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【名盤伝説】 洋物FUSION系まとめ

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1970〜80年代を中心に洋物FUSION系のミュージシャンやアルバムを紹介しています。ジャズ系由来のボーカルアルバムもこちらで紹介しています。
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2024年3月の記事一覧

【名盤伝説】"David Sanborn / Voyager" あの頃の思い出とともにあるフュージョン名盤。

MASTER PIECE デイヴィッド・サンボーンの1980年リリース『Voyager ( 邦題: 夢魔』です。 当時、新譜情報の仕入れ先はもっぱら「ADLIB」とういう音楽雑誌でした。遊び場だった新宿の紀伊国屋で購入して、歌舞伎町のカフェ&バー「SUNSET」に向かいます。この店は、フュージョンやAOR系のアルバムジャケットが窓越しに飾ってあり、雑誌で紹介されている新譜も多くディスプレーされていました。当然BGMもそんな新譜がよくかかり、雑誌を見ながら「このアルバムはこう

【名盤伝説】 ”Grover Washington Jr. / Winelight” ニューヨークの香りが醸し出す極上のフュージョン・アルバム。

MASTER PIECE USニューヨーク出身のサックス奏者グローヴァー・ワシントン Jrのメジャー出世作『ワインライト』(1980)です。 名門ジャズレーベルCTIレコードのプロデューサー氏に見出されたグローヴァーは、1971年にアルバムデビュー。ファンク色の強いジャズ系アルバムを次々とリリースしていきます。その後レーベルを移籍して1980年にリリースしたのがこのアルバムです。 時代はフュージョン・サウンド全盛期、グローヴァーもその流れで、分かりやすいメロディに印象的な

【名盤伝説】”Lee Ritenour / Friendship “ 超絶技巧の名人技を堪能できるDC名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。フュージョンギタリストの代表選手、リー・リトナーの『Friendship』(1978)です。同名のアルバムが他にありますが、こちらはダイレクト・カッティング(DC)というミュージシャン、エンジニア含めて国宝級の一発技で製作されたシリーズの第3段です。 ダイレクト・カッティング(DC)とは、当時はLP盤しかなく、その製作の最終工程で必要な元の盤(ラッカー盤、スタンプの元のようなもの)に音源を直接刻み込む制作方法のこと。すな

【名盤伝説】 ”Larry Carlton / S.T.” 335の音色に酔う。LAクロスオーバー / フュージョンの不朽の名作。

MASTERPIECE ラリー・カールトンの不朽の名作『ラリー・カールトン(邦題: 夜の彷徨)』(1978)です。 ラリーは1948年USカリフォルニア出身。ハイスクール時代からギターを始め大学の音楽専攻を経て1968年にデビューアルバム『With A Little Help From My Friends』をリリースしました。その後はクルセイダースに参加してキャリアを積み、その後もスティーリー・ダンの『ザ・ロイヤル・スキャン (邦題: 幻想の摩天楼)』(1976)やジョニ

【名盤伝説】 “Stuff / S.T.” 伝説が伝説を呼ぶ、NY実力派ミュージシャンの魂がこもった名盤。

MASTER PIECE 伝説のクロスオーバー / フュージョン・グループスタッフのデビューアルバム『スタッフ』(1976)です。 1960年代後半のニューヨーク。当時スタジオ・ワークを中心に活動していたミュージシャンらが、連日ミケールズというライブハウスに集まりセッションを楽しんでいたのだそうです。 セッションはその日ごとにメンバーも入れ替わり、70年代になると次第にミュージシャンも固定していきます。ここに集まっていたのはコーネル・デュプリー(G)、リチャード・ティー(P

【名盤伝説】”Patti Austin / S.T.” 圧倒的な歌唱力で歌い上げるスペシャルレディ。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。今回はJazzボーカルの枠を超え、名将クィンシー・ジョーンズに見出されたパティ・オースティンの『Patti Austin (邦題: 君はスペシャルレディ)』(1983)です。 前作『Every Home Should Have One (邦題:デライトの香り)』(1981)からクィンシー率いるQwestリーベルに移籍して2作目のアルバムになります。前作のタイトル曲がアメリカの各種チャートで好成績をあげ、日本ではルイス・ジ

【名盤伝説】Dee Dee Bridgewater” / Bad for Me” 自然に心と体が動き出すファンキー・ミュージック

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ジャズ・ボーカリストのディー・ディー・ブリッジウォーターがポップにファンクに歌い上げる『Bad for Me』(1979)です。 1950年USテネシー州メンフィス出身。ジャズミュージシャン一家に生まれ、1974年に日本制作の『Afro Blue』で待望のデビュー。ジャズとブルースの要素を織り交ぜた上質なボーカルアルバムで話題となりました。そんなジャズ路線で3作目の『Just Family』(1978)はジャズ・ベーシス

【名盤伝説】 ”Casino Lights Twins: Legendary Live at Montreux Jazz Festival 1981” 伝説のライブ完全盤

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。1981年に行われたモントルー・ジャズ・フェスティバルの模様を収録したライブ盤。1982年に『Casino Lights』としてアルバム1枚でリリースされましたが、その際に未収録の楽曲を追加したCD2枚組がタワーレコード限定でリリースされました。それが今回紹介する『Casino Lights Twins: Legendary Live at Montreux Jazz Festival 1981』(2021)です。 19