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人生初めての屈辱2

ジャイナです。
早速前回の続きです。

気がつくと三人で無限サイクリング状態になっていた私達。
けれでも会話をしているのはジャイナ以外の二人だけです。

最初は気にもしていなかったけど、途中から二人は私に聞こえるような声で会話を始めました。

「ねぇ、それにピンクの自転車って可愛くないよね。」

「洋服もなんか変。白ってなんか変だよね。」

「うん、顔もなんか変な顔だよね。」

そう。その子達は、一人で自転車に乗っているジャイナを思い切りディスリ始めたのです。小学校にも上がる前の話だからあまり覚えていないけど、とにかく私の見た目をバカにし倒していました。

「ジャイナのことを言っている・・・」

私だってすぐに気づいたけど、言い返そうと思わなかったし、どうしたらいいかわからず、悲しい気持ちで自転車を漕ぎ続けていました。あのなんとも言えない気持ちと、夕方のオレンジに染まっていく景色。

そこから抜け出して、別なところに行けばいいのにそれができなかった。

悪口を言われながら漕ぐ足を止めれずにいる私。

やがて、錆びた水色の地球儀(今は見かけないけど、ぐるぐる回るだけの遊具)越しに父上が迎えにくるのが見えて、やっとここから抜け出せると思ったけど、同時に来て欲しくない気持ちもあった。

だって、父は私を大層可愛がってくれていたので、私が他の子に悪口を言われていると知ったら、悲しませると思ったから。

公園に着いた父上は、最初は私たちが三人で遊んでいると思ったのか、最初は私たちを眺めていました。でもすぐに事態に気づき、その二人に注意をすると、やっと家路に着くことができました。

「意地悪言われていたのか?」
というようなことを言われたような気がするけど、私は
「うん。」
としか言えなかった。

それからしばらくは、その公園には遊びに行かなくなった。

人の悪口を言って楽しむようになるのは、何歳くらいからなんだろう。あんなに小さい頃から人の見た目を言い合って笑うなんて、どんなお育ちをしたのかしら?

あの時すごく傷ついたけど、言い返したりしなかった(できなかっただけだけど)自分を褒めてあげたい。



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