読書感想文 〜月の影・影の月を読んで〜

月の影 影の月を読んで

この物語を読み終わり、
私は自分の学生時代に妄想いていたことの全てが
ここに詰まっており、終始ニヤニヤしながら読んでいた。
みんなは一度でも
「授業中、突然知らないイケメンが私を探しにくる」
「授業中、急にヘリコプターが校庭に着陸し、
私を攫いにくる」
「今まで普通に接していた男子が、私に恋心を抱いており突然告白される」
「私がどこかの国の王、または姫で家来が授業中
私を迎えに来る」
みたいな事を、妄想したことは無いか?
私は大体こんなことを妄想して、
暇な授業をなんとしてでも楽しい時間に変えようと
しいていた。だから馬鹿なのである。
まあ要するに、思わずニヤついてしまうほど
この本はめちゃくちゃ私の心にヒットする、
質の良いSFファンネタジー物語なのだ。

内容で言うと
上巻…序盤からとんでもなく内容が暗く、
終始主人公の“未熟さ”で
次々と起こる非日常の出来事に「家に帰して(泣)」
「やだ(泣)」「怖い(泣)」
と終始拒絶している感じがして、主人公が
暗い気持ちになっていると読者側のコチラも
なんだか暗い気持ちになり、この物語を読み進めるか
不安になってしまってたが
この物語を読む前に、同一作者の「営繕かるかや怪異譚」「鬼談百景」や「残穢」を
既に読んでいたことで、作者への信用と作者が繰り広げる世界観に惹かれていたので
ギリギリ読めたのである。

「もう読むのやめようかな〜」と思っていた最中、
一気に面白くなっていったのは
終盤よりちょっと前に出てきた、同じ海客の宿屋の
老人からである。
(海客とは…ざっくり言うと別世界からきた人)

この老人をきっかけに色々散り積もっていた主人公は、
大覚醒する。悪い方向に。
そんなこんなでいつの間にか最初は剣を持つことさえも
恐れていた主人公が
上巻の終わりあたりで、剣を持つと
「んん〜、馴染む(大塚芳忠ボイス)」という
強キャラになっていた(そんなシーンはない)

上巻全272pをここまで読み終わるまでに
3時間かからないくらいだった。
本当に夢中になりながら読んだのが伺える。



下巻…上巻からの続きの作品。
上巻に比べて明るい方向に転換する場面が
多くなってくる。
明るい方へ方向転換にしてくれるのは、
序盤に出てくる半獣の「楽俊」のおかげである。
主人公は上巻の作中で、体もボロボロだし自分の命を 「貧しい命」と言ってしまうほど
精神が終わっていたのだが、
楽俊の主人公への慎重なコミュニケーションと
嘘偽りない絆により、なんとかお互いの壁を優しく
解せたのだった
何より!!!!楽俊の姿は半獣ということもあり、
モフモフなネズミさんなのである!!
やはりモフモフ!!!動物!!!
アニマルセラピー!!!!!人と人のキズは全て
モフモフで解決する!!!!!!!!
動物愛護団体もニッコリですね(ニッコリ
この楽俊は半獣ということで、実は人の姿にも
なれるんだがその姿がとても…良い。
私は坂口健太郎で想像してる。

それはさておき下巻では、なぜ主人公は異世界に
飛ばされたのか
なぜ主人公の命が狙われているのか、主人公は
何者なのか_____
次々と今まではっきりしてこなかった物事が
全て洗いざらい整理される。
ここで恐れ慄いて欲しいのだ、
下巻の最後の締めくくりの言葉に

「これが陽子にとっての、物語の始まりである。」

とある。そう、勘のいいガキのみんなにはわかると
思うがこれは序章、物語の始めなのである。
上巻272p +下巻253p  読破所要時間7時間

私は、12国記の序章を読んでいたのである。


おおおおおおおおい、序章ってのは、
冒頭の見開き2pだろーーいである。
いい感じに、12国記をわかってきたふりをいていたが
全くそんなことはなかった。なぜなら序章を読んでたに
過ぎなかったから。
今すぐ本屋さんへ行って続きを購入したい所だが、 
今日はもう遅い。寒いし、もう今日はいい。
来週には年末休暇が始まる。休暇の間、
私のするべきことは12国記の読破である。



ps.実は我慢できなくて12国記のアニメを見てしまった。
私が7時間で読み終えた場面まで、
アニメでは5話くらいなのだが(1話30分)
内容がアニオリ(アニメオリジナル)なのである。

これが本当に私には向いていなかった。
アニメから見ていたら、きっと12国記にここまで
興味を持てなかっただろう。
本当、夢中になれるコンテンツはいつも
目の前に突然現れてくるのである。

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