見出し画像

大槌とデザイン_Hiroto Kishima_2022.11

一章 Tourism Design

恐ろしい早さで11月が過ぎていった。立冬から小雪を迎え、本格的な冬がやってくる。ああ、恐ろしい。冬ですよ、冬。もう字を見ただけで寒い。
今月は毎週に何かに追われていた気がして、こうして振り返らないと何をしていたのか思い出すこともなく時が過ぎていく。

11月26日、モニターツアーの撮影アシスタントとして参加した。先月に少しだけ触れた桃畑学園サーモン養殖場や、源水など大槌をめぐるツアー。その撮影班のアシスタントとして、アールヨンジュウゴデザインの佐藤さん、菅谷さん、そして映像撮影の井田さんと一緒に一日同行し、写真、映像の勉強をさせていただいた。

桃畑学園サーモン養殖場での様子。
大場さんによるわかりやすい解説。

桃畑学園サーモン養殖場では天気に恵まれ、日差しがぽかぽかとした中で見学することができた。続いて源水へ移動する。地域おこし酒としてデザイン・ネーミングワークショップにも参加させていただいたお酒「浜千鳥 源水」の話も交えながら見学する。

源水。
大槌鹿・ジビエについて。

割烹岩戸さんで大槌の食材をふんだんに使用したランチに舌鼓を打つモニターツアー参加者の皆様の横で、私は佐藤さん、菅谷さんと料理の撮影をする。ふるさと納税の写真に少しずつ関わらせていただいていて、よい写真を撮影するための勉強。光の当て方や照明の有効的な使い方について撮影しながら解説してくださる。光がうまく使えてない場合と、使えている場合の写真を比べながら学ばせていただいた。
吉里吉里国では薪割りを体験する。安全に注意しながら、まず見本で松永さんが軽々と斧を持ち上げたので、私も体験してみたらぐらぐらと安定せず、狙ったところに刃が当たらない。とても上手に薪割りをされている参加者の方がおり、皆様日頃のストレスを発散するかのように楽しんでいらした。

吉里吉里国での薪割り体験。

次に孫八郎商店で休憩、お買い物タイムがあった。チャリカフェさんのおしゃちの梅を楽しみながら大槌のお土産を見て回る。最後に小川酒店で「源水」をお土産に買い、モニターツアーは終了となった。
一日を通して、撮影の仕事は常にツアーの動きを考えながら進んでいくので事前準備はもちろんのこと、やはり知識がないと大変だ。解説者の方、ツアー参加者の方の立ち位置や、背景、日光など様々なことに気を配る。常に考えて動く。そして撮影して終わりではなくて、編集する仕事もある。テロップの入れ方や動画のつなぎ方、普段私たちが何気なく見ている映像はこうして作られている。

11月25日に「第15回オンライン観光創造フォーラム」に参加した。
アニメによる地域おこし、観光プロモーションについて、アニメ『邪神ちゃんドロップキック』宣伝プロデューサーの柳瀬一樹氏が講師としてお話していらした。
大槌町は『大槌カイ物語』や『岬のマヨイガ』などアニメによるアピールをしており、勉強になる話がたくさん詰め込まれていた。
特に面白いと思ったのが、既存の作品を新しく地域とコラボレーションし観光プロモーションを行なった場合と、新しく地域を題材にしたアニメーションで観光プロモーションを行った場合のメリットとデメリットについてだ。前者はつまり『邪神ちゃんドロップキック』などで後者は『大槌カイ物語』『岬のマヨイガ』などである。すでに原作があり、ファンがついている作品を地域とコラボレーションする方法は、聖地となった地域に短い時間でたくさんの人が訪れる効果が期待でき、即効性や話題性などで強く出れる。一方、原作のイメージを損なう、ファンの一部が流れてしまうなどの課題点もあるそうだ。
さて、新しい作品の場合、イメージの損失などはないものの、やはり一からファンを獲得しなければならず、時間がかかる場合がある。そうなるとやはり長期的にプロジェクトを進めていく必要があるし、少しでもそれが途切れてしまえばたくさんの作品の中に埋もれてしまう。

講義の一部。こちら公式よりダウンロード配布されている資料。

作品がいくら素晴らしくても見てもらえばければ意味がないのは美術を勉強してきた私も痛感する思いだ。

二章 GraphicDesign  PhotoDesign

今月は色々と制作し、月初に何をしていたのか思い出せなくなってきた。スケジュール帳を見返しながら振り返る。

まず、なんと言っても今月一番の大仕事は12月11日、12日に開催された「マスト・自店舗特別注文書販売」のチラシであろう。12月の広報に織り込まれるのでぜひ注文して欲しい。

注文書にご記入ください。
みなさん豪華なラインナップ。

魚よしさん、中里鮮魚店さん、越田鮮魚店さん、たかのり海産さんの商品写真について、私が撮影させていただいた。その節はご協力いただきましてありがとうございました。
かなり逼迫したスケジュールであったけれど、なんとか校了できて一安心。毎年やっているらしい注文書販売だが、今回はマストでも受付するという新しい試みがあり、自店舗との違いについて、もう少し説明が必要だったと反省している。裏面はかなりぎっしりと内容が詰まっていて、全体的にもう少し色味を使った方が良かったか? と思い、各事業者さんの番号を他の色で試してみたけれど、そうすると今度は写真が埋まって見えてしまう。文字の太さも調節し、今回のものが出来上がった。私が11月の月報を書くのが遅すぎて、すでにイベント当日は過ぎてしまっている。当日の様子は来月の月報で詳しく書くとして、今回はチラシの内容だけで留めておく。

大槌に来て一週間くらいで開催されたサーモン祭り。初めてのイベントスタッフとして奔走して、のぼり旗を同じちおこの釣部さんと各地につけて回ったのが強く印象に残っている。サーモン祭りも六ヶ月前、ということは私が大槌に来て六ヶ月が経過しようとしているということ。
さて、のぼり旗に何かと関わりのある観光協会で、桃畑学園サーモンののぼり旗をデザインさせていただいた。ロゴにも使用されているピンク、トーンを変えて統一感を意識しながら可愛らしくスマートな感じで制作した。

ロゴは既存のものです。
 目立っている気がする。

下の背景模様は波としぶき、そしてサーモンの切り身の模様をイメージしロゴにも使われているサーモンのイラストを画面からはみ出る形で配置してみた。
こちらは30日に盛岡のイオンで孫八郎商店が出店した際に使用していただいた。現地には行っていないので協会の方に撮影していただき、現場で目立っているか、のぼりの役割を果たしているか写真での確認をする。データで見るよりも薄ピンクが薄く見えるのは生地が薄かったせい。試し刷りができなかったので少しだけ後悔。だが全体的な統一感は出すことができ、良かったと思う。

「ガチャ」と聞いて、みなさん何を思い浮かべるだろうか?
私はソーシャルゲームの課金をイメージするのだけれど、まあもちろん、コインを入れてハンドルをひねるとカプセルが出てくる「ガチャガチャ 」のことである。駅にあるササキプラスチックさんのガチャガチャをイメージしていただけるとわかりやすい。
12月24日土曜日、クリスマスイブにマストセンターコートで「おおつちランチガチャ」が設置される。こちらなんと、五百円で必ず得をするランチクーポン券が入っているらしい。太っ腹。その事前告知チラシを制作した。全体的に紅白のめでたいイメージで、珍しく、ポップなイラストとかを描いて載せてみて、統一感のあるものに仕上がったのではないだろうか。
ランチ券が使用できる店舗はチラシのQRコードより確認できる。広報が届き次第、特別注文書販売と合わせて、ぜひ確認していただきたい。

5000円の確率は…?

商品写真の撮影は毎回少しの不安と戦いながら行っている。
私は在学中も含めて、あがってきた写真を加工し制作することばかりしていて、もちろん自分自身でも撮影はしていたのだが、苦手意識のあるものであった。そのあたりも含めて、一章で書いたモニターツアーで撮影班として同行し、勉強させていただいたわけである。
ふるさと納税の写真撮影のため、チャリカフェさんにお邪魔した。特別注文書販売のチラシを制作した時にも考えていたが、やっぱり難しい。

お皿が少し暗いか? 
制作工程も撮影させていただいた。

三章 Design festa

11月19、20日に東京の国際展示場、東京ビッグサイトでデザフェスに参加した。友人二人が参加しており、その二人は夏に大槌まで来てくれて、浪板海岸をとても気に入り、朝から浪板海岸でぼんやりしているくらいにはお気に入りの様子で、また来年も行きたいと言っている。嬉しい限りだ。
さて、二日間のデザフェスは各地のクリエイターが一同に作品を販売する、デザインの一大イベントである。来場者数はおよそ五万人、出店ブースはおよそ六千ブースの大規模イベント。
売っているものもポストカードからキーホルダー、アクセサリー、洋服、工芸品まで多種多様。ライブペイントなどをされている方もおり、賑わっている。クリエイターの思いがたくさん詰まった作品に触れることができる。クリエイター同士の交流の場でもあり、自分の創作活動にも良い刺激があった。

この広告が見えてくるとそわそわ、わくわくする。
次回も楽しみだ。

あとがき

デザフェスで東京に行った時、時間の合間で新海誠監督の新作映画『すずめの戸締り』を観てきました。映画が放映してまもなく、大槌町、山田町が作中に登場しているのでは、とネットで話題になり、すでに聖地巡礼をしている方々もいらっしゃるらしく、身近な場所が映画で描かれるのはアニメ好きとしてわくわくします。実際、僕が大槌にやってきたのはアニメ映画『岬のマヨイガ』の影響でありますし。『すずめの戸締り』を鑑賞後、ファンタジーとリアルが混じり合う世界観に、まだぼんやりとしている中で新幹線に乗り岩手へ戻りました。映画を見た後の余韻に浸る感じ、とても好きです。
今月はどたばたとしていたので、これからやってくる長い冬はゆっくり家で温まりながら、いろいろな作品に触れようかなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?