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大槌とデザイン_Hiroto Kishima_2024.05

一章 湿った砂

5月の下旬、年に一度あるかないかのネガティブゾーンに入った。
大体寝れば忘れてしまう性質なのでとりあえず布団に入って、案の定すやすやと眠りに陥り、しかし目を覚ますと靴のまま海に入った後のような憂鬱さがどんよりと立ち込めている。まもなく梅雨入りである、なんとも不穏な空気だが、気分が晴れるような出来事を探していこう。

5月7日に大槌町観光交流協会のYouTubeチャンネルで公開した新作アニメ『大槌超神楽ダイハンマー』はなんと現在5万回再生を突破し、たくさんの方々にご視聴いただいている。またSNSでは聖地巡礼で大槌を訪れていただいた方の投稿もあり、アニメの効果に驚きを隠せない。
毎週木曜日に活動している「シン・アニメ部会」では、今年度からちおこの方をはじめ、町内の若手メンバーが参入し、私一人では頑張っても下げられない平均年齢をぐっと下げることに成功。失礼な発言かもしれないけれど、アニメも世代によってかなり話題が異なってくるので、私としては大変嬉しいのだ!
アニメ部会ではとにかくアニメを語るなど、趣味全開でディープな会。しかし入り口は広い。
アニメ好きの皆様、ぜひ「シン・アニメ部会」へ!隠しているだけで町内にアニメファンがたくさん息を潜めていることを私たちは知っています、よ!

ガンダムを語る会。

二章 回転ドア、途中で止まる

5月から始まったかがり火の舞。受付のお手伝いとして参加する。
今年も町外からお越しのお客様にポストカードをお配りすることになり、そのデザインを担当した。5月は「安渡虎舞」「城内大神楽」「金澤神楽」「松の下大神楽」の四団体。洗練された郷土芸能のイメージを反映して制作した。写真はちおこの方、協会がお願いしたカメラマンさんのものを使用している。出演される団体すべてのポストカードを製作するので、ぜひすべて鑑賞いただき、集めて欲しい!

今年も始まるぞ。
製作途中、ね。

「第4回岩手大槌サーモン祭り」は6月9日に無事開催された。月末から6月頭にかけて、ずっと天気が芳しくなかったので当日の天気も心配だったが、噂によると6月9日は過去十年雨が降らない、晴れの確率が高い日だそうだ。昨年は早朝の準備開始の時にぱらぱらと降っていたような記憶があるけれど、すぐに快晴になったはずだ。まあこの時点で過去十年云々という話に矛盾が生じているようにも思えるが、イベントの時間帯に雨が降らなければ良いよね。
当日の出来事は来月のnoteに詳しく記載するとして、ここでは事前の準備等の話に留める。
目玉イベントである「サーモンつかみ取り」、こちらの事前予約はGoogleフォームと電話で受け付けていた。28日の13時、観光協会のメンバーはぐっと構える。大人気のイベントなので申し込みが殺到するのは昨年を経験していれば容易に想像できる。13時きっかり、電話のコールが協会の事務所に響き、それを合図にGoogleフォームも恐ろしい速さで埋まっていく。あっという間に定員に達してしまい、サーモンつかみ取りの人気っぷりにやはり驚くばかりだ。

いよいよ目前だ。
てんこ盛りの内容。

当日の会場で配布する会場マップを製作した。思えば初めて大槌に来た二年前、初期の仕事だったような気がする。もう三回目のサーモン祭りか、と思い出す時間もないほどに時の流れは急流である。
今年はA4サイズとA1サイズの二種類を制作。A1サイズは会場の三カ所に張り出す予定だ。これらを通してイベントでの掲示物がどのように見られ、効果があるのか知る良い機会だ。

たくさんの出店が並ぶ。

縦長の広告を二つ制作した。
こちらは文化印刷さんのフリーペーパーに掲載され、沿岸の大槌から岩泉周辺地域に配布された。いくつかの広告が紙面に並ぶ中、にこりと微笑む男の子が目を惹きつける。人間の性質上、自然と目に注目してしまうので、たくさんの広告の中でも発見していただけたのではないだろうか。

縦長サイズは難しい。

二つ目は『ガイドと歩く、大槌わくわくプラン』はみちのく潮風トレイルの大槌エリアをガイドの解説付きで楽しめるというものだ。動植物に詳しいガイド、ジオや歴史に詳しいガイドなど、希望に沿って指名することもできる。私も大槌を歩いて詳しくなりたい。まだまだ知らない道だらけだ。

大槌で、てくてく。

今回こちらの広告物を製作する際に、うっかり見落としてしまっていたことがあったので記録しておく。
総インク量の指定、これをすっかり忘れてしまっていた。
総インク量とは、印刷物はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の四つで色表現されるのだが、その割合という意味である。例えば、大槌町観光交流協会のロゴマークはC50、M100、Y100、K40で表現される。この場合、総インク量は290パーセントになるのだ。

この色、ね。

普段の広告物では多少気にするものの、データの作り込みで総インク量のパーセンテージを細かく決めることはなかった。新聞広告の印刷では、総インク量を指定の数値以下にしなければならなく、またプロファイルから指定のものが必要で、これについてはイラストレーターのカラープロファイル内で設定することができる。また写真も新聞広告用の処理が必須であるのだ。
それをすっかり忘れてしまっていた!
校了だ〜、と思っていたら色々とご迷惑をおかけしてしまって、修正をいたしました。良い経験。今回の件でインデザインで総インク量を確認できる機能を見つけたので、これを機にインデザインも勉強してみようと思う。観光協会にはインデザインの使い手がいらっしゃるので…。

三章 満天のあれこれ

ゴールデンウィークに友人が来てくれたので、初めて小岩井農場に行った。雄大な岩手山を望み、牛も羊も、馬も、人間も、なんだか平和すぎて笑ってしまう。仰向けになって足を空に向かって伸ばしながら、毛刈りをされる羊を見ていると、人間をやめたくなってくる。されるがままの羊を心配しているのか、後方でメェメェ鳴いている仲間たちが可愛らしい。しかし同じ牧場内でバーベキューできるって、罪な生き物ですね、人間って。牧場の横でバーベキューをすることを考えた最初の人間はいかにも人間らしく、憧れます。そういうのを見ていると、人間でよかった〜と思います。人間っていいなって曲、あったなぁ。

何食べてんのかしら。

あとがき

勧められて観た映画『ファイトクラブ』が凄かった!
タイトルからアクションかしらと想像していたら、サスペンスのような雰囲気もあり、すっかり術中にハマってしまう巧みなストーリー展開に、完璧に魅了されました。
そして何より作中に出てきたApple社のロゴマークがとてもカラフルなりんごだった!これは時代を感じる!Macユーザーの僕は毎日目にしているりんごマーク、使い始めた時からすでに今のロゴマーク。
Appleのロゴの秘話として、複数色の帯を印刷するためにコストがかかってしまったという話を聞いたことがあります。印刷の際、ミスで他の色と重なってしまいやり直しになってしまう事例が多かったとか。
しかし、スティーブ・ジョブズがこだわってこのカラフルなロゴを使用することを主張していた、みたいなことをどこかの記事で読みました。
もっと映画みたいな〜。

初期のロゴ 引用:Google
現在のロゴ 引用:Google

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