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”Alone Again (Naturaly) / Gilbert O’Sullivan” 

[RADIO DAYZ] 1972 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。

ギルバート・オサリヴァンはアイルランド出身のシンガー・ソングライターです。11歳の時に家族でロンドンに移り住み、16歳の頃から地元のバンドで音楽活動を始めます。

本国UKでは、1971年にデビューアルバム『Himself (邦題: ギルバート・オサリヴァンの肖像)』がリリースされると、収録曲の「Nothing Rhymed」がUK国内ではトップ10入りします。続く1972年に「Alone Again (Naturally)」がシングルとしてリリースされると、米国や日本でも大ヒットを記録します。

同年にアルバム『Back to Front』をリリース。収録曲の「Clair」がヒットします。1973年にはアルバム『I'm A Writer, Not A Fighter (邦題: アイム・ア・ライター 1本のペンがあれば)』リリース。先行シングルとして収録曲「Get Down」がヒットします。

「Alone…」や「Clair」のシングル曲のヒットのタイミングにあわせて、米国や日本で発売されるアルバムは収録曲が微妙に差し替えられています。


”Alone Again (Naturaly)”
1972年にリリースされると、米国Billboard Hot 100シングルチャートとイージー・リスニング・チャートで計6週1位を獲得します。UKシングルチャートでは3位を獲得。日本ではオリコン洋楽シングルチャートで1972年10月23日付から5週連続1位を獲得するなど、オサリヴァンの代表曲といえる大ヒット作になります。

この曲はメロディから受ける印象とは違い、切ないラブ・ソングでは無いようです。投身自殺を企てる歌手と、神に救いを求めるその両親の孤独を歌っています。決して自身の体験ではないとしていますが、一体何を象徴している歌なのでしょうか・・・


“Clair”
1972年11月に2週連続UKチャート1位を記録。USのBillboard Hot 100で最高2位を獲得します。

この曲は幼い女の子が叔父さんを慕う物語。クレアとは、オサリヴァンのプロデューサー・マネージャーであるゴードン・ミルズの娘のことで、その幼子の笑い声が曲の最後に聴けます。オサリヴァンの歌声と共にとっても和む曲ですね。


“Get Down”
1973年リリースのアルバム『I’m a …』の先行シングル。UKチャート週間1位を獲得。米国ビルボード週間7位、アダルト・コンテンポラリー・チャート週間3位を記録しています。

前作などと違いビートの効いたロック調の曲は、可愛い彼女との痴話喧嘩の一コマを歌っています。ただ歌詞に使った「Dog」やタイトル「Get Down」はアメリカスラングで性的・侮辱的な意味が含まれていることを批判されましたが、「私はアメリカンでは無い」と開き直ったそうです(苦笑)。

オサリヴァンの音楽は当時のラジオ番組でもパワープレイされていました。こちらは深夜放送というよりも、日曜日の午後にゆったりと聞いていたという印象です。しかも歌詞の意味も気にせず「良い曲だぁ」と素直に聞きいってしまう、そんな楽曲です。


これらの曲は多くの日本人アーティストがカバーしています。その中で角松敏生が1984年にリリースしたシングル盤のカップリング曲として、洋楽をカバーを珍しくとりあげ「Get Down」を収録しています。シンセを多用したNYファンクテイスト全開の角松サウンドにアレンジ。ドラムは当時新進気鋭で今は亡きヨギ・ホートン!聞きものです。



ギルヴァートは独学でミュージシャンとしてのキャリアをスタートしているため、実は楽譜が読めず、ピアノも左手を打楽器的に弾くなど、独特なスタイルです。1992年に来日公演を観に行きましたが、その時に新宿厚生年金会館大ホールの2階スタンドから見た彼の弾き方に「え?」っと一瞬目を疑った記憶があります。

こちらはその翌年の来日公演の動画ですが、そんな彼の独特な奏法がみられます。こちらもハートウォーミングなとても良いステージですね。
Gilbert O'Sullivan Live in Japan '93 Full Concert
Recorded Live February 10, 1993. Recorded at Nakano Sun Plaza Hall.

その後もブルーノートなどのクラブ出演のために何度も来日しています。彼の優しいメロディと歌声は、日本でも根強い人気があるのでしょうね。


夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。

この記事を読んでくださった方の思い出などもコメントして頂けたら嬉しいです。

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