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 取材日記 学歴を信用するな

 日本人は肩書きが大好きなのかもしれませんが、たいてい学歴に騙されています。高学歴の人は完成度が高く、頭もいいと刷り込まれているのでしょう。ところが取材をしているうちに、学歴なんてまったく信用できないと感じました。

 有名大学を出ていても、悪いやつらは星の数ほど存在したのです。その昔、スーパーフリーというレイプ集団があり、主宰していた男は早大在学中で、その肩書きを維持するために留年までしていました。彼らは女子大生向けのイベントを開催しては、若い子を泥酔させてレイプしていたのです。犯罪集団、結婚詐欺師、悪徳ホストにも高学歴はいます。

一方、ある家具販売会社の娘は有名大学で経営学を学び、「私のほうが利益を出せる」と自信満々でお父さんを会社から追い出し、自ら社長になりました。ところが、経営を数字で分析するのは得意でも、部下やお客の心は見抜けなかったのです。昔からいた側近までも見下して意見を聞かず、会社はどんどん傾いてしまいました。

 最も愚かなのは40歳や50歳になってもまだ大学名を自慢する輩です。こちらは「すごいですね」と言うしかないけど、本音では「いまだに学歴にすがっているのか?」と思ってしまいます。政治家もだいたい高学歴で勉強はできたかもしれないけど、スマホをチェックしながら取材を受け、こちらの目も見ない2世議員もいました。


 本当の優秀さとは、人の心がわかること。有名大学を出て、そのブランドにすがるより、人生経験の豊富さと人柄がすべてだと思います。だいたい、優秀な人は謙虚で自慢しません。自慢というのは愚かなので、たいてい人を遠ざけます。

 取材が5000人を超えたあたりから、人の本質が何となくわかるようになりました。人柄は美醜に関係ありません。美人でもすごく嫌な女もいれば、不美人でも優しい女性もいます。逆に顔も醜くて性格も醜い人もいます。もちろん、美人で性格もいい子もいて…。

 結局、見かけで判断するのは難しいけど、腕時計や高級車、学歴や高級靴だけを見て人を信用すると痛い目に遭うってことです。その人を飾っているすべてを取り去ったとき、本質が見えるはずです。

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