcakes編集部から複数回にわたりお詫びが掲載されています。

元記事の跡地に投稿された幡野さんの謝罪文についても、様々な方が色々な視点から意見を述べられていて、確かに突っ込みどころもありますし、回答者が相談者から「赦し」を得(た気にな)るあたりは実際のDV被害でも見られる姿のようでまたしてもうすら寒いものを感じたりもしたのですが、幡野さんがDVについて認識が不足していたという点を信じ、今できる限りの謝罪をしたと認識しております。ここが幡野さんにとってのスタート地点なので、今後DVについて学ばれるなかでどう変化していくのかが大事だと思っています。

そしてとりわけ私が見過ごせぬと思ったのはcakes編集部の言動です。編集部は記事を世に出すべきかたちにするチェック機能としての存在がとても大事だと個人的には思っているのですが、今回はどうでしょう、幡野さんの嘘つき呼ばわりかつ攻撃的な記事にブレーキをかけるどころか、同じ方向を向いて相談者を嘘つき扱いし、火に油を注ぐふるまいをしていました。

特に気になったのが、cakes編集部がTwitterでリツイートした投稿です。
元投稿を貼るのは気が引けるので引用だけしておきます。

これ、ツイッター読解力検定やな。
ツイフェミ達は多分、この手口を熟知し無意識のうちに使いこなしてる。しっかりと嘘松鑑定力を身に着けていきたいね。

このような意見を拾って公式Twitterでリツイートする必要ありますかね?

「嘘つき」と認定したうえにこのような第三者の意見をリツイートして、相談者への攻撃を加速させようとしているように見えます。あのような記事を世に出してしまっただけでもメディアとして猛省すべきなのに、さらに攻撃に加担したともなればもう、何を考えてそんなことになったのか徹底的に説明していただかないと話になりません。

ネット上で発言力を持つ人たち、メディアという「強い言葉」を持つ人たちが、強い声を持たない、たかが個人の若い女性にここまで攻撃を加え晒し上げる理由ってなんなのでしょう。さらに言えば「ツイフェミ」と呼ばれる方々にまで攻撃の矛先を向けていますが、さらに攻撃範囲を広げようとするその姿勢はいったい何なのでしょうか。

幡野さんもcakes編集部も謝罪しましたが、その内容は「DVについての認識不足」という点が大きく取り上げられています。今後はDVや差別についての認識を深めていく方針であるとのこと。しかし私はそれだけで問題が解決するようには見えないのです。

認識不足・無知といえばまだイノセントな立場でいられるかもしれませんが、認識不足の人は個人の訴えを「嘘」と一蹴するのでしょうか。「こいつは嘘つきだ」と衆目に晒し上げるのでしょうか。人生相談には毎週多くの相談が寄せられているとのことですが、そのたくさんの相談を脇に置いて「嘘つき」に長文を書くエネルギーを割いて「攻撃」するのでしょうか。

そして認識不足だったら、記事のバランスをとる立場を放り捨てて「攻撃」に加担するものなのでしょうか。「ツイフェミ」というある思想や属性の立場の人たちを貶めるためにつかわれている言葉を用いたツイートをさらに衆目に触れさせようとするのでしょうか。
(これは「ツイフェミ」だからという問題ではなく、「ツイフェミ」を「ネトウヨ」でも「パヨク」でも何に置き換えてもいいのですが、ネット上で蔑称として利用されているスラングを公式でリツイートするという点で言葉への認識が足りないと思っております)

すでに多くの方が指摘している通りですが、DVの認識はもとより「そもそもなんでこの相談に答えちゃったんだろう」「なんで攻撃しちゃったんだろう」というところがこの炎上の肝だと私は思っています。このような相談者の晒し上げ・攻撃につながったのは「認識不足」ではなく、もっと別の、他の方々が加虐心とか加害性とかミソジニーと呼ぶようなもの、私は単純に「悪意」と呼びますが、それがあったためだと思っています。

悪意は悪意として意識されるうちはまだマシで、無意識に出てくるものが恐ろしい、これは差別とも同様です。そして幡野さんも編集部も、この悪意の存在について、認識していないのか意図的に言及していないのかわかりませんが、謝罪文のうちに触れることはありませんでした。

この炎上に加担した方々が、己の内にあるこの悪意なるものについて真剣に向き合わなければ、また違うかたちで同じ問題が起こると思います。そして現状のcakesでは問題の根が消えたとも思いません。いくら謝ろうと、そもそもちゃんとしていたらこんなことは起きえなかった、それだけの話なのですから。

誠実に謝った、やっぱりやさしい人だ、といっても、そもそもやさしかったらよく知らない他人を激しく嘘つき呼ばわりしませんし、誠実だったら「嘘」を晒し上げたりもしません。起こるべきでないことがこのようなグロテスクなかたちで起こってしまったことについて、ストップをかけられる立場(いや、かけるべき立場ですね)のcakes編集部が本来の責務を放棄し積極的に攻撃に加担した点については到底許容できるものではなく、やっぱり私は「いよいよ本気で信用ならぬ」という気持ちでおります。


この炎上に際して個人がnoteをやめるかどうか、いろいろな意見をお見かけします。やはり個人は個人なので、自分の好きにするのがいちばんいいかなと思いますが、ひとつだけ、自分の気持ちに反する決定はしないというのが大事であると思っています。
私の場合はnoteに対して、先のIPアドレス漏洩のアナウンス対応および今回の炎上で「noteは言葉で二度転んだ。しかもこの短期間に」という印象が非常に強いので、ツーアウト挽回なしかなと。言葉を用いて社会活動をしている立場でありながら二度も言葉のつかい方を誤ったとなれば、さすがに仏より前に見切りをつけざるをえません。

私は記事投稿ペースが非常にのろいのでそんなに投稿数もありませんし、有料マガジンもなくnoteに生殺与奪の権を握られているわけでもないので移行するとなれば身軽です。身軽なればどこに記事を書いてもいいわけで、となると「私のかわいい記事たちをnoteに置きたくないなぁ」という気持ちに従うことにします。

人間は全知全能ではないので、「やさしく」できる範囲には限りがあります。万人が万人に対して寛容でいられるわけもなく、意識的に人を攻撃したり、意図せず他人を傷つけたり、そんなことは生きていれば山ほどあります。多種多様な人々に言葉が届くネットの世界に言葉を放つともなれば、言葉を振りかざすことで生きている人々はその言葉の向かう先について真剣になりすぎるくらい真剣になっていいと思いますが、cakes編集部にそのような姿勢が見られずこのような事態を引き起こしたこと、残念に思っています。

移行先について

移行先は決定していますが未整備で現在すっからかんです。あとタイトルが決まってません。のである程度ちゃんとでき次第お知らせします。
(noteはブログタイトル決めやカスタマイズの労力がいらないからよかったんですよね)
noteで公開していた記事についてはやっぱりnoteであるから書いたものですので、移行先には持っていきません。ここで公開終了となります。

11/22に文学フリマ東京を控えておりぜんぜん移行作業ができない気がしますが、文学フリマwebカタログに乗せたサイトアドレスがこのnoteなので、そのままにしておくのもまずいのでなるべくなんとかできれば…なんとかできなかったらすみません。後日別記事でお知らせします。

最後になりますが、今まで読んでくださった皆様、ここにたどり着いてくださった皆様、noteの中で楽しい思い出をくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました。noteでの楽しい思い出はそのままに、新たな場所でまたゆっくりと文章を書いていきます。
ご縁がありましたらまたお会いしましょう。