寝る前にすっぽん
寝る前に、子供に本を読み聞かせます。時間が遅くなった時に限って「読んで読んで」が凄いのです。しかも結構長めの本をチョイスしてくるのです。確信犯です。
そんな事が多々続いたため、本の代わりにお話を聞かせることにしました。「どうせお話を聞かせるなら、オリジナルストーリーがいいなぁ」というちょっとしたこだわりから、思いついたことを適当に喋ります。
『昔々、有るところにお兄さんがいました。
(娘:おじいさんじゃないんだ。)
お兄さんが、浜辺を歩いていると、向こうの方から子供達の騒ぐ声が聞こえてきたのです。』
「おいおい亀さんよ~、のろまなんだよ~、またひっくり返って…~」
(娘:え、うらしまたろーじゃん。)
「やめなさい、お前さん達!よってたかって亀が可愛そうじゃないか!」
(娘:うらしまたろーじゃん。)
『こうしてお兄さんは亀を助けました。亀はとても感謝しました。
「お兄さん、助けて頂き誠にありがとうございました。あなたは命の恩人です。是非何かお礼をさせて頂きたいのですが…。ですが、その前に。とても言いずらい事なのですが…。実は私、すっぽんです。
(娘:何?)
あの、亀ではなくて、すっぽんなのです。
(娘:すっぽん(#°Д°)y-~~)
ちょっと似てますけどね。助けてもらった手前、このまま亀でも良いかな~と思ったのですが、こちらとしましてもライバル視している亀と間違われるのもな~っと思って。」
(娘:ライバル視ってなぁに?)
娘の質問にはほぼスルーで語り続けます。
「確かに我々すっぽんは、亀ほど人気ではありません。しかし亀よりも良いところがあるのです。それは、美味い。そして元気になれるのです。」
(娘:すっぽんて食べれるの?)
『すっぽんは、お兄さんにすっぽん鍋を振る舞うことにしました。』
「今から私の出汁で最高のすっぽん鍋をご用意いたしますので…。熱っ…、この鍋あっついなぁ。ゆっくり入らないと…。お兄さん、押さないでくださいね。絶対、押さないでくださいね。」『すっぽんが熱湯風呂の様に…
(娘:何?)
鍋に入ると、まばゆいひかりを放つではありませんか。』
(娘:キャー\(^o^)/)
「さあ今が食べ頃ですよ。召し上がってください。」
『お兄さんは、こんなに美味しい鍋は食べたことがないと喜びました。しかも体中から力がみなぎってきたのです。』
「これはすごい!もはや服など要らぬ!村のみんなにも食べさせなければ!」
(娘:すごー)
『村の人たちも集まり、すっぽん鍋を食べました。そして、次から次へと力がみなぎり、服を脱ぎ捨て、海へ向かって走り出しました。そんな村人達の事を、いつしか人々は「すっぽんぽん」と呼ぶようになりました。』
(娘:へぇ~おもしろ-い。そうだったのか~。)
そうではない。
思いついたことを適当に喋っているだけです。
その後も何度もすっぽんの話ししてと言われます。
まさかの、娘ハマりました。
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