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雨の日の独り言

「雨の日を楽しめる大人になりなさい」 

あれは中学か高校生の頃だったか..。
まだこれから。
の私に "ポツリ” と
その言葉を置いていった本人は、
記憶にないらしく忘れたそうだ。 

シンプルとは、とても複雑なもの。

そしてとても繊細なもの。
感覚的に掴む、抽象的なもの。
その言葉は、今でも大切に生き続けている。

きっとその瞬間に父が掴んだ感覚なのだろうか。

言葉というものは、空気の様に沢山飛び交っている。
吹き掛けるように吐いても
見えない空気の様なもの。
色々な方法と様々なカタチで宿る時もあれば、
自らその言葉を宿す時もある。

キレイな円を届けたはずでも、
言葉というものは時に残酷で
受け取り方により綺麗な円を描けていない時もある。

不格好なカタチで届いてしまったりもする。

届けたつもりで、届いていない時もある。

故意的に歪なカタチで届く様にと強くぶつけてしまう時もある。
言葉は、とても軽くてとても重い。
無意識的に行う深呼吸の様なもの。
大きな交差点で人々がすれ違ったり
時にぶつかってしまう様に。

すれ違ったり、交差してみたり。
手繰りせるのは、いつも自分の手の中にある。
出来ることならば美しく言葉を残し誰かの何かに宿ってくれたら良いと思う。

お守りのように。

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