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塩の真実-②種類

◇岩塩と海塩

 塩は、大きく二種類に分けられます。

 岩塩海塩です。

 塩湖など自然に出来た塩もありますが、全体では1割未満の生産量ですので、ここでは岩塩と海塩について説明します。

 岩塩は古代、地殻変動により海底部分が隆起して大量の海水とともに地上に押し上げられ塩湖となり、その後、長い時間をかけて塩湖の水分が蒸発し、塩分を中心とした成分が結晶化して塩になったものです。自然に出来た塩です。

(岩塩の結晶:Wikipediaより引用)

 世界の岩塩の生産量は、塩全体の生産量の2/3を占めると言われており、世界で最も生産量・消費量が多いのが岩塩です。ただし、日本には岩塩は存在していません。不思議ですね。

 人間が使いだした塩は、自然に出来た岩塩が最初だったと推測されます。

 一方の海塩は、人工的に海水から造ったものです。世界の塩生産量の1/3を占めています。日本国内で生産される塩は全て海塩です。工業的な製法であるイオン交換膜法も海塩に含まれます

◇海塩の種類

 岩塩は自然に出来たものですから製法はありませんが、海塩には前記事①歴史でもご紹介したように、歴史とともにたくさんの製法が生まれてきました。以下、海塩の代表的な種類をご紹介します。

海塩は大きく二種類に分けられます。天日塩せんごう塩です。
 

1.天日塩


 塩田で海水を濃縮し、完全天日で結晶化したものです。塩田には遠浅の干潟のような立地条件が必要です。また、もっとも重要なのは気象条件として2、3カ月程度の乾季が必要なことです。天日で結晶化させるため、結晶化中に雨が降ると善い塩にならないからです。日本には乾季がないため完全な天日塩は存在しないと言えます。
 世界で天日塩が盛んな場所は、オーストラリア、メキシコ、韓国です。

メキシコ(ゲレロネグロ塩田):たばこと塩の博物館様のサイトから転載

2.せんごう塩


 「せんごう(煎熬)」とは、煮詰めることです。天日塩が不可能な国内では、塩分濃度を高くした海水を煮詰めることで塩の結晶化を行ってきました。岩塩もなく、天日塩も不可能な日本では、世界で最もせんごう製法が発展した国でもあります。

せんごうの様子::たばこと塩の博物館様のサイトから転載

 せんごう塩は、最終的に平釜方式で煮詰めることが多いのですが、煮詰める前の段階での製塩法(かん水を作る方法)が大きく異なります。従いまして、せんごう塩は、さらに次のように分類されます。

  • 平釜方式
     国内の小規模な製塩業者間で、現在最も多く行われている手工業的な製塩法です。
     濃縮した海水(かん水)を大きな釜に入れて、水分が蒸発して塩が結晶化するまで数日かけて煮詰めます。
     なお、オーストラリアやメキシコの天日塩を輸入して、再度水に溶かしてから平釜方式で煮詰めて製塩している国内製塩業者も存在しています。

  • 揚浜式
     
    7世紀頃に発明された日本独自の製法。
     海面より高所に設けた塩田に海水を汲み揚げ砂に撒き、濃縮されたかん水を作って、前述の平釜方式で煮詰めて塩を結晶化させます。現在、能登地方等で少数ながら復活しています。

揚浜式:たばこと塩の博物館様のサイトから転載

・入浜式
 江戸時代以降、瀬戸内海を中心に行われてきた製法。入浜の塩田に海水を引き込み濃縮し、その後、平釜方式等で煮詰めて結晶化します。戦後の高度経済成長時に全ての入浜式塩田は廃止されました。
 現在は一部で試験的に行われているだけです。

入浜式:たばこと塩の博物館様のサイトから転載


  • 流下式
     塩田の代わりに立体的な板状の装置を利用してかん水を作る製法。
     ポンプを利用して汲み上げた海水を斜めに立てた板に流しながら日光によって塩分濃度を高めたかん水を作ります。集めたかん水は平釜方式等で煮詰めて塩にします。1970年代にイオン交換方式が発明される前は国内で一般的の製塩法でしたが、その後廃止されました。塩の自由化後、一部の製塩業者が復活させています。

流化式:たばこと塩の博物館様のサイトから転載


3.イオン交換膜法

 大規模な工業的製塩法ですが、海水からかん水を作りだす点では前述のせんごう塩製法となんら変わりはありません。 
 浸透膜で塩成分を分離し濃縮した後、せんごう方法のように平釜を使って煮詰めるのではなく、真空式蒸発缶で短時間で煮詰められ水分を蒸発させて結晶化します。
 ただし、にがり成分の分離に遠心分離機を利用するためNaClの純度が高くなり、他のミネラル成分がほとんど含まれない点が他の製塩法と異なります。
 日本で発明され1970年頃から実用化され、現在では他の先進国でも使用されており、国内では食塩の8割程度のシェアを占めています


イオン交換膜法:たばこと塩の博物館様のサイトから転載

※参照 せんごうの発達(たばこと塩の博物館様サイト)

 以上が塩の種類でした。

 最後までお読みいただきありがとうございました。次回に続きます。

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