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"生き苦しければつくればいい"



はじめに

いつも読んでいただき

ありがとうございます。

遂に12月に突入しましたね...

時間が経つのが早すぎて

あら一週間経ったの⁈

私の一週間はどこへやらと

思っているこの頃です...笑

寒さに慣れようと

こまめにお散歩しています。

マフラーぐるぐる巻きです。


この記事では

英語のイディオム

あるいはフレーズなどを紹介し

その紹介したイディオムやフレーズを用いた

小説風の短編ストーリーを

楽しめる内容となっています!

英語が苦手な方にも

ぜひ

お気軽に読んでいただけたら

嬉しいです。


今回のフレーズは

"fish out of water"

です!

"Fish out of water"

意味: 場違い、違和感を感じる

使い方としては

下記のように

"feel"や"be動詞"と

組み合わせて使います。

例文

"I felt like a fish out of water."
意味: (場違いで)浮いていた。

"I was a fish out of water by staying at luxury hotel."
意味: 高級ホテルに泊まって、場違いな気がした。

個人的に

このイディオムをきくと

水がなくて

呼吸ができない魚をイメージして

苦しい感じ→場違い  

というような連想をしたら

覚えられそうな気がします。


"生き苦しければつくればいい"
小説風イディオムストーリー


"fish out of water..."

と美世は思った。

一人でフードコートにいると

一人ぼっちで遊園地に来たような気分になるのは

なぜだろう。

楽しそうにはしゃぐ学生達。

食べ物をシェアし合うカップル。

駆け回る子供達をたしなめる家族。

冷め切ったカツカレーを

傍に押し合って

ため息を一つつく。

やっぱり週末に

フードコートなんて

くるべきじゃなかったかも。

と思い

分厚い参考書を

パラパラめくっては

閉じる。

じゃあなぜこんな所にいるのかというと

パートナーとちょっとした言い合い

いや

正確には

美世が勝手に取り乱し

これ以上言い合いをしたくなかったので

外の空気を吸ってくる。

といって飛び出したものの

公園はあまりにも寒すぎて

結局

近所のフードコートしか

選択肢が無かったのだ。

仕方なく

イヤフォンのボリュームをあげて

持ってきた文庫本を取り出して

読もうとするが

全く集中できない。


窓の外を眺めるふりをしながら

ぼんやりして

留学時代の頃を思い出していた。

いつも

馴染めなかった。

留学したばかりの頃。

毎日

朝から晩まで開催されるオリエンテーションに

英語もろくに喋れない美世は

いつもぽつんと一人で座っていた。

ネイティブの学生達は

英語で談笑していて

留学生は自国の言葉でグループを作って

はしゃいでいて

美世だけが

場違いすぎる

と思っていた。

辟易して

オリエンテーションをこっそり抜け出して

広すぎるキャンパスの

芝生が生えた中庭で

青空をぼんやり眺めていたら

隣に気持ちよさうに寝そべっている

メイがいた。

メイは美世のことを気にする風でもなく

自由に伸びやかにみえた。

勇気を振り絞って話しかけると 

「あなた、もしかして日本の子?」と

大きな瞳をこちらに向けてきた。

メイは台湾から留学に来て

こちらの大学に通って

もうすぐ4年になるらしく

英語はもちろん堪能で

日本語も少しなら

話せると言っていた。

美世が

オリエンテーションに出席したけれど

雰囲気に馴染めず

場違いな感じがしたと言うと

"fish out of water!"

と突然言われた。

意味が分からず

ポカンとしていると

「あ、馴染めないってことよ」

と笑って教えてくれた。

あの頃

メイがいたから


私は居場所があったけど

メイが卒業して

いなくなってしまった後

全てが変わってしまった気がする。

楽しい思い出もたくさんあったけれど

いつも何処かで

私の居場所はここじゃない気がする

と思っていた。

結局

日本に戻ってきてからも

その気持ちは中々消えなくて

モヤモヤしていた。

それで思わず

"fish out of  water"

とパートナーに言葉を投げつけて

出てきてしまったのだ。


コトンと

カップが置かれる音がして

顔を上げると

そこにはパートナー

が座っていた。

「fish out of waterって
思うんだったら
それはそれでいいんじゃない。
そこから立ち去れば。
作ったらいいんじゃないの。
ここが居場所だと思える所をさ。」

とコーヒーを一口すすりながら

言った。

あぁ。そっか。作ればいいんだ。

そう思ったら

少し笑顔になれて

ミルクティーをすすった。

-終-

*このお話はフィクションです。登場人物の名前は実在の人物と一切関係がありません。




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