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TM NETWORK TOUR 2022 "FANKS intelligence Days" Day8 inぴあアリーナMM

1984年夏、「1974」に心を奪われた16歳の冴えない道産子女子高生。

あれから38年後の2022年、9月3日。
TM NETWORKをずっと追い続けていた私は、横浜みなとみらい、ぴあアリーナMMのスタンド席に座っていました。

この時点でもう泣きそうです

どこを良席とするかは人それぞれかと思うのですが、私にとって2階スタンド後方はまごうことなき良席です。ステージだけじゃなく会場全体が見渡せること、そしてPA卓が見えること。光るリンゴが並んでいるのを見るだけで、もう嬉しい。

ステージは、後ろに大きなLEDモニターがあって、左右にはそれよりも小さなモニター。そしてドラムセットが……2つ?一番手前左側に多分小室さんのシンセブース、右側にも、こちらは木根さんのだと思うシンセ。
深い藍色の照明に照らされていて、これは深海……じゃない、空と雲、宇宙、かな。

開演の少し前、場内アナウンスが入ります。
新型コロナウイルス感染症に関する諸注意、そして撮影に関する諸注意など。今は「COCOA」の関係で、マナーモードにするだけで電源を切らせないんだなあ、と思っていたら

「潜伏者からの指示があった場合はこの限りではありません」

さらに続けて

「スマートフォンは取り出しやすい位置においておくことをお勧めします」

取り出しやすい、とは???
これは、ということは、まさかの撮影可能タイムがあるってこと!!!!!
この時はまだ、終演後にステージセットを撮影させてもらえるのかな、くらいの認識しかなかったのですが、ともかく上着のポケットにスマートフォンを忍ばせました。潜伏者からの指示でポケットからスッとカメラを取り出すとか、極秘ミッションみたいでワクワクします。
始まる前からこんな風に世界観に引き込んでいくスタイルはさすがだな、と思いました。

素晴らしいことに、開演時間ほぼぴったりにライブが始まりました。
一瞬体がすくんでしまう程の音圧に驚きながら、立ち上がる事もできずにただ目の前の光景を焼き付けたくて、必死にステージに目を凝らしました。
いつ3人が出てくるんだろう、その瞬間は見逃したくありません。
(近眼且つ老眼なのにオペラグラスを忘れるという失態)

オープニング「Overture」LEDモニタに映し出される映像のクオリティが素晴らしいと思いました。キーアイテムでもあるバトンの描写、動き、空間だけでなく次元も超えているのではないかと思わせるような演出、カメラワーク、何もかもが「大好き」で心が躍ります。

2曲目のタイトルでもある真っ赤な「Please Heal The World」の文字、赤い色にする事は警告なのか、単に強調表示の意味だけだとは思えなくて、想像(というか妄想)が膨らみます。

ここで3人がステージに登場して「あの夏を忘れない」「Be Together」「8月の長い夜」。ファーストアルバムからの曲が選ばれていることに驚きつつ、何年経っても変わらない宇都宮さんの歌声で、地球を離れた俯瞰視点から一気に夏の横浜、現実に引き戻される感覚、そこでようやく席を立つことが出来ました。ああ音楽にのって体を動かしてもいいんだった、ライブなんだから当然です。ペンライトは買えなかったけど、大きく手を動かす勇気はないけれど、自分なりにこの時間を楽しまないと。

「We are starting over」は安定の木根バラ、そして歌詞の中には小室みつ子さんが描く凛とした女の子。この組み合わせが好きすぎて泣きそうになりながら聴いていました。

シンプルなメンバー紹介があって、ステージ上には木根さんとサポートメンバーの小野かほりさんが残ります。
曲が「LOVE TRAIN」だとわかったのって、ギターの音をどのくらい重ねてからだったのか、結構早い段階で気付けた……はず。
サポートメンバーが加わったのがDay8からだったというのは後で知ったのですが、ギターとパーカッションの掛け合いが本当に気持ち良くて、最高でした。

木根さんのソロパートが終わると、また現実から少し足を離すような曲が続いていきます。幻想的なCGと共に歌われた、アレンジが原曲寄りだった気がする「Beyond the time」、ドラムとパーカッションが強調された「KISS YOU」、そして「How Crash?」、さらに小室さんのソロパート。
小室さんのソロは大音量でヘッドフォンをして音に体を沈めるみたいな気持ちで聴きたいと、いつも思ってしまいます。
円盤化されることがあったら、絶対にそうやって聴きます。

「Get Wild」はいつのどのバージョンも、聴くたびに「これが優勝!」だと思っているのですが、つまり全部最高なのですが、今回もやっぱり優勝です。

アレンジに驚いた「We Love The Earth」、これはどの曲にも言えることなのかもしれないけれど、古い曲も新しい曲も、ちゃんと今(もしくは未来)の空気を違和感なく纏っている、それは本当にすごいことだと思います。

「Self Control」はみんなで人差し指を上に掲げるのが壮観でした。これが一番見てみたかったと言っても過言ではありません。ペンライトがもっと行き渡っていたら、もっと綺麗だったなあと思ったので、次の時は、どうにか。

「Dystopia」からの「Time To Count Down」、国同士の争いである戦争は過去の話ではないし、そういう枠組みとは別のところでの争い事も今はまだ無くならないし、未知のウイルスや異常気象はこれからも何度も人類を脅かす可能性がある、インターネットの網の中には溢れるほど情報がありすぎて、油断すると流されてしまいそうになる、今をどうするのか、これからどうすべきなのか、よく考えて実行し続けないといけないんだと、歌詞が、音が、映像が訴えてくるような。

現実から足を離すような、というのは少し正確ではなくて、現実にいながら、今よりも視野を広げていく感じの方が近かったかもしれません。

曲に合わせてのカウントダウンが0になって始まった「I am 」もメッセージ性が強い歌詞で、宇都宮さんの声は昔のように大きく動きながら歌わない分、ストレートに力強く響きます。逆に私たちは声を出せない分、大きく手を振っていたけれど、お互いに響き合うことができていたのではないかと。
少しは私も勇気を出せたかな。
それから忘れてはいけない、この曲で小室さんがショルキーじゃなかった黒のTetsuya'sMind Controlを持ってキーボードブースから私たちのいる側に来てくれたのは嬉しすぎました……もっと見たかった……

最後の曲は、宇宙から始まって地球に立って終わる、「Fool On  The Planet」でした。
そしてこの後、左右のモニタに映し出されたのが

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ステージ上にはまだ3人がいます。
ということは3人の姿も収めていいということ!
サッと、というわけにはいきませんでしたが、もたもたとスマートフォンを取り出して撮影したのが、こちら↓になります。

宝物にします

追いかけるスピードを緩めてしまったことも、後ろを振り返ってしまったことも、追いかけるのを諦めかけたこともあったけれど、それでも追うことそのものをやめてしまわなくてよかったです。

38年前の、16歳の自分に言ってあげたい、あなたはこの先40年経ってもこの人たちを追いかけ続けているんだよ、信じられる?すごいことだよ!

Day9最後のメッセージ、Day10は40周年に関係があることなのだと予想しながら、私自身も潜伏者の一人として、また素敵な金色の夢を見せてもらえることを楽しみに待ちたいと思います。




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