お前もMTGをやらないか?

 俺はヤカゴトップガン…略してヤノだ。
 今回はMagic The Gathering(以下、MTGと表記)というカードゲーム最高の荒野にお前たちを導くべく、この記事を書いている。この荒野を往く”覚悟”のある者はついて来てくれ。

  1. MTGとは?

  2. 三方向から見るMTGの魅力

  3. 始めるには?

  4. おわりに

 

MTGとは

ゲームデザイナーRichard Garfieldによって考案され、アメリカの企業ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが製造・販売しているトレーディングカードゲームである。わが国における現在の販売代理店はウィザーズ社の日本支社である。現在、「最もよく遊ばれているTCG」などでギネス世界記録に認定されている。
1993年に発売が開始された世界初のTCGであり、あらゆるTCGの元祖ともいえる。同年8月のリミテッド・エディション以来、現在に至るまで新しい基本セットやエキスパンションを継続的に発売し続けており、カードの種類は(アン・カードを含めて)テーロス還魂記時点で2万種を突破している。現在、世界11か国語、70か国以上で発売されている。

(MTGwikihttp://www.mtgwiki.com/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%9A%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%82%B6%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0 )

正しくカードゲームの祖であり、源流ともいえるタイトルがMTGだ。他のタイトルと比較した時に際立つ特徴は、第一に多様なカードタイプと能力から来る圧倒的なデッキタイプの多さ。第二に「インスタント」を巡って相手ターン中に繰り広げられる熾烈な攻防。第三に遊ぶ人数すらも変化させうるフォーマット(遊び方)の多様性。この三点にあると考える。とはいえ、これらを説明しようとするならばMTGというゲームの根幹にあたるシステムから話していかなければならなくなる。それには少々この記事という余白は狭すぎる。そこで、今回はMTGの開発部が持つカード作りの考え方に触れながら、この荒野に踏み出すことでお前が得る宝物についての話をすることにする。MTGは果ての無い荒野であり、初めて踏み入れる者には生きづらい世界かもしれないが、それ故にありとあらゆる在り方を肯定してくれる場所であることを俺は信じて疑わない。次の項から、より詳しく掘り下げて行こう。

三方向から見るMTGの魅力

 1の項では、プレイするゲームとしてのMTGに触れたが、お前たちも知っての通り、カードゲームの楽しみというのはプレイするところにのみ存在するのではない。このことを、カード開発部はいくつかの概念を用いて説明する。
 まずはプレイを楽しむ「ティミー、ジョニー、スパイク」。次に、イラストや背景ストーリーを楽しむ「ヴォーソス」最後に、カードの機能や相互作用を楽しむ「メルヴィン」だ。
 急に耳慣れない言葉が多数登場して戸惑うかもしれないが、これらはお前たちにも必ず当てはまる部分がある。だから、いわゆる「あるある」話として、自分の経験に即して読んで欲しい。

 ティミーは「プレイすること自体を楽しむ」プレイヤーを指す概念だ。デュエル・マスターズで例えるなら「ホーガン・ブラスター」や「轟破天九十九語」、「インビジブル・フォートレス」のようなド派手なカードや運任せのカードをプレイすることに興奮を覚える。また、新しいパックのカードをいち早く試してみたい、というようなプレイヤーもこれに当たる。

 ジョニーは「カードやプレイを通じて自己を表現することを楽しむ」プレイヤーを指す概念だ。彼らは誰も使っていないようなカードを主軸にデッキを開発したり、未知のコンボを発見したりすることに喜びを覚える。

 スパイクは「カードやプレイの中で困難に挑戦し、それを達成することを楽しむ」プレイヤーを指す概念だ。プレイミスをなくそうと努力したり、より最適な構築を目指そうと調整を繰り返したりすること、大会で優勝することなどに喜びを覚える。

 ヴォーソスは、「カードの役割やフレーバー、イラストを鑑賞することを楽しむプレイヤーだ。デュエル・マスターズの名フレーバーテキストとして有名な「雪渓妖精マルル」はこのことを説明するのにうってつけのカードだ。能力の”セイバー:アースドラゴン”によって自らを犠牲にしてドラゴンを守る姿と、「この世の果てで、また会いましょう。だから、今は笑って。」というフレーバーテキストは完璧に調和し、このカードが背景ストーリー世界において如何なる存在であるかを如実に表している。


イラストも神秘的で美しい。


MTGのカードならこれが好き。墓地を喰らって大きく成長しながら恵みをもたらす能力と、
フレーバーテキストの親和性が極めて高い。また、カードとして強力でもある。


 メルヴィンは「カードの機能や相互作用、複雑な挙動」を楽しむプレイヤーだ。いわゆる「リーサル問題」を考案したり、ルールについて議論をしたりするのが好きなプレイヤーもここに含まれる。「抽出機構」「製造機構」「活性機構」の3枚サイクルは盤面に揃った状態でどれかを発動させるとマナが続く限り能力を循環させられるようにデザインされており、メルヴィン的なカードとして知られている。(フレーバーテキストも含めてみると、ヴォーソスの視点からも味わい深いカードだ。)


 お前たちは彼らの思想に共感できる部分はあっただろうか。これらはそれぞれに独立しているわけではなく、1人の人間についてでも複数の要素を持っているし、また新たに芽生えることもある。かく言う俺もMTGを始めて、ヴォーソスやメルヴィンのカードの見方に目覚めたクチだ。そして、MTGの開発部はそれぞれのパックについて、これらのプレイヤーをそれぞれ満足させるカードが作られるよう、努力を重ねているし、多くの場合その試みは上手くいっている。きっと、お前たちはこの荒野の中で自分だけの宝物を見つけることができるだろう。それこそが、俺がMTGという荒野を自分の住処の一つとして選んでいる理由であり、魅力である。


いかにも重たく、ド派手な能力でありながら、最大の効果を発生させるには他のカードとの相互作用が必須であり、また元のカード名「tooth and nails」は”あらゆる手段を尽くす”という意味のスラングである。さらには多くの環境デッキに採用された実績を持つ、MTG史においても極めて多くのプレイヤーを満足させたことで知られる傑作カードの一枚だ。

始めるには?

 ここまで随分長々と、MTGなるものの魅力を語ってきたわけだが、既にこう思ってくれている者がいれば俺としては嬉しい限りだ。「最高なのはわかったけど、何やればいいのかわかんねぇんだよ!!」そんなお前たちに、MTGという荒野の歩き方、その最初の一歩を教えようと思う。

 インターネットの発達した現代、遊戯王もデジタル版のマスターデュエルが存在するように、MTGにもデジタル版が存在する。それが”MTGアリーナ”だ。
(下のリンクからダウンロードできる)

MTGアリーナでは、いわゆる”新枠”以降のカードプールで遊ぶことができる。少々道のりは険しいが、無課金でも充分に遊んでいける。とりあえずはここから入るのがオススメだ。チュートリアルもしっかりしていて分かりやすいし、煩雑で分かりづらい処理も自動で進めてくれる。とりあえずは1週間やって”カラー・チャレンジ”をクリアしてくれ。それが終わったら次の段階の話をまた記事にする。

 もし、お前が「早速実物のカードに触ってみたい!」というイカしたオタクなら俺に反対する理由はない。ちょうど先日、新弾が発表されたばかりだし、少し前の商品だが圧倒的にお得でしかも強力な構築済みデッキである「パイオニア・チャレンジャーデッキ」が販売されている。これらはMTG専門店”晴れる屋”の通販で簡単に手に入れることができる。それぞれのデッキの戦略やオススメについてはまた新たに記事にする予定だ。

おわりに

 この記事がお前たちに”最高の荒野”MTGの魅力を10000分の1でも伝え得るものであったならば、そして、そこに一歩を踏み出すきっかけになってくれたならば、これほど嬉しいことはない。俺は少し先でいつもお前たちが入ってくるのを待っている!!

『お前もMTGをやらないか?』はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?