【LIVE名盤】”Chaka Khan / Stompin' At The Savoy”
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。
1978年に初ソロアルバム『チャカ (邦題: 恋するチャカ)』や『Naughty』(1980)、『What Cha' Gonna Do for Me(恋のハプニング)』(1981)をリリースしてソロ・シンガーとしても人気を獲得したチャカ・カーンです。
そんな彼女のボーカリストとしてのキャリアをスタートしたルーファスを再結成して共演するライヴ盤をリリースします。それが今回ご紹介する『ストンピング・アット・ザ・サヴォイ』(1982)です。
アルバムはNYのサヴォイ・シアターで1982年2月に録音されました。この時にルーファスのメンバーとしてクレジットされているのは、トニー・メイデン(Vo, G)、ケヴィン・マーフィー(Key)、ディヴィッド・ウォーリンスキー(Key)、ジョン・ロビンソン(Drs)、ボビー・ワトソン(Bs)の面々。サポートとしてレニー・カストロ(Perc)、ホーン隊にはジェリー・ヘイ(Tp)、アーニー・ワッツ(sax)、ラリー・ウィリアムス(sax)などワン・ナイトのライヴ・パフォーマンスとしては豪華すぎるミュージシャンが勢揃いです。さすが超メジャーのワーナーだけあってアルバム・リリースを前提とすると予算かけ放題ですね。
2LP仕様でリリースされたアルバムは、A-C面がライヴ、D面にはスタジオ録音のナンバーが収められています。スタジオ盤にはルーファスのメンバーの他にも、ジョー・サンプル(Pf)、ジェームス・ニュートン・ハワード(Key)、ポーリニョ・ダ・コスタ(Perc)、グレッグ・フィリングゲインズ(Key)らが参加しています。
観客の期待高まる中で渋くギターのカッティングから始まるA1。チャカとレイ・パーカー Jrとの共作で、オリジナルはルーファスのアルバム『Rags to Rufus』(1974)に収録されたヒット・ナンバーです。いきなりファンキー全開のナンバーで途中のギター・ソロとチャカとの掛け合いも、いきなり最高ですね。
続くA2もルーファスとのアルバム『Rufusized』(1974)に収められているヒット曲。ルーファス with チャカのセット・リストとしては相応しい選曲ですね。いかにもNYのエンターティメント・ステージらしい雰囲気を盛り上げてくれます。
ライヴ・アクトのラストC4は、これもルーファスとのアルバム『Masterjam』(1979)収録のナンバー。原曲よりも数倍も華やかさが増したアレンジが素敵です。ルーファスにあまり馴染みがなかった私でしたが、このアルバムをきっかけとして遡り、ロック少年だった私の音楽趣向にファンク魂を注ぎ込むきっかけとなったような気がします
そして当時の私の一番のお気に入りだったD2。時代は私も熱中していたAOR全盛期で、そんな趣味にもぴったりのナンバーでした。淡々と几帳面にリズムを刻むドラムのジョン・ロビンソンらしさが良い感じです。
アルバムは商業的にも成功して、USチャートで最高位4位を獲得します。ルーファスはこのチャカとの再共演を最後に解散してしまいます。メンバーはその後に様々なセッションで活躍しますし、チャカもソロ・シンガーとしてのキャリアをますます充実させていきます。チャカにとって、ルーファスとの活動に区切りをつける棚卸しアルバムだったのかなという気がします。