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大槌とデザイン_Hiroto Kishima_2023.08

一章 まるで滝のような。

お盆の間、観光協会事務所の電話はびっくりするくらい静まり返っていた。
仕事に集中できるのだけれど、しかし逆に落ち着かないというか、日々の賑やかさが強調された数日間。
映画でもそうだが、こういう突然の静寂というのは少々怖いものがある。大体そのあとはたいへんなことが起こるのだから。夏の暑さか冷や汗か、流れる汗は滝のよう。

であれば勝手に盛り上げてしまおうと、いや、ドタバタせずにはいられないのが観光協会である。いよいよ間近に迫った大槌まつりに向けて走っているのだ。

いよいよ大槌まつりです。

すでに町内外に掲示している大槌まつりポスターを制作した次は、チラシの制作に移る。今年は13年ぶりに大槌稲荷神社による大槌川渡御が決定し、たいへんな見所になるだろう。

今年も誘導係でしたぁ!!

大槌稲荷神社の神輿渡御は昨年と一部ルートの変更がある。また、曳舟まつりのあとは大槌川渡御が行われ、ぜひ写真に収めたいところだだ。小鎚神社の神輿渡御、小鎚川渡御は昨年間近で見て、川の中で力強く神輿を担ぐ、担ぎ手のみなさんがとても格好良かったのを覚えている。おしゃっち周辺では昨年同様に出店が並ぶ予定だ。
体力勝負の現場仕事が苦手ではあるのだけれど、お祭りは好きだし、楽しみだ。今年は猛暑に見舞われている大槌だが、お祭りの頃には少しは涼しくなるだろうか?

二章 それは水面のような。

七月下旬に吉里吉里海岸、浪板海岸が海開きをし、連日の猛暑も相まって、八月もたくさんの方々が遊びにきてくださった。三陸も年々気温、海水温度が上昇しているようで、しかし人間にはしっかり冷たい海は多くの人で賑わった。私も波打ち際を歩いて足を冷やす。これはたまらないですね、気持ち良い。

水温は人間にはちょうどいい。
波、波、波。

無事海開きが終わり、しかしまだまだ暑い毎日が続く。と、思ったら8月の最終週は秋の空。ここからだんだんと涼しくなって、次の季節へと移り変わる。そろそろ「少年時代」が聞こえてきそうだ。

8月27日(日)に吉里吉里フィッシャリーナで行われた「里海ダイビングPart2」では写真撮影をした。海には潜れないけれどシャッターはきれる。本当は潜って海の中でダイビングを楽しんでいる方々の写真を撮影したかったのだけれど、陸の上から水面を眺める。次第に水面は静かになって、みなさん海中へ向かってゆく。
ダイビングの後は浜焼きをはじめとするBBQ。たくさんの食材に舌鼓をうちながらダイビングの感想や交流を深める参加者の皆様。
大槌まつりの準備で大忙しの中、観光チームの皆様、お疲れ様でした。

 レクチャー。
ボンベを背負って、出発。
いろいろな地域からご参加いただいた。
BBQでは肉も海の幸も、野菜も。

10月7日(土)から9日(月)までおしゃっちにて開催予定の「新世界『透明標本』展」のポスター、チラシを制作した。制作依頼をいただいた時、透明標本とはなんだろう、と。写真を拝見するとこれはぜひとも本物を見たい、と思う綺麗なものだった。その洗礼された細かく美しい透明標本のイメージで、ポスターを制作した。大槌にきて制作したお祭りなどのポスターとはかなり系統が異なり、これもまた楽しい。白を基調に、透明標本の鮮やかな色が損なわれないように心がけ、すっと目に入るポスターを目指した。
日付などの文字は洗礼されたイメージに合わせ、明朝体を使用する。大槌に来てから、タイトルで明朝体を使うのは実は初めてなのでは、などと思いながら作業を進めた。

とても楽しみ!みなさんもぜひおしゃっちへ!

こちらの展示、私もとても楽しみで、透明標本をどのように製作しているのか気になる。これって人間を標本にできるのかな?と思ったり、できたとしたら、見てみたいと思ったり、10月が待ち遠しい。当日は透明標本作家の冨田さんによるギャラリートークがあるようで、詳しく解説をお聞きしたい。
岩手に来て、美術展に足を運ぶことが少なくなったので楽しみだ。

ぞくぞく。

こちらはチラシの裏面。神秘的な雰囲気を守るよう意識した。
冨田さんのギャラリートークの他に「透明標本 お絵かき体験」もあるようで、イラストや美術に興味がある方は参加してはいかがでしょうか?
こちらの展示、なんと無料で鑑賞できます。

三章 あたかも魚のように。

おおつちのあそび様が10月1日に予定している二つのツアー「三陸・海の森で親子でシュノーケリング体験」のチラシ制作をさせていただいた。
協会で里海ダイビングの体験をやっているが、ダイビングはもちろん、シュノーケリングもやったことがないので、よくよく考えるとどういう仕組みで潜っているの?と調べ始める。当たり前だけれど、シュノーケルって深く潜って水中で息を吸えば水が入ってくるんですよね?そんなこともわからない、勉強が必要な私です。
というわけで、シュノーケリング体験は親子向けにキャッチーな雰囲気で制作した。海の青を基調に、オレンジの差し色で全体的な統一感を表現する。三陸でも南の魚が観察できるような環境になっているらしい。
10月はいろいろなイベントが盛り沢山のようだ。10月はシュノーケル から始めてみてはいかがでしょうか?観察した魚はお魚博士が解説をしてくださるそうで、シュノーケルも習得でき、さらに魚の知識もつく海が大好きな方には魅力的なイベントだ。

ウェットスーツがあるから寒くない!

毎週木曜日に行われているアニメ部会。次期作のアニメについて話を進めている。そして登場するキャラクターの変身後の姿を大槌町の小中、高校生から募集し、集まったデザインを部会メンバーで一つ一つ見ていった。
やはりこどもの自由な想像力はすごい。まるで悠々と泳ぎ回る魚のよう。
思いつかないようなデザインや、なるほど、と感心してしまう鋭い目の付け所に、部会メンバーは一同に驚いたと思う。実際に使用されるデザインをこれから決めてゆくわけだけれど、どれも映像として見てみたいな。

めくる度に面白いアイディア。

あとがき

9月は僕が製作したポスターが二枚も町内に貼っていただいて、ありがたく、嬉しい限りです。制作を支えてくださった皆様、そして見ていただいた皆様に感謝です。
さて、いよいよ大槌まつりがやってくるわけです。僕は二度目のお祭りになりました。昨年度と、やはり視点が変わっています。体験することの大切さを改めて感じます。
今年も歩きます、頑張ります。
僕の体、耐えるかな〜? 耐えないかな〜?

プリキュアになりたい。

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