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オンラインでできた初めての友達の話

昨日オンラインでの人付き合いが難しいって話を投稿したばかりの莢子です。

書いていて思い出したのですが、一方で幸せな交流ができた時期もあったので、再び消化のために書きます。


これは20年近く前の話です。
インターネットが普及し始めてはいたものの、でもまだSNSと呼べるものはなくて、前略プロフや2ちゃんねる全盛期で、iPhoneなんて影も形もなくて皆ガラケーを使っていたような気がします。

当時暇を持て余した子どもだった私は、自分でhtmlでホームページを作るのにハマっていました。
そして相互リンクをお互いのHPに貼って交流するなんていうのが流行っていました。

当時とある漫画が大好きだった私は、そのマンガに関する考察や、たまにへたくそなイラストを投稿するサイトを作っていました。
そこで出会ったのが愛美ちゃん(仮名)でした。

愛美ちゃんもまた、自分で作った同じマンガに関するサイトを持っていて、彼女のイラストは私のものより上手でした。
そして彼女はブログのような記事も上げていました。

彼女とは同じ作品が好きというだけで話題が尽きなかったのですが、さらには同い年で同性ということもあり
好きな漫画やお互いのイラストについて感想を述べつつ、プライベートなことも話していました。

幼い私が『ノルウェージャンフォレストキャット』という猫の種類を知ったのは、彼女が飼っていたからです。

お互いまだ子どもで、会うことなんて一生ないことをうすうす感じていたので、気楽だったのかもしれません。
この年頃の女子といえば、学校ではハブったりハブられたりとか、気の合わないクラスメイトとなんとかうまくやったりとか、意外とストレスが溜まるものです。

愛美ちゃんとのやりとりは、素のままの自分をさらけ出せました。
彼女の書くイラストも好きでした。

この時代、個人情報の保護とか、ネットリテラシーとか、そんな言葉もまだ意識が薄かったと思います。
そんな時代背景も手伝って、毎日のように交流していました。

そんな交流の終わりは覚えていませんが、お互いの進学なり成長の影響で自然消滅したんではないでしょうか。
少なくとも喧嘩や一方的な音信不通といったものではなかったと思います。

気付くと漫画やイラストに夢中だった私は、青春真っただ中にいてリアルな人間関係や部活やバイトに忙しくなりました。
きっとそれは愛美ちゃんも同じだったのではないでしょうか。


これまでオンライン上で彼女ほどピュアに友達になれた相手はいなかったし、これからもきっといないんだろうなと思います。

映画『STAND BY ME』で、12歳の時の友達はもう二度とできないという旨のセリフがありますが、それと似た感覚です。

あの時代背景と、ネット環境と、あの年齢という組み合わせだからこそ成立した交流だったのだろうなと思います。

今のSNSは当時のそれとは大きく違うし、あの頃のピュアさと情熱をもう私は1㎜も持ち合わせていません。

なんだかもう二度と会うことはないのに、思い出すとちょっと温かい気持ちになれます。
愛美ちゃん、ありがとう。

莢子



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