中標津探求LAB 第一回ミーティングを終えて

子どもたちに探求的な学びを実感してほしいという趣旨のもと設立した「中標津探求LAB」の第一回ミーティングが本日ありました。

「中標津探求LAB」の準備段階からミーティングの様子までを含めて、気付いたことをまとめておこうと思います。


1.第一回ミーティングの概要

今回は保護者説明会として位置付けていましたが、参加希望者が昨年度参加した生徒のみということで、説明は簡潔に、第一回顔合わせとミーティングを行いました。

(1)ミーティングの参加者

・対面:中学生2名、保護者2名、運営1名 オンライン:大学生3名、大学の先生1名、運営1名 計:10名

(2)ミーティングの内容

ミーティングは以下の内容で進めました。

①自己紹介
②会の説明
・昨年との違い、同じところ、任意団体について
③今後に向けて
・人数は増やすか、テーマを何にするか、どれくらいのスパンで集まるか、いつから始めるか

「今後に向けて」では、「様々な魚をトバにしてみたい」「祭りに参加して出店を開きたい」「小さくてもいいから色々なイベントを開いていきたい」「それぞれの出身地のご当地の文化に触れられる機会を作りたい」など様々な考えが出ました。

2.準備段階から気付いたこと

(1)一人では難しい。協力者の存在の有難さ

「中標津探求LAB」という学びの場を作るために様々な準備をしてきました。その一つ一つが、何かを進めれば次の課題が出てきて…という状況で、色々な人に助けてもらうことで、実行に辿り着くことができました(行った準備の概要は以下)。
・組織の目的、仕組みを考える
・任意団体の立ち上げ
・募集チラシ作り
・活動拠点となる場所の確保
等等

去年参加した保護者の方が、「保護者ではなくて、一大人として協力したいです」と言ってくださり、保護者目線で相談に乗ってくださったり、連絡調整をしてくださったりしました。

場所決めの際には、児童館の方が相談に乗ってくださり、役場ともつないでくださったお陰で、拠点となる場所を借りられることになりました。

「全くどうしていいか分からない」という状況であったにも関わらず、任意団体の立ち上げをすることが出来たのは、NPO法人立ち上げのプロが相談に乗ってくだったからです。

地域の中でどのように活動していくのかということについては、地域の中で様々な人をつなぐコーディネーターとしての役割を果たしてくださっている方が力を貸してくれました。

そして共同代表に名乗り出てくれた大学の同期には、いつも相談し、様々な角度から意見を言ってくれるので、有難いです。

このように、人とのつながりの中で助けられ、今回の活動は成立しています。心からの感謝を申し上げます。

(2)地域のニーズと活動と実績

コーディネーターの方からつないでいただいた社会教育主事の方から、社会教育活動を行うにあたって、地域のニーズを知ることが大切ということを教えていただきました。

このことは今回準備を進めるにあたり痛切に感じています。

頑張ってチラシを作り、町内の小学校全てにチラシを配ったにも関わらず、参加希望者は0でした(昨年度に参加した中学生が2~3名参加してくれます)。この「探究的な学び」というもののイメージが子どもたち自身がもてなかった。ことに要因があるのかなと振り返っています。

地域のニーズに接続しない限り、いくら良いと思う活動を考え出しても、参加してもらえないんだなということを実感しました。

また、場所探しでは、「組織の実績」を問われているということも知ることができました。協賛を求めたり、共同の企画として行ってもらうためには、「何をする団体で、どのような効果があるのか」という具体的な形を示さないと相手も動けないんだなと感じました。

この「地域のニーズ」「実績」に共通して思うことは、『「地域のニーズ」と「実績」は作っていけるのではないか』ということです。

現在無いのであれば、活動を継続していけば、地域の方たちにその意味を理解していただき、「ニーズ」が生まれていくのではないかと考えています。それだけの学びの場を用意している自負はあります。

2.第一回ミーティングの様子から考えたこと

(1)学びが繋がる

今回のミーティングに参加した中学生は、昨年度の活動を踏まえて思考していました。学びが継続していることがわかりました。

「昨年度は大人たちに手伝ってもらう場面が多かったので、自分たちで活動を進めていきたい」「昨年、計画はしたけど、実行できなかった活動があるので、取り組んでみたい」など、子どもたちの声として聴くことができました。

この学びは、家庭生活、学校の学び、地域での学び、過去に学んできたこと等、様々なものにつながっていく可能性を秘めていると感じました。

(2)対話の大切さと面白さ

活動は基本的に、「大人も子ども(といったら中学生に失礼かもしれませんが)も対等に話し合う」ことを目指したと考えています。教え教えられる関係や与え与えられる関係ではなく、対等に一つのプロジェクトを深め、広げていく仲間としてありたいと考えています。

今回、生徒に「何をしたい?」と聞いたときに、
「色々な魚でトバを作りたい」「祭りで出店を開きたい」など、大学生と話した時に出なかったような発想がありました。

大人であろうが、子どもであろうが、一人一人がその人固有の経験や背景を背負って思考するので、一人一人の考え方自体が尊いのだと実感しました。
対等に対話することが出来れば、必ず内容は深まり、広がっていく。ここに上下の関係は必要ありません(むしろ阻害するのではないか)。

対話をする面白さと大切さを改めて感じた時間でした。

(3)教育と地域の関係について

学校教育では高学年で特に「地域の中で自分は何ができるか」という視点で授業が設定することがあります。この地域と教育という視点でも自分なりに考えが深まりました。

学校教育の実践を通して気付いたことですが、「地域のために」という第一目標を掲げると子どもたちは萎縮してしまうことがありました。今回の活動でもそこは強調せず、「やりたいことをやってみよう」としました。

「では地域にどのように還元されていくのか」というと、以下のことが出来ればそれだけで地域貢献になっているのではないかという想いに至りました。

・子どもたちが生き生きと学ぶこと
子どもが生き生きと地域の中で学んでいる事実が地域の中に存在していることがそもそも価値がある
・生き生きとプロジェクトを実行すること
プロジェクトの実行には地域の大人たちとの接続は不可欠です。必然的に地域との協働が生まれ、生き生き実行に向けて動いている組織と地域が繋がることに意味がある
・学びを通して「地域」という視点が生まれる
「地域」は子どもたちにとっては抽象度が高く、イメージしにくい存在なのではないかと思います。しかし、活動を通して「地域の姿」に具体的に関わっていくことで、子どもたちの「地域像」は鮮明になり、「この地域で何をしたいか。何が出来るか」を考えられるようになると考えています。

「地域に生きる実感」は具体的関係性を通さないことには生まれないのではないでしょうか。

3.終わりに

今回のミーティングを通して、一人一人が様々な可能性を感じ、わくわく感を共有することが出来たのではないでしょうか。

わくわくしながら、何かを生み出していく。その過程で様々なことを思考し、学び、実行可能に近づいていく。
学びの在り方としてこの上ない状況ではないでしょうか。

今後も対話を通して、大人も含めた一人一人が、より創造的に、より深く、より学びの主体として存在できる組織となっていけたらと考えています。
応援よろしくお願いします。

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