見出し画像

おせっかいなおばちゃんに救われる

ズンバ! ズンバ!
何を血迷ったか、南米の音楽に合わせて踊るらしいズンバに興味が出て踊りたくなる。ズンバとは何か、はっきり知らずに「なんかやりたい!」と思って数日。
近所の体育館でズンバ教室があるではないか!

在宅ワークで、肩こりがひどくなってきた最近。体を動かすことやらなくちゃとずーっと思っていた。
朝活のヨガ10分だけじゃ、到底足りない。
これでは、体力維持には程遠い。毎日30分も歩いてないが、運動は、楽しくなくちゃ続けられない。

近所といっても、どんな内容? どんな年齢層が来ている?
ネットでは何も情報を得られず、何もわからないけど、行ってみるしかない。

ちょっと早めに体育館に到着。
すると、「今日はみんな来るの遅いわね」と70代ぐらいの方に話しかけられた。え、こんな年齢の方でもできるんですか? じゃあ、私なんて若いほうと、50代の私が思う。
「私、初めてなんです。よろしくお願いします。ついていけるか心配で」と言うと、
「大丈夫よ。私なんか1年ぐらいやってるけど、ステップばらばらよ。楽しいからいいのよ。あ、券買った? お水持ってる?」

体育館の部屋に着くと、ラテンの軽やかな音楽が流れている。
わ~、心がウキウキする~と、浮かれていると、さっきのおばちゃんが、私を引き連れて、先生にも紹介してくれた。
さらに、「ここに来なさい」と、先生の前のスペースを指さす。
ええ、こんな前で?
「先生のステップ見えないと、困るでしょ? あと、お水はいつでも飲んだほうがいいわよ。喉乾くから」

ラテンの激しい音楽に合わせてズンバ教室が始まる。
先生から「あなた、エアロビのステップできる?」
私「できません」
先生「……そう」
わ~、ステップできないとついていけない?

先生は軽やかにステップを踏みながら、右に左に動いていく。
あのおばちゃんでさえ、完璧ではないけど、スムーズに動いている。
うぅ~。体がついていけない。
見よう見まねでよろよろと足を動かしているだけ。

だんだんステップも難しくなって、これに手の動きも合わせるなんて無理。
足がもつれながら1時間が終了。あぁ、明日は筋肉痛に違いない。
おばちゃんに「来週も来るでしょ? 来てよね?」と念を押された。そして、最後に「こんなに図々しくてごめんね」。

そんなことない。右も左もわからない私に、親切に話しかけてくれたおかげで、よれよれになりながらも孤独を感じなかったよ。

はるか昔にベビーカーを片手に、大きなバッグをもう一方に持ちながら子どもと一緒にバスや電車に乗った時を思い出す。私が逆にゆずってあげたくなるような、おばちゃん(いや、おばあちゃん)によく席をゆずってもらったっけ。

おせっかいおばちゃん、最高。それにしても、私のほうがクタクタ。おばちゃん、足取り軽かったな。70代になっても元気な人の秘訣を見た。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?