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【素材・造形1】真空成形


○真空成形(Vacuum Forming)とは


真空成形とは、熱して軟らかくしたシート状の薄い樹脂を原型に押し当て、シートと原型の間の空気を抜いて真空状態にすることで密着させて形作る加工方法のことです。

身近な例

真空成形はプラスチック製品の加工に多く使用されています。

・卵のパック
・コンビニ弁当のプレート
・自動車のフロントバンパー、ヘッドライト
・自動販売機のドリンクサンプル など

真空成形のメリットとデメリット

〈メリット〉
・何個も同じ形で作ることができる
・短い時間で加工することができる

〈デメリット〉
・どこに材料を置くかで仕上がりが異なる
・場所によって厚さ、伸び具合が異なる
・材料のロスが多い

真空成形の樹脂の素材

今回使用したのはPET板です。

●PET(ポリエチレンテレフタラート)

〈特徴〉
・透明度が高い
・曲げに強い
・耐熱性に優れている

〈切断に使う道具〉
・はさみ
・カッターナイフ

〈穴あけに使う道具〉
・ポンチ

〈接着に使う道具〉
・プラスチック専用接着剤
・スプレーのり
・両面テープ
・溶着


他にも…

●PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)
●AES(アクリロニトリル エチレン プロピレン ジエン スチレン)
●PVC(塩化ビニル樹脂、塩ビ)
●PP(ポリプロピレン)
●PC(ポリカーボネート)
●PS(ポリスチレン)    などがあります!


原型の素材

今回使用したのはバルサ材です。

●バルサ材
バルサ材とは、バルサと呼ばれる木を板状または棒状に加工したものです。

〈特徴〉
・とても軽く、柔らかい
・耐久性がない

〈切断に使う道具〉
・はさみ
・カッターナイフ

〈削りに使う道具〉
・小刀
・クラフトナイフ
・ノミ
・彫刻刀
・紙やすり
・スポンジやすり
・布やすり


他にも…

●石膏、石粉、粘土
●樹脂(エポキシ)金属
●ケミカルウッド(人工材) などがあります!


○真空成形の方法


真空成形の注意点

・熱に強い、変形しにくい素材を使用する
・原型は取り外せる形でなければならない

上の図では、下に行くほど取り外しにくい形になっています


真空成形の手順


はじめに原型と樹脂を用意します。
今回はバルサ材とPET板を使用します。

図のクオリティが低いのは許してください

①PET板を木製のフレームに挟む
②PET板を加熱する(やわらかくなるまで)
③加熱したPET板を原型に押し当てる
④掃除機でPET板と原型の間の空気を抜く
⑤冷まして原型を取り外して完成!


完成したものがこちらです。

今回は真空成形という技術、そして真空成形に向いている素材や数多くの注意点を学ぶことができました。今後の制作でも積極的に活用していきたいと思います。





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