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連載13回目の月刊ショパン誌、発売です!テーマは、アメリカ合衆国のピアノ教本5回目


今回は、1967年に米国で出版された、グローバーピアノ教育ライブラリーを取り上げました。
300人を超える大きなピアノスクールを経営した町のピアノの先生だったグローバー氏。
彼がピアノ指導者になったきっかけは戦争(第二次世界大戦)でした。
現代のように教材がまだ豊富でなかった当時、
教えながら手書きの教材を書き溜め、それが教本執筆につながりました。
優秀な彼の教室の講師たちとの共同作業で実験を繰り返し、
編纂されたグローバーピアノ教育ライブラリーは、多くが教師たちとの共著です。
ピアノ教本を根幹に、ドリルブック、併用曲集、ドリルブック、テクニック、小曲集、連弾曲集、
クリスマス名曲集など7段階、全40巻からなるシリーズは、現在全22巻が出版されています。
小曲集と連弾ブックははとても面白い作品が入っていて、長く愛用しています。
連弾ブックは、現在絶版で残念!
米国でも長く人気のあるこのシリーズは、時代の波を受けて、聴音やソルフェージュなどの内容が補足された新シリーズが1988年にみんなのグローバーとして出版。
さらに大きく変わった点は、幼児向けレベルの楽譜提示です。
専門の基礎知識を学んでいなかった彼は、指導者になってから、必要を感じて音楽専門大学に入学。
その後、指導と執筆に情熱的に取り組み続け、新シリーズ出版と同じ年に彼は人生の幕を引きました。
教本の種類の多さと、よく考えられて構築された内容からも
グローバー氏の並々ならぬ勤勉さと指導への情熱が伝わります。
新シリーズでは、幼児の読譜学習で相対読譜法の一つ、プレリーディングが採用されています。5線を用いないで導入する読譜学習法は、幼児レベルのアメリカ合衆国の教本の多くに用いられ、今や一般的。その後、世界に波及していきます。写真は、アメリカの教本メインストリームス幼児レベルのドイツ版。写真右は、国際学会で発表された、あるカナダの公立学校の3音パターンによるソルフェージュ楽譜。
この3音パターンのソルフェージュ指導法は、私がペースメソッドを通して始めて知った方法で
国際学会の分科会で拝聴したときは驚きでした。
楽譜の導入は、初心者向けに工夫されるのが当たり前の時代になりました。
写真は強弱や音楽のイメージを記号化してGraphic Notationで記載したもの。
カナダの公立学校の先生の発表なのですが、実は、30年も前のお話。
今後、学び方や教え方は、益々工夫を凝らして進化していくのでしょうか。興味津々!
時代の変化を受け入れて、自身も進化していきたいものです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
米国教本は、3月号が最終回、私の連載は6月号まで!
無事に連載1年を過ぎ、ほっとしつつ、次号の内容に心を巡らせています。
またお目にかかれますように✨✨✨
皆様との出会いに心から感謝申し上げます。


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